先天性心疾患では出産時の出血が多くなるのか?
後ろ向き調査 n=366 イギリスからの報告。
Why is post-partum haemorrhage more common in women with congenital heart disease?
Int J Cardiol. 2016 Sep 1;218:285-90.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27240153
出産リスクをCARPREGスコアで分類、また先天性心疾患のカテゴリーでも分類。
経膣で>500 帝王切開で>1000を出血多量とした。
結果、366出産中、21%で出血多量との診断となり、平均的な出血リスクに比べて高い結果となった。
何が出血と関連しているかを分析した結果、
1) Fontan disease 2) 緊急C/S 3)鉗子分娩 4) 全身麻酔 5)ヘパリンの使用の有無
が出血量と相関していた。
また分娩時期としてはFontan, PHTの患者でより短かった(平均 34.2-35.7w)。
(この論文、statisticsが独立したパラグラフとしてなくて、説明がかなり貧弱なんだけど、
この分析は多変量ロジスティック回帰分析で行ったのだろうか? よくわからない)
------
サンプル数が多くてもっといい分析ができそうなのに…と思う論文だった。
しかし、Fontan患者は全員区域麻酔で行っている点や、ENTONOX (NOとO2の混合ガス)を使用した麻酔方法での帝王切開がけっこうな数で行われている点は驚いた。
ENTONOXって見たことも使ったこともない。日本にはない。