2018/12/16
帝王切開と麻酔 C/S 後のLVAD
帝王切開時のspinalでarrestし、VADを装着したというcase report
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26511992
特に何の既往もない妊娠39週の予定CS。
CS理由は産科的理由。
手術室でくも膜脊髄麻酔を実施した直後に徐脈から心停止(PEA)となったため、
CPRを開始。エピネフリン1mgと挿管を実施、2分後にはROSCしたが、血圧は不安定。
直ちにに児の娩出を行い、児に異常は認めず、Apgarは良好であった。
母親は閉傷後に鎮静挿管のままICUに移動。XPでは両側の肺水腫著明。
24時間低体温療法を実施。またImpellaを使用し、循環の回復を図った。
術後48時間後にはカテコラミン離脱でき、
さらに48時間後にImpellaからの離脱ができた
術後4日目に抜管、術後14日目に退院となった。
------
spinal anesthesia後の心停止発生率は0.07%
今回のケースの鑑別として
spinal anesthesiaによる心停止
周産期心筋症
羊水塞栓症
肺塞栓症
が考えられるが、既往もなく、DICのような症状もなく、Dダイマーの上昇もなく後ろ
3つの可能性は低い(否定はできない)
Bezold-Jarisch 反射によるPEAが最も可能性としては高いか。
日本でも報告されているspinal anesthesiaに伴うPEA
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/32/5/32_781/_pdf/-char/ja
------
日本の病院でImpellaを使用できる施設はかなり限られているし、
まずはPCPSを使用することになるんだろうか。
ラベル:
aneas_cardiac,
gynecology
2017/05/14
2017/04/02
帝王切開の区域麻酔での昇圧薬
Vasopressors for the management of hypotension after spinal anesthesia for elective caesarean section. Systematic review and cumulative meta-analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22313496
Acta Anaesthesiol Scand. 2012 Aug;56(7):810-6
2012年ともう4年も前だが、帝王切開の区域麻酔での昇圧薬になにをどのくらい使用するかについてのメタアナリス
胎児のacidosisはフェニレフリンのほうが強いと。(エフェドリンに比べて)
さらに母体の徐脈についてもエフェドリンのほうが防げると。
2017/01/29
帝王切開の昇圧でNorepineohrineを使用するか?
Anesthesiology 2015 に乗っていた論文 香港から。
Randomized double-blinded comparison of norepinephrine and phenylephrine for maintenance of blood pressure during spinal anesthesia for cesarean delivery.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25635593
Anesthesiology. 2015 Apr;122(4):736-45.
C/Sで spinal を行った際の血圧低下に対しては、ネオシネジン(フェニレフリン)を使用することが推奨されているが、反応性の徐脈およびそれにともなうCOの低下を認めることがある。ノルアドレナリンを使用することで、この徐脈とCO低下を抑制できるのではないか?という仮説のもの、フェニレフリンとノルアドレナリン(NAD)とのRCTを実施。
患者は104人のASA 1.2 の妊産婦 体重 50-100kgであること、身長140-180cmであることとした。血圧は非観血で児娩出まで1分ごとに、COについては suprasternal Dopplerを使用して5分ごとに測定。
投与濃度は以下とした。
フェニレフリン濃度 0.1mg/ml
ノルアドレナリン濃度 0.005mg/ml 力価が20倍であるとの論文より算出
結果、HRはNAD群の方が高く、COもNAD群の方が高かった。SVRはフェニレフリン群の方が高かった。臍帯血のガス分析結果では、NAD群でGluが高かったが、薬剤の血中濃度には差を認めなかった。
NADの方がβに対するアゴニストもあるため、HRも維持でき、COもkeepできる。
胎盤も通過せず、ネオシネジンよりもいいとのこと。
しかし、末梢からNADを投与するのはみんな抵抗があるのだろうか。
薄い量であれば、最近抵抗がないが、C/Sでルーチンに使用するには敷居が高い。
心疾患を持っている妊婦さんであれば、フェニレフリンよりもNADの方がいいかもしれない。
2016/10/23
2016/06/20
Pregnancy with CHD induces massive blood loss?
先天性心疾患では出産時の出血が多くなるのか?
後ろ向き調査 n=366 イギリスからの報告。
Why is post-partum haemorrhage more common in women with congenital heart disease?
Int J Cardiol. 2016 Sep 1;218:285-90.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27240153
出産リスクをCARPREGスコアで分類、また先天性心疾患のカテゴリーでも分類。
経膣で>500 帝王切開で>1000を出血多量とした。
結果、366出産中、21%で出血多量との診断となり、平均的な出血リスクに比べて高い結果となった。
何が出血と関連しているかを分析した結果、
1) Fontan disease 2) 緊急C/S 3)鉗子分娩 4) 全身麻酔 5)ヘパリンの使用の有無
が出血量と相関していた。
また分娩時期としてはFontan, PHTの患者でより短かった(平均 34.2-35.7w)。
(この論文、statisticsが独立したパラグラフとしてなくて、説明がかなり貧弱なんだけど、
この分析は多変量ロジスティック回帰分析で行ったのだろうか? よくわからない)
------
サンプル数が多くてもっといい分析ができそうなのに…と思う論文だった。
しかし、Fontan患者は全員区域麻酔で行っている点や、ENTONOX (NOとO2の混合ガス)を使用した麻酔方法での帝王切開がけっこうな数で行われている点は驚いた。
ENTONOXって見たことも使ったこともない。日本にはない。
後ろ向き調査 n=366 イギリスからの報告。
Why is post-partum haemorrhage more common in women with congenital heart disease?
Int J Cardiol. 2016 Sep 1;218:285-90.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27240153
出産リスクをCARPREGスコアで分類、また先天性心疾患のカテゴリーでも分類。
経膣で>500 帝王切開で>1000を出血多量とした。
結果、366出産中、21%で出血多量との診断となり、平均的な出血リスクに比べて高い結果となった。
何が出血と関連しているかを分析した結果、
1) Fontan disease 2) 緊急C/S 3)鉗子分娩 4) 全身麻酔 5)ヘパリンの使用の有無
が出血量と相関していた。
また分娩時期としてはFontan, PHTの患者でより短かった(平均 34.2-35.7w)。
(この論文、statisticsが独立したパラグラフとしてなくて、説明がかなり貧弱なんだけど、
この分析は多変量ロジスティック回帰分析で行ったのだろうか? よくわからない)
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サンプル数が多くてもっといい分析ができそうなのに…と思う論文だった。
しかし、Fontan患者は全員区域麻酔で行っている点や、ENTONOX (NOとO2の混合ガス)を使用した麻酔方法での帝王切開がけっこうな数で行われている点は驚いた。
ENTONOXって見たことも使ったこともない。日本にはない。
2016/06/12
Risk score of pregnancy of congenital heart diseases
2001年にCirculationに心疾患合併妊娠のリスクについての論文がでた。CARPREG study
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11479246
しかしこの時、先天性心疾患での妊娠患者の数はほとんどふくまれていない。
2010年にCongenital heart diseaseでの妊娠のリスクについての論文がEuropean Heart Journalに発表。 ZAHARA study
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26112887
1802人の先天性心疾患妊婦の分析調査。
妊娠中の合併症で最も多かったのは不整脈(4.7%)、次に心不全と続く。心合併症が起こるリスク因子は、チアノーゼ性心疾患、妊娠前の心疾患治療薬の内服、左室機能(Left heart obstraction 中身を読むと、ASのことのようだが)であった。機械弁と房室弁逆流は中程度のリスク因子であった。
産科的合併症で最も多かったのは高血圧であり、妊婦の病態と産科的合併症の間には相関は認めなかった。
2016/06/11
Dilated Cardiomyopathy and pregnancy
JACC 2009年の論文。これ以降、DCM合併妊娠でまとまった数のあるデータはでていない。
Pregnancy outcomes in women with dilated cardiomyopathy.
J Am Coll Cardiol. 2009 Dec 29;55(1):45-52. doi: 10.1016/j.jacc.2009.08.036.
カナダからの報告。1994年から2008年までに大学病院およびマウントサイナイ病院で登録されたDCM合併妊娠患者の後ろ向きデータ。
32人のDCM合併妊娠患者について
1) 周産期の心疾患および新生児合併症の発生頻度をさぐる
2) 妊娠がDCM患者に与える影響(心機能の悪化の程度)をさぐる
ことを目的に行われた。2)については18人の妊娠していないDCM患者と妊娠したDCM患者をマッチングさせて比較を行った。
1) 周産期のDCM悪化要因の検討。
単変量解析でp < 0.1となった要因をもとに多変量ロジスティック回帰分析を用いて分析
EFとNYHAは相関性を認めたため、1個の項目として扱った。
32人のDCM合併妊娠患者のうち、心疾患イベントを認めた人数は14人(39%)であった。心疾患イベントで最も多かったのは心不全であった。心疾患イベントを認めなかった22人と比較して、中等度から重度の左室機能低下および NYHA III/IVがリスク因子であった。
2) DCM患者で妊娠の有無によるマッチングでは、妊娠した女性の方がより心合併症を起こしやすい傾向が見られた。Log rank p value = 0.001
新生児の合併症も中等度から重度の左室機能低下および NYHA III/IVとなった患者群で高い傾向にあったが、この理由については不明と、discussionで述べている。
----------------
なかなか麻酔方法について乗っている論文はない。
DCM合併妊娠患者7人について、合併症の有無でNTproBNPに左があるかを見た研究
(7人って少なすぎると思うが、単施設で7人はかなり多い方だろう)
結果として心合併症が起こった3人ではNTproBNPが上昇していたと。
Short and long-term outcome of pregnant women with preexisting dilated cardiomypathy: an NTproBNP and echocardiography-guided study.
Isr Med Assoc J. 2010 Oct;12(10):613-6.
インドでのDCM, PPCM(周産期心筋症)の後ろ向き研究 38名のDCM PPCM (妊娠前からのDCMは2名のみ)の予後について
14/38がemergency roomに突然やってきたPPCMであった。8名の母体死亡があった。
C-sectionは5/38で行われ、すべて全身麻酔で行われた。
Pregnancy with dilated and peripartum cardiomyopathy: maternal and fetal outcome.
Arch Gynecol Obstet. 2013 Feb;287(2):195-9. doi: 10.1007/s00404-012-2543-8. Epub 2012 Sep 7.
インドの報告は前のカナダの報告に比べてかなりEFも悪くて死亡率も高い。
出産前にどれだけコントロールしているかが、合併症発生、死亡率低下の要となりそう。
2016/06/05
Obstetric anesthesia in USA
A&Aにアメリカでのここ30年の産科麻酔に関わる報告が載っていた。
http://journals.lww.com/anesthesia-analgesia/Abstract/2016/06000/Obstetric_Anesthesia_Workforce_Survey___A_30_Year.33.aspx
日本とはかなり状況が違うなと...
1981年から2012年まで10年ごとに調査している結果の報告。
分娩施設を年間 1500以上の分娩を扱う病院、500-1500、500以下の3つに分類してその動向を調査している。
全体としては、
小規模病院では認定麻酔看護師による麻酔の実施率が増加している(68%)
区域麻酔がより多くの施設で実施可能となっている。
経膣分娩で麻酔なしに行うのは9-14%しかない。71%が硬膜外麻酔を実施、15%がCSEを実施している。
帝王切開の麻酔方法はspinal onlyが大多数。予定C/Sの75-88%がspinal onlyである。
予定C/Sの全身麻酔率は3%、緊急C/Sの全身麻酔率は14-19%。
Epiduralは予定で13-16%で緊急では40%程度となっている。
産科学会が帝王切開率の低減を推奨しているため、TOLAC trial of labor after cesarean が推奨されているが、緊急C/Sのスタッフ配置がされていない小規模病院ではこれが難しくなっている。
-------
C/Sではない分娩での麻酔はほとんど日本では浸透していない。
これって麻酔科医の数だけの問題なんだろうか?
http://journals.lww.com/anesthesia-analgesia/Abstract/2016/06000/Obstetric_Anesthesia_Workforce_Survey___A_30_Year.33.aspx
日本とはかなり状況が違うなと...
1981年から2012年まで10年ごとに調査している結果の報告。
分娩施設を年間 1500以上の分娩を扱う病院、500-1500、500以下の3つに分類してその動向を調査している。
全体としては、
小規模病院では認定麻酔看護師による麻酔の実施率が増加している(68%)
区域麻酔がより多くの施設で実施可能となっている。
経膣分娩で麻酔なしに行うのは9-14%しかない。71%が硬膜外麻酔を実施、15%がCSEを実施している。
帝王切開の麻酔方法はspinal onlyが大多数。予定C/Sの75-88%がspinal onlyである。
予定C/Sの全身麻酔率は3%、緊急C/Sの全身麻酔率は14-19%。
Epiduralは予定で13-16%で緊急では40%程度となっている。
産科学会が帝王切開率の低減を推奨しているため、TOLAC trial of labor after cesarean が推奨されているが、緊急C/Sのスタッフ配置がされていない小規模病院ではこれが難しくなっている。
-------
C/Sではない分娩での麻酔はほとんど日本では浸透していない。
これって麻酔科医の数だけの問題なんだろうか?
Pulmonary hypertension and pregnancy
肺高血圧症の妊娠におけるリスクと予後についてのreview
Pregnancy and pulmonary hypertension.
Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol. 2014 May;28(4):579-91.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24685319
PH合併妊娠の死亡率は高く、1998年の報告では38%、2014年の報告でも16%であった。死亡原因としては、右室不全、突然死、そして肺塞栓症である。またEisenmenger症候群をひきおこし、脳梗塞となった例も報告されている。
予後予測としてはNYHAが最も相関している。
妊娠中の治療としてCaCBが効果があるとされている。また塞栓症のリスクが高いため、抗凝固療法(ヘパリンがbetter)が、右心不全の予防のための利尿薬も推奨されている。その他の治療薬としてERA、PDE阻害薬、プロスタノイドがある。
31編(77人の妊娠を含む)のPH pregnancyを対象とした論文の分析では死亡率は16%であった。ほとんどの死亡は産褥期1day-3weeksに起きているが、1例は児娩出後にオキシトシン投与後SVTが止まらずになくなっている。またmPAP > 35を基準とした中程度PHと重症PHでは重症PHでの死亡率が高かった。
PH pregnancyの管理はまず避妊の教育である。
次にそれでも妊娠しまった場合には早期の中絶も考慮する必要がある。
また、妊娠継続を強く希望する場合は厳重な管理が必要である。O2 療法および利尿薬(アルドステロンは催奇形性があるので避ける)によるvolume管理薬物治療を併用する。
分娩方法は経膣分娩が禁忌なわけではないが、妊娠週数の早期32-36wに分娩することを考えると、C-sectionとなることが多い。全身麻酔は区域麻酔よりも予後が悪化するとされているが、これは全身麻酔をうける妊婦の状態がより悪い状態である(そもそものbaselineが違う)ためであると考えられる。
2015年にPulmonary Vascular Research InstituteからPHの妊娠に関するステートメントが出されている。こっちのほうがオーソリティもある。でも描いてある内容はほとんど同じだった。やはり全身麻酔より区域麻酔を推奨している。single spinalは避けるべきと。
Statement on pregnancy in pulmonary hypertension from the Pulmonary Vascular Research Institute.
Pulm Circ. 2015 Sep;5(3):435-65. doi: 10.1086/682230.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26401246
日本からのPH pregnancyの統計調査
Maternal outcome in pregnancy complicated with pulmonary arterial hypertension.
Circ J. 2012;76(9):2249-54. Epub 2012 Jun 13.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22785004
Pregnancy and pulmonary hypertension.
Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol. 2014 May;28(4):579-91.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24685319
PH合併妊娠の死亡率は高く、1998年の報告では38%、2014年の報告でも16%であった。死亡原因としては、右室不全、突然死、そして肺塞栓症である。またEisenmenger症候群をひきおこし、脳梗塞となった例も報告されている。
予後予測としてはNYHAが最も相関している。
妊娠中の治療としてCaCBが効果があるとされている。また塞栓症のリスクが高いため、抗凝固療法(ヘパリンがbetter)が、右心不全の予防のための利尿薬も推奨されている。その他の治療薬としてERA、PDE阻害薬、プロスタノイドがある。
31編(77人の妊娠を含む)のPH pregnancyを対象とした論文の分析では死亡率は16%であった。ほとんどの死亡は産褥期1day-3weeksに起きているが、1例は児娩出後にオキシトシン投与後SVTが止まらずになくなっている。またmPAP > 35を基準とした中程度PHと重症PHでは重症PHでの死亡率が高かった。
PH pregnancyの管理はまず避妊の教育である。
次にそれでも妊娠しまった場合には早期の中絶も考慮する必要がある。
また、妊娠継続を強く希望する場合は厳重な管理が必要である。O2 療法および利尿薬(アルドステロンは催奇形性があるので避ける)によるvolume管理薬物治療を併用する。
分娩方法は経膣分娩が禁忌なわけではないが、妊娠週数の早期32-36wに分娩することを考えると、C-sectionとなることが多い。全身麻酔は区域麻酔よりも予後が悪化するとされているが、これは全身麻酔をうける妊婦の状態がより悪い状態である(そもそものbaselineが違う)ためであると考えられる。
2015年にPulmonary Vascular Research InstituteからPHの妊娠に関するステートメントが出されている。こっちのほうがオーソリティもある。でも描いてある内容はほとんど同じだった。やはり全身麻酔より区域麻酔を推奨している。single spinalは避けるべきと。
Statement on pregnancy in pulmonary hypertension from the Pulmonary Vascular Research Institute.
Pulm Circ. 2015 Sep;5(3):435-65. doi: 10.1086/682230.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26401246
日本からのPH pregnancyの統計調査
Maternal outcome in pregnancy complicated with pulmonary arterial hypertension.
Circ J. 2012;76(9):2249-54. Epub 2012 Jun 13.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22785004
2015/12/06
Amniotic fluid embolism
羊水塞栓症について
そもそも「塞栓」がこの疾患の主体ではないことが最近分かってきている。
羊水が母体の血液と混じり合うことで起きる炎症性の反応が強く出現した場合に起こる一種のアナフィラキシー反応である。
【病態と分類】
「心肺虚脱型」と「DIC先行型」というわけ方や「DIC先行型」を「子宮型」という場合も
いずれの場合にしても最終的にはショックおよびDICにいたる。DICは線溶亢進型。
リスク因子として、妊婦の年齢、誘発分娩が挙げられる。
【疫学】
イギリスでは1.9 /10万出産、オーストラリアでは6.1/10万出産
母体死亡率は50-60%程度 原因不明のDICとの診断になっている例も多い。
確定診断にいたることが難しい。診断の補助として補体C3、C4、C1インヒビター、亜鉛コプロポルフィリンなどがある。
【治療】
日本産婦人科医会の「母体安全への提言2011」による治療法の一例
ショックの治療に準じて循環動態を安定させる。
FFPを早期から投与する。 15単位以上の投与。
アンチトロンビンIIIの投与 3000単位(1バイアルが1500だから1バイアル)
トラムネキ酸 4000mgを1時間かけて投与
最近C1インヒビター製剤(血管浮腫の治療薬として使用されている)がAFEにも効果があるのではないかと注目されている。
心停止となった場合にECMO/PCPSまで使用するかどうかについてだが、使用して救命
できたとのcase reportが散見され、使用を検討する価値はある。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19527973
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20120905
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10942494 ECMOとIABPまで使用している。
参考文献--------------
英国、USA、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのAFEの疫学調査の結果
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22325370
そもそも「塞栓」がこの疾患の主体ではないことが最近分かってきている。
羊水が母体の血液と混じり合うことで起きる炎症性の反応が強く出現した場合に起こる一種のアナフィラキシー反応である。
【病態と分類】
「心肺虚脱型」と「DIC先行型」というわけ方や「DIC先行型」を「子宮型」という場合も
いずれの場合にしても最終的にはショックおよびDICにいたる。DICは線溶亢進型。
リスク因子として、妊婦の年齢、誘発分娩が挙げられる。
【疫学】
イギリスでは1.9 /10万出産、オーストラリアでは6.1/10万出産
母体死亡率は50-60%程度 原因不明のDICとの診断になっている例も多い。
確定診断にいたることが難しい。診断の補助として補体C3、C4、C1インヒビター、亜鉛コプロポルフィリンなどがある。
【治療】
日本産婦人科医会の「母体安全への提言2011」による治療法の一例
ショックの治療に準じて循環動態を安定させる。
FFPを早期から投与する。 15単位以上の投与。
アンチトロンビンIIIの投与 3000単位(1バイアルが1500だから1バイアル)
トラムネキ酸 4000mgを1時間かけて投与
最近C1インヒビター製剤(血管浮腫の治療薬として使用されている)がAFEにも効果があるのではないかと注目されている。
心停止となった場合にECMO/PCPSまで使用するかどうかについてだが、使用して救命
できたとのcase reportが散見され、使用を検討する価値はある。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19527973
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20120905
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10942494 ECMOとIABPまで使用している。
参考文献--------------
英国、USA、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのAFEの疫学調査の結果
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22325370
母体安全への提言2011
機械弁術後の妊娠と抗凝固療法
機械弁でワーファリン内服の対応。
妊娠が判明した時点でワーファリンは中止し、ヘパリンに切り替えが必要。しかし器官形成期が過ぎればワーファリンに戻すことも可能。この辺りの妊娠中期から終期にかけての抗凝固管理方法についてはまだ結論がでていないようだ。
ヘパリン化していた妊婦がC-sectionとなった場合2時間以内にはEpi/spinalは行わない
今年のcirculationに欧州からの大規模論文があった。ROPAC study
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26100109
212人の機械弁挿入後妊娠患者の追跡調査。
4.7%で弁血栓のイベントが発生。23.1%で出血イベントが発生している。しかし58%の患者が合併症なく妊娠・出産ができた。ヘパリンと比較してワーファリンは流産、および後期の胎児死亡のリスクが高かった。
少し古いけど2012年の妊娠時の抗凝固療法についてのreview
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22634472
281の文献に対するreview
このreviewではワーファリンの催奇形性について疑問を呈している。ワーファリンの催奇形性のリスクは6.4%であり、ヘパリン投与群と大きな差を持たないという結論。
ワーファリンは催奇形性というより、(奇形による)流産のリスクが高い、all or nothingのリスクを持ち合わせると考えた方がいいのかもしれない。
ヘパリンはワーファリンと比較して機械弁血栓のリスクが高いことが指摘されており、1st trimesterのみヘパリン置換し、その後ワーファリンを使用した方が母体にとってもよさそうだ。
ラベル:
aneas_cardiac,
gynecology
2015/10/18
Appendectomy for pregnant patient
妊婦の虫垂炎手術の麻酔管理
1. 疫学
虫垂炎は妊娠中緊急手術で最も多く1/350- 1/10000 。妊娠中緊急手術の25%を占める。
ただし妊婦が非妊娠女性と比較して虫垂炎になる確率は低いが、診断が遅れる
ことがあり、壊疽性虫垂炎は多い。
穿孔の確率は15%。このうち30%は妊娠6ヶ月未満におこり、70%は6ヶ月以降。
妊娠中に手術となる確率は0.75-2.2%
2. 麻酔が胎児と妊婦に与える影響
1) 催奇形性について
動物実験では幾つかの麻酔薬で催奇形性が指摘されているが、人間を対象として
麻酔薬の催奇形性を報告している論文はない。
FDAは1975年に妊婦に使用できる薬剤をカテゴリー化したが、最近このカテゴリーを
外そうとする方針らしい。吸入麻酔薬、局所麻酔薬等、使用できない薬剤はない。
NO2はメチオニン合成酵素を阻害してDMA合成に影響を与えるので妊娠3ヶ月まで避ける
麻薬ではフェンタニル、モルヒネ、ケタミンも少量(0.25mg/kg iv)であれば使用できる
2) 妊婦への影響
吸入麻酔薬のMACは低下する
局所麻酔薬の感受性は増加する
硬膜外麻酔で必要となる薬剤の量は減少する。硬膜外腔のスペースが減っているので
酸素消費量は20%増加している。
粘膜浮腫が強いため、経鼻胃管やnesal airwayは避ける。
3. 麻酔の注意
出産後に延期できる手術は延期する
妊娠3ヶ月までの手術は避ける
可能な限り区域麻酔を用いる
すべての妊婦の全身麻酔はcrash inductionで行う。細い気管チューブで行う。
4. その他
ラパロの場合はCO2の蓄積により胎児が呼吸性アシドーシスを起こす可能性があるため
注意する。 EtCO2で32程度に保つようにする。
胎児死亡/流産は手術や麻酔の影響よりも手術にいたる疾患の重症度の影響が大きい
(敗血症は腹膜炎などが大きな影響を与える)
24-36Wに手術をした妊婦では22%が正期産であった。
Yao's anesthesia より
1. 疫学
虫垂炎は妊娠中緊急手術で最も多く1/350- 1/10000 。妊娠中緊急手術の25%を占める。
ただし妊婦が非妊娠女性と比較して虫垂炎になる確率は低いが、診断が遅れる
ことがあり、壊疽性虫垂炎は多い。
穿孔の確率は15%。このうち30%は妊娠6ヶ月未満におこり、70%は6ヶ月以降。
妊娠中に手術となる確率は0.75-2.2%
2. 麻酔が胎児と妊婦に与える影響
1) 催奇形性について
動物実験では幾つかの麻酔薬で催奇形性が指摘されているが、人間を対象として
麻酔薬の催奇形性を報告している論文はない。
FDAは1975年に妊婦に使用できる薬剤をカテゴリー化したが、最近このカテゴリーを
外そうとする方針らしい。吸入麻酔薬、局所麻酔薬等、使用できない薬剤はない。
NO2はメチオニン合成酵素を阻害してDMA合成に影響を与えるので妊娠3ヶ月まで避ける
麻薬ではフェンタニル、モルヒネ、ケタミンも少量(0.25mg/kg iv)であれば使用できる
2) 妊婦への影響
吸入麻酔薬のMACは低下する
局所麻酔薬の感受性は増加する
硬膜外麻酔で必要となる薬剤の量は減少する。硬膜外腔のスペースが減っているので
酸素消費量は20%増加している。
粘膜浮腫が強いため、経鼻胃管やnesal airwayは避ける。
3. 麻酔の注意
出産後に延期できる手術は延期する
妊娠3ヶ月までの手術は避ける
可能な限り区域麻酔を用いる
すべての妊婦の全身麻酔はcrash inductionで行う。細い気管チューブで行う。
4. その他
ラパロの場合はCO2の蓄積により胎児が呼吸性アシドーシスを起こす可能性があるため
注意する。 EtCO2で32程度に保つようにする。
胎児死亡/流産は手術や麻酔の影響よりも手術にいたる疾患の重症度の影響が大きい
(敗血症は腹膜炎などが大きな影響を与える)
24-36Wに手術をした妊婦では22%が正期産であった。
Yao's anesthesia より
2015/03/07
産科麻酔に参加しように参加してみた
本日東京会場で第3回「麻酔科医のための産科麻酔プロフェッショナルセミナー 産科麻酔に参加しよう」に参加した。
昨年度も参加(?受講)したのだが、若干内容が変わっていた。
去年の方が、知識や技術的なことが多かったような。
今年は、「結局突き詰めると・・・わからない」というよくわかったようなわからないような結論に。
しかし 知らなかったこと(恥ずかしいが)をいくつか抜粋
spinal後低血圧の目標は術前の100%を目指す。phenyrephrineの持続投与が最も効果的。
PIHでは水分バランスが難しい。各Ptごとの注意深い観察が必要
早期発症PIHの方が心不全率高い。水分負荷で状態悪化のリスク高い。
spinalでのフェンタニルは嘔気自体も軽減する。オキシトシンによる嘔気にも効果あり
モルヒネspinalに入れると80%に掻痒感あり。ただ、そこまで重篤なものではないらしい。
全身麻酔での筋弛緩はRbよりスキサメトニウムの方がよいかも(胎児移行が少ない)
無痛分娩麻酔はartである。
DOHaD説なるものがある。初めて聞いた。
個人的には最後の小児外科医である窪田先生の話が一番感動した。
医者であることについて考えさせられた。
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D-D time 30分、うちの病院では可能なはず。頑張ろう。
Balki M anesthesiology2012 読もう。
Unanticipated difficult airway in obstetric patients: development of a new algorithm for formative assessment in high-fidelity simulation.
http://anesthesiology.pubs.asahq.org/article.aspx?articleid=1934158
2014/07/17
peripartum cardiomyopathy
Case 22-2014 NEJM July 17, 2014
今日発行されたNEJMのCase Issueがperipartum cardiomyopathyだった。
NEJMは数年前にもCaseでこの疾患を取り上げている。
原因は不明であるが、プロラクチンが何らかの影響を与えていると考えられている。
(ブロモクリプチンが治療薬として効果があるため)妊娠および産褥期におこる心血管の損傷が引き金となって引き起こされるとする説がある。
定義としては、妊娠前には心不全がなかったものが、妊娠および出産後に突然の心拡大、心機能低下をきたすもの。EF < 45%となる。90%の症例が産後1週間以内に発症している。
罹患率は 1/300-1/3000妊娠。ハイチやナイジェリアでは罹患率高い。
鑑別疾患には ACS、解離、肺塞栓、心タンポナーデがある。
治療はpreload, afterloadを減らすこと。利尿薬、NTGの使用を考慮する。ブロモクリプチンの投与が効果があったとするRCTがある。
予後は 50%が回復し、25%が心不全状態が慢性化する。25%は移植もしくは死に至る。
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これともう一つ、sepsis induced cardiomyopathyという概念もあり、これも妊娠中のsepsisでおこりやすいらしいが…
2014/06/02
Pregnancy and Congenital Heart Disease
経膣分娩の方がCSより予後がよいのは、プレコンディショニングの影響なんだろうか?
TOF術後妊娠でICU入室管理となるような症例はそれほど多くない。
つまり手術室にまでくるような症例もまれ。
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そもそも 妊娠に伴う変化として
・エストロゲンの増加 → 凝固因子の活性化、QTcにも影響
・血管壁の脆弱化 → マルファン症候群等では解離がおきやすくなる。
・産後には約1000mlのvolume負荷となる(子宮収縮のため)
2014/03/08
saving mother's lives
産科麻酔に参加しよう に参加
とりとめなくメモ
saving mother's lives
とりとめなくメモ
saving mother's lives
抗生剤は皮膚切開前でOK。 子宮内膜症の発生リスクが減少する。
児の敗血症の発症率は変わらない。
CSEで麻酔が切れてきた場合どうするか?
フェンタニル持続が多い。 30mcg/h程度から?
妊婦で挿管困難であればPLMAがよい。2回tryして失敗しマスク換気OKであればPLMAで
予定CSで緊急性がないのであれば、awake挿管に切り替えるのも1つ。
PIH(PE)患者の管理
・麻酔前のpreloadは控える。(肺水腫のリスクUP)
・昇圧はネオシネジンの方がいい?
・sBP < 160を目標に。
他にもいろいろ。
エコーやってみたい。
2013/06/20
硬膜外麻酔困難の予測因子
Development and evaluation of a score to predict difficult epidural placement during labor.
Guglielminotti J, Mentré F, Bedairia E, Montravers P, Longrois D.
Reg Anesth Pain Med. 2013 May-Jun;38(3):233-8.
妊婦における硬膜外麻酔の困難度予測
difficult interspinous space palpation (odds ratio [OR], 6.1; 95% CI, 2.8-13.9)
spinal deformity (OR, 2.4; 95% CI, 1.1-5.3)
inability to flex the back (OR, 3.0; 95% CI, 1.2-7.8)
至極まっとうな結果だが、methodおよび統計(C-statistics)が面白かった。
妊婦ではなく、通常の人ではこれにobesityと麻酔科医の経験が入るみたいだ
2013/06/05
perimorterm CS / emergent CS
MEMO
・低酸素に体する感受性は後期に発達する中枢ほど高い。延髄・視床下部は感受性が高い。
・延髄は心拍数を制御しているため、最もはやく低酸素血症の評価ができるのがHRとなる
(なのでNSTが有用)
・一過性徐脈の出現、一過性頻脈の消失、基線変動の減少と進行する→代謝性アシドーシスへ
・胎児HR(minimum)が90以下 = 30分持続で脳障害
胎児HR(minimum)が70以下 = 13分持続で脳障害
・いわゆる 30分ルールは1989年にアメリカ産婦人科学会が定めたもの。
・perimorterm CS 娩出により母体が救命できることがあるため、CPRを行いながらCS
「麻酔」 2012年9月
「産科麻酔ポケットマニュアル」
2013/05/12
pre-eclampsiaでもEpi + Spinal で帝王切開
Low-dose combined spinal-epidural anaesthesia vs. conventional epidural anaesthesia for Caesarean section in pre-eclampsia: a retrospective analysis.
Van de Velde M, Berends N, Spitz B, Teunkens A, Vandermeersch E.
Eur J Anaesthesiol. 2004 Jun;21(6):454-9. PubMed PMID: 15248625.
ベルギーからの報告。妊娠高血圧腎症(pre eclampsia) における帝王切開での麻酔方法の比較Epi vs CSE( Epi + Spinal ) で血圧および胎児の状態の比較を行った。
2004年と少し古いが、4年間に妊娠高血圧腎症と診断された106のデータを後ろ向きに解析。drop out、全身麻酔を除いた77 patientsで62人がEpi、15人がCSEを選択されていた。(意外だったが、もともと妊娠高血圧腎症合併の場合はSpinalによる低血圧を嫌ってEpiのみで行うことが多いらしい)
結果
Epi CSE
エフェドリンの使用 3.6 +- 4.6 14.6 +- 4.4
輸液量はEpiが多い臍帯血pHはEpiの方が低い(低いといっても 7.26)
血圧の推移に差はなし。(エフェドリン使用量は違うが)
結論:妊娠高血圧腎症合併帝王切開でもCSEは問題ない。
昨今の流れはCSEの方向みたいだ。
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