2021/05/31

day 221 Ketamine for the treatment of depression

New York TimesのOpinionにえ〜と思うような記事が載っていた。

うつ病にケタミンが効くと。

https://www.nytimes.com/2021/05/30/opinion/ketamine-treatment-depression.html


患者さん本人が書いている記事でn=1なので、どうなんだろうと思いPubmedで検索

してみたら、なんと、Lancetにも載っているではないか。2015年くらいから注目され始めた

ようだ。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30995364/


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28395988/


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28858450/


麻酔科としては非常に馴染みのある薬。

NMDA受容体拮抗作用、血圧を保てるというメリット、悪夢を見るということで

有名なのだが、そんなことを訴えた患者さんはみたことない。

しかし鎮痛として使うことは減っている、どちらかというと「古い」薬と思っていたが、

なんと面白い。


しかしもう1つ驚いたのが、ケタミン1ショットがアメリカでは$500するそうな。

高すぎる。


2021/05/30

day 220

 


アートな壁画がいろんなところにある。


5月31日がメモリアルデーなので、三連休なのだが、雨な上に気温は10度前後と

冬に戻ったような天気だ。

結局家とラボの往復。

Dexamethasone and SSI


NEJMの記事。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2028982 


術後嘔気嘔吐症にデキサメタゾンが効果があるということはもちろん試験にも出るくらい有名なことなんだが、大規模なRCTはされていないということで取り組まれたpragmatic study


予定手術を受ける患者 8725人に対して

 (inclusion criteria 手術時間2時間以上、傷は5cm以上)

デキザメタゾン8mgもしくはプラセボを投与、

アウトカムはSSIそして術後高血糖。

ITTで非劣性試験である。


で結果としてはSSIはデキサメタゾン群で増加することはなかったと。


統計の部分

A noninferiority margin of 2.0 percentage points

どうやって決めたかというと、modified Delphi process and an anticipated incidence of surgical-site infection of 9%

95%信頼区間がシンメトリーではないので、下記のような方法を使っているらしい。

Theanalyseswoulduse two-sided repeated asymmetric confidence intervals to preserve an overall confidence level of 95% and would use the O’Brien–Fleming function to determine the upper boundary of the confidence intervals and the power-spending function for the lower boundaries. 


しかし参加患者の平均BMIが29というところに、世界と日本の違いを感じる。


Management of the difficult airway

 NEJMのreviewに挿管の話があった。珍しい。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra1916801


ここが一番興味深かったな。挿管困難症例のほとんどは事前に挿管困難であることに

気がつけていなかった場合なのだと。

Of the 3391 difficult tracheal intubations, 3154 (93%) were unanticipated.39 Like- wise, difficult mask ventilation was unanticipated in 808 of 857 cases (94%).


準備不足と言われるとそれまでだが、評価していられないような緊急手術なんかもあり、

でも評価なんて5秒あればできるとも思う。要は備えが足りないと危機に直面しやすく、また

その対応も困難になるのだ。

アルゴリズムがどう変わろうが、結局は1つ1つの症例をいかにきっちりするのか次第だ。

2021/05/28

day 218

 


ボストンの郊外にある廃線を利用したサイクリングロード。本当に気持ちが良い。


研究で実験ばかりやっていると、人と話す機会が本当に減ってきたので、

これはいかんと思い、オンライン英会話を再開してみた。

このご時世、多様な職種の人が登録してくれていて、いろんな話を聞ける。

今までは全く出会わなかったようなキャビンアテンダントの方や、大学で講師をやっていた

方と話すことができて英語上達というより、話を聞いて面白い。


でもやっぱり研究をしたことのあるひとと話すのが一番興味深いな。自分の研究に

使えそうなヒントを与えてくれる。



2021/05/26

day 216

 


1日があっという間にすぎるにもかかわらず、生産性が少ないと本当にがっかりする。

2021/05/25

day 215

 


https://www.nytimes.com/interactive/2020/us/states-reopen-map-coronavirus.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage


アメリカは良くも悪くも決断が早いなと感じる。

ワクチン摂取率は60%程度だが、4つの州以外、屋内でもマスク不要、ビジネスも再開。

日本は政治家がうんぬんというより、そもそもアメリカとは政治・政府への価値観や考え方が違うと思うことも多々ある。


2021/05/24

day 214

 


ツツジが満開。


陽気な日曜日、熱力学の勉強で1日が終わりそう。


NYTの記事

https://www.nytimes.com/2021/05/21/opinion/asian-american-women-doctors-racism-sexism.html?action=click&module=Opinion&pgtype=Homepage

アジア人へのヘイトクライムはアメリカでも遠い地域のことがと思っていたら、

ここボストンで起きていていた。

さてはて。

2021/05/23

day 213

 


ボストンを去る友達とご飯。

気温が25度を超えるようになってきてビールが美味しい。


彼女は一度日本に帰って、1ヶ月後にはアフリカにいくらしい。

ご無事で!

2021/05/22

day 212

 

CDCがワクチン摂取者は(少なくとも外では)マスクをしなくて良いとアナウンスしてから

ここボストンでも外でマスクをしている人の数は激減した。


しかし病院はもちろんマスク。


2021/05/21

day 211

 


ボストン美術館より

こちらにはreverse engineering という言葉がある。なんでもengineeringをつければカッコよく聞こえるようで、value engineeringというのは価格交渉のことらしい。


で、reverse engineeringというのは目的指向型とでもいうんだろうか、

まずなりたい自分を決めて、そこから逆算して今何をすべきかを決めていくという

考え方らしい。日本でもこの言葉は使われているのだろうか?


今まで全くそんな生き方をしてこなかったが、研究者として1人前になるには

と考えると、こちらではRO1をとる必要がある。

NIHの研究費だが、まあそんな簡単なものではないことがわかった。

採択率20% 実績(論文)と経験も必要。

アイデアは新規性がなくても良い。


以前にPIが自分の研究を3分でプレゼンするセッションがあったが、なるほどこれも

このNIHでのグラント獲得のためのトレーニングなのだとわかった。


アイデア、実行性、そしてそれを形にした論文。

reverse engineering ね... 



2021/05/20

day 210

 


布を使ったアート。絵は好きだが、こういうアートはよくわからない。


今週はマウスのお世話係で終わりそうだ。たくさん飼いすぎているが、それだけ必要だし。

2021/05/17

day 207

 


ようやく衣替えをした。

こちらには、もちろん梅雨などない。


2021/05/16

day 206

 アメリカの視点からの中国の記事が面白い The Economistから。


フィリピンの外務大臣が、中国に、でていけget the f**k outと言って、そのご謝罪した。


天安門事件の徹夜追悼会は今年も禁止されている。


美容整形が中国でブームになっている。

都市部の中流層にまで広がっている。そしてその特徴として、若い世代から整形を行うこと、二重手術がほぼ半数を占めること。これに対してアメリカでは美容整形手術を受ける世代は30代以降が圧倒的に多く、1/4は55歳以上である。手術内容は半分が豊胸。(しかしこれもZoomの影響により、鼻の手術が伸びてきているそうな)

価格が手頃であること以外にも、アジア人の中にある二重への憧れは根深いものがある。


中国における医師への暴行・殺人

患者が家族が医師を逆恨みし、危害を加える、もしくは殺害する事件が後を絶たない。というか増えているらしい。しかも中国の医師の所得はアメリカの半分程度らしい。


へぇ と思いながら、今日も実験。



Image J

覚え書きメモ


Thresholdの設定で、何度やっても設定できないバグがある。

j1.52c, 1.53cのバグらしい。1.53jに変更したら修正されていると、

しかし8bitの場合はうまくいくのだが、16bitではやはり設定できないというエラーが出る。

まあ8bit変換で問題ないので、いいのだけれども。


元の画像からの加工。

加工自体がこのソフトの強みではなく、加工によってさらに解析できるところが良いところ。


          




 

2021/05/15

day 205

 


初夏の陽気だったのだが、この写真からは全くそんな雰囲気が感じられない。

人間関係というのは、世界各国どこでもみんな悩んでいるのだと思う。


Benjamini-Hochberg adjustment

サンプルから数千個の細胞を取り出して、その中に含まれる1万程度のRNAの発現量をみる。

それを2つのグループでどのRNAに差があるのかを比べたい。

とすると、これは1万程度多重比較を行うことになる。

p値0.05なんて使っていたら、エラーだらけの結果になってしまうので、

そもそも遺伝子解析におけるp値は005ではだめ。

間違う確率 = 1 - (1-0.05)^n   (n=多重検定の回数)

なので、多重検定の回数が増えるほど、間違う確率は増えていく。


FDR  false discovery rate 間違う確率の期待値


これを補正する方法として、

Benjamini-Hochberg adjustment

という方法がある。一番使われているのかも。

https://stats.biopapyrus.jp/stats/fdr-bh.html


他にも

Q-value 


local FDR法 

というのもある。

とりあえず、あるということを把握しておく。

2021/05/13

day 204


 春から初夏へ。


最近いろんなところで、光治療の話を耳にする。

と思っていたら、好きなブログの方が、こんな治療法を紹介していた。

レーザーを口の中から当てて、顔のシワが取れるらしい。

https://www.periodontalassociatesnj.com/skin-treatments/smoothlase/


美容には興味はないが、レーザーを当てるとコラーゲン産生が増えるらしい。

創傷治療とか、集中治療室でも使えないだろうか。使いたい。

ひとまず論文にあたるかな。コマーシャルベースはあまり信用できない。


05 16 2021 追記

根拠となっている論文

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3926176/pdf/pho.2013.3616.pdf

ROSは上昇らしい。

the elevation of ROS via photodynamic therapy can enhance the cellular functions of dermal fibroblasts through specific mitogen-activated protein kinase (MAPK) signaling pathways in vitro.

本当かな。

Scientific reportのこの論文は面白いかも。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32764617/


あと、このニュースが面白かった。

https://news.mit.edu/2021/anesthesia-changes-brain-rhythms-0511


2021/05/11

day 202

 


1ヶ月に1回、ラボミーティングで発表しなければならないのだが、

今回、何も指摘されなかった。


前回がぼろぼろだったからな。今回は及第点だったのだろう。

2021/05/10

day 201

 


なぜ街中にこんな構造式のモニュメントがあるのか。

しかも1つだけではない。

2021/05/09

day 200

 


Azalea アメリカにもツツジがありました。Azaleaというらしい。

日本(本州)だと5月に満開くらいだったけど、こっちでは6月ごろかしら。


あっという間にアメリカに来てから200日がすぎた。

生活においても、仕事においても、多くのことを学んだ。仕事はまだまだ先は長い。


初めての海外生活で、どのような心境の変化があるのか、客観的に記録を残しておこうと

思ってブログを書き留めてきたけど、そんなに何も変わらない。

いいことなのか、どうなのか。

2021/05/07

day 198


テキサスでは銃が何のライセンスも許可もなしに保持できるようになるらしい。 

https://www.cnn.com/2021/05/06/politics/permitless-carry-guns-texas/index.html


フロリダでは選挙投票を郵送で行うことに制限がかかるらしい。

(マイノリティ排除だと批判されている)

https://www.wfla.com/news/politics/how-floridas-new-election-law-may-affect-your-vote/


バイデン氏が政権をとって100日がすぎたということで数日前に話題になっていた。

アフガニスタンからの撤退やWHOの参加、トランプ政権のみならず、オバマ政権からの

負の遺産にも手をつけている点が評価されている(という記事を読んだ)らしい。

しかし共和党支持の州は着々と連邦政府から離れて自分たちの政治色を強めている。

共和党と民主党支持者が一丸となるには時間がかかりそう、

というより、実現するのが難しそうだ。



2021/05/06

day 197

 


MITのあるケンブリッジ駅には1800年ごろからの科学的発見の歴史がパネルにして

展示されている。

電車の待ち時間に眺めると楽しい。

今から100年前の発明。石炭を高圧処理することで液体燃料を作り出した。

https://en.wikipedia.org/wiki/Bergius_process


2021/05/05

day 196

 


窓の外の木が満開になってきた。


5月だが、まだ薄手のダウンジャケットが要る。

いつになったら半袖になれるのだろうか。(もう半袖の人もいるけど)

2021/05/04

day 195

 


日本では絶対に見かけないであろうアート


1日がすぎるのが早い。ということは、ある程度充実しているということか。

いや自分の仕事が遅すぎるせいだ。

2021/05/03

Droplet-based single cell sequencing



Drop-seq   by Elveflow 

https://www.elveflow.com/microfluidic-reviews/droplet-digital-microfluidics/drop-seq/


Chromium by 10x Genomics

https://www.10xgenomics.com/jp/instruments/chromium-controller


In Drop by Illumina

https://www.illumina.com/science/sequencing-method-explorer/kits-and-arrays/indrop.html

day 194

 


今日は研究室に行く前にサイクリングをして行こうということで、

チャールズ川沿いをサイクリングした。1時間くらい。

新緑の中のサイクリングはとても気持ちいい。


大学のボート部と思われるボートを漕ぐ人たちや、釣りを楽しむ人、

(マスクつけて)ランニングする人も。

平和な日曜日。

2021/05/02

Spared nerve injury におけるSingle Cell RNA sequencing


Wang, K., Wang, S., Chen, Y. et al. Single-cell transcriptomic analysis of somatosensory neurons uncovers temporal development of neuropathic pain. Cell Res (2021). https://doi.org/10.1038/s41422-021-00479-9


Human protein atlas  とても使いやすく、勉強になる。半日くらいパラパラ見ていて飽きない。

https://www.proteinatlas.org


Spared nerve injury

神経枝結紮損傷モデル 坐骨神経の一部のみを結紮する疼痛モデル


ATF3   Activating transcription factor 3

Neuronal Damageを起こした神経細胞で発現する。

ATF3の発現が見られた細胞において、同じように発現がUpregulateされているmRNA

(補足は上記サイトから)

CLDN9

Plays a major role in tight junction-specific obliteration of the intercellular space, through calcium-independent cell-adhesion activity


Mrgprd

May regulate nociceptor function and/or development, including the sensation or modulation of pain. Functions as a specific membrane receptor for beta-alanine. Beta-alanine at micromolar doses specifically evoked Ca(2+) influx in cells expressing the receptor. Beta-alanine decreases forskolin-stimulated cAMP production in cells expressing the receptor, suggesting that the receptor couples with G-protein G(q) and G(i)


Trappc3l

May play a role in vesicular transport from endoplasmic reticulum to Golgi


GAL

Endocrine hormone of the central and peripheral nervous systems that binds and activates the G protein-coupled receptors GALR1, GALR2, and GALR3. This small neuropeptide may regulate diverse physiologic functions including contraction of smooth muscle of the gastrointestinal and genitourinary tract, growth hormone and insulin release and adrenal secretion.


Gfra3

Receptor for the glial cell line-derived neurotrophic factor, ARTN (artemin). Mediates the artemin-induced autophosphorylation and activation of the RET receptor tyrosine kinase


CLCF1

In complex with CRLF1, forms a heterodimeric neurotropic cytokine that plays a crucial role during neuronal development (Probable). Also stimulates B-cells. Binds to and activates the ILST/gp130 receptor.



smartSeq2 technology:  

scRNA sequencing method の1つ

Nature protocol 

https://www.nature.com/articles/nprot.2014.006




day 193

 


ボストンにもようやく新緑の季節がきた。


緯度の高さを日没までの長さで感じる。7時をすぎてもまだ明るい。

ようやく夕暮れという感じだ。

夏至の頃にはどうなるのだろうか。

2021/05/01

UMAP とは

自分の勉強のためのメモ


UMAP and t-SNE 

高次元データを二次元データに落とし込むアルゴリズム。可視化ツールと言っても良いのか。

UMAPのほうが処理の効率がよく、情報量が増えても処理力が落ちない。


高次元データ

SingleCell RNA Sequenceで得られる情報にはそれぞれの細胞毎のそれぞれのmRNAの情報

含まれている。例えば2000個の細胞それぞれにおいて、5000個のmRNAの発現量の情報がある

最終的に知りたいことは、この2000個の細胞にどのような特性があるのか、

特性毎にカテゴリーに分けたい。この5000個のmRNAの発現量の情報を使って。

その際に使うのがこのUMAPとt-SNEである。

最終的な成果物はX-Y、もしくは3次元のマッピング情報でそれぞれの細胞が似通っている

ものは近くに、にていないものは遠くに配置される。

ただしこの距離は相対的なものである。 


https://pair-code.github.io/understanding-umap/


https://qiita.com/odanny/items/06ab88353bcee7bf6aa7