2017/04/02

帝王切開の区域麻酔での昇圧薬


Vasopressors for the management of hypotension after spinal anesthesia for elective caesarean section. Systematic review and cumulative meta-analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22313496
Acta Anaesthesiol Scand. 2012 Aug;56(7):810-6

2012年ともう4年も前だが、帝王切開の区域麻酔での昇圧薬になにをどのくらい使用するかについてのメタアナリス
胎児のacidosisはフェニレフリンのほうが強いと。(エフェドリンに比べて)
さらに母体の徐脈についてもエフェドリンのほうが防げると。

心臓手術におけるFibrinogenの推移 CPBとの関連


4月からまた新しい病院での勤務。医局人事。
この転勤族生活もそろそろ終わりにしたい。


The effects on coagulation of the reinfusion of unprocessed residual blood from the cardiopulmonary bypass.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26843072
ポンプ後のいわゆる「ポンプ血」返血における凝固機能について
比較ではなく、20人の前向きコホート調査。
ポンプ血投与後にはAPTTは伸び、Thrombin timeも低下(ヘパリンが入っているから当然の結果)。しかしPT-INR、D-dimerについては変化なく、またFibrinogenについては増加が見られた。ポンプ血を使用することによる副作用は認めなかったと。
thromboelastography使用。

Fibrinogen measurement in cardiac surgery with cardiopulmonary bypass: analysis of repeatability and agreement of Clauss method within and between six different laboratories.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24633448
Fibrinogenの計測についての機種間の誤差の研究。
さらにpump中とpump離脱後の採血でFibrinogenに差をみとめるか?を比較したところ、差はなかったと。pump中でのFibrinogen値がわかれば、離脱時にどのくらい溶かしておこうかという目安にもなるか。

Fibrinogen concentration significantly decreases after on-pump versus off-pump coronary artery bypass surgery: a systematic point-of-care ROTEM analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22995455
On pump CABGとOff pump CABGで、Fibrinogen値に差はでるか?を比較。
OPCABGのほうがFibrinogen値は高く、人工心肺による影響が考えられると。
ROTEMでの報告。

凝固系の臨床研究では、Point of careを使うことがスタンダードとなっているが、日本でROTEMを臨床的にばんばんつかっている病院はどのくらいあるだろうか。
結局中央検査室が結構はやくデータをだしてくれるので、それでまにあって
しまっているというCaseがほとんどのように感じる。




2017/02/26

術前RVFのリスクスコア


ミシガンスコアと呼ばれる術前LabDataからの右心不全予測スコア
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2842901/

・カテコラミンの使用
・AST > 80
・Bill > 2.0
・Cr > 2.3

をそれぞれスコアリングして、5.5以上であれば、右心不全となる確率が7.6倍となる。


PMC full text:
J Am Coll Cardiol. Author manuscript; available in PMC 2010 Mar 21.
Published in final edited form as:
J Am Coll Cardiol. 2008 Jun 3; 51(22): 2163–2172. 
doi:  10.1016/j.jacc.2008.03.009

Table 6

Right Ventricular Failure Risk Score and Likelihood of RV Failure by Score Strata
Risk ScorenRV Failure (n)No RV Failure (n)Likelihood Ratio (95% CI)
≤3.0142291130.49 (0.37–0.64)
4.0–5.02515102.8 (1.4–5.9)
≥5.5302467.6 (3.4–17.1)
Risk Score is derived by summing points awarded for the presence of a vasopressor requirement (4 points), AST ≥80 IU/l (2 points), bilirubin ≥2.0 mg/dl (2.5 points), and creatinine ≥2.3 mg/dl (3 points).

2017/01/29

Kounis syndrome  アレルギー反応後の冠動脈閉塞

Kounis 症候群

アレルギー反応から冠動脈狭窄をきたし、重症では心筋梗塞および心停止となる症候群。
病態として、冠動脈に存在する肥満細胞に対して、アレルギー反応により脱顆粒が起こる。この結果ヒスタミンが強い血管収縮を起こし、さらにもともと存在したplaqueにびらんが形成されてplaque破綻を起こすというもの。
1991年に初めて報告された。

type 1 もともとCADを持たない患者で冠動脈攣縮が起こった状態
type 2 CADを有する患者の冠動脈攣縮およびplaque破綻。
type 3 ステント留置された患者のステント内血栓誘発による冠動脈閉塞

治療として確立されたものはなく、ACSの治療に準じる。

周術期の報告が多い。
シプロフロキサシンによるアレルギー反応後のKounis 症候群の報告
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27865673
アンピシリン/スルバクタムによるアレルギー反応後の報告 10分後に起きている。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27872436
たこつぼとの鑑別にKounisも行おうとするcomment
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27842950



ここ数日のアメリカの政治に衝撃を受けている。
先制攻撃で相手を面食らわしてビジネスを行うというのが、もともとの彼のビジネススタイルだったというが、これが国際社会でも通用すると思っているのだろうか。


帝王切開の昇圧でNorepineohrineを使用するか?


Anesthesiology 2015 に乗っていた論文 香港から。

Randomized double-blinded comparison of norepinephrine and phenylephrine for maintenance of blood pressure during spinal anesthesia for cesarean delivery.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25635593
Anesthesiology. 2015 Apr;122(4):736-45.


C/Sで spinal を行った際の血圧低下に対しては、ネオシネジン(フェニレフリン)を使用することが推奨されているが、反応性の徐脈およびそれにともなうCOの低下を認めることがある。ノルアドレナリンを使用することで、この徐脈とCO低下を抑制できるのではないか?という仮説のもの、フェニレフリンとノルアドレナリン(NAD)とのRCTを実施。

患者は104人のASA 1.2 の妊産婦 体重 50-100kgであること、身長140-180cmであることとした。血圧は非観血で児娩出まで1分ごとに、COについては suprasternal Dopplerを使用して5分ごとに測定。
投与濃度は以下とした。
フェニレフリン濃度 0.1mg/ml
ノルアドレナリン濃度 0.005mg/ml  力価が20倍であるとの論文より算出

結果、HRはNAD群の方が高く、COもNAD群の方が高かった。SVRはフェニレフリン群の方が高かった。臍帯血のガス分析結果では、NAD群でGluが高かったが、薬剤の血中濃度には差を認めなかった。

NADの方がβに対するアゴニストもあるため、HRも維持でき、COもkeepできる。
胎盤も通過せず、ネオシネジンよりもいいとのこと。


しかし、末梢からNADを投与するのはみんな抵抗があるのだろうか。
薄い量であれば、最近抵抗がないが、C/Sでルーチンに使用するには敷居が高い。
心疾患を持っている妊婦さんであれば、フェニレフリンよりもNADの方がいいかもしれない。

2017/01/15

CABGでのトランサミン


NEJMより。CABGでのトランサミンの効果および弊害についての研究論文。
多国他施設共同研究。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27774838

n = 4632で、CABGを受ける患者に対して、トランサミン vs プラセボの割り付けを行ったRCT

血栓性の合併症イベントは増えず、輸血量、および出血による再手術の頻度は減少した。
手術の内訳では、96-97%がon pump CABGで行われている。
やはり日本は特殊なのかもしれない。

OPCABGでも同じ結果となるだろうか。


2016年 NEJMの周術期アスピリン内服継続に関する論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26933848

2016/12/05

心筋保護法テキストブック



今年 2016年の2月に出された本。勉強になった。
虚血再灌流障害の生理学的機序とか、心筋保護の歴史が特に。


今では stone heartなんて本当にみない。
(stone heartの定義は不可逆的心筋の機能不全であり、気絶心筋のようにカテコラミンで改善するものではない)
でも心筋保護がうまくはいっていなくて、
ポンプ離脱になったらと考えると恐ろしい。