2017/04/02

心臓手術におけるFibrinogenの推移 CPBとの関連


4月からまた新しい病院での勤務。医局人事。
この転勤族生活もそろそろ終わりにしたい。


The effects on coagulation of the reinfusion of unprocessed residual blood from the cardiopulmonary bypass.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26843072
ポンプ後のいわゆる「ポンプ血」返血における凝固機能について
比較ではなく、20人の前向きコホート調査。
ポンプ血投与後にはAPTTは伸び、Thrombin timeも低下(ヘパリンが入っているから当然の結果)。しかしPT-INR、D-dimerについては変化なく、またFibrinogenについては増加が見られた。ポンプ血を使用することによる副作用は認めなかったと。
thromboelastography使用。

Fibrinogen measurement in cardiac surgery with cardiopulmonary bypass: analysis of repeatability and agreement of Clauss method within and between six different laboratories.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24633448
Fibrinogenの計測についての機種間の誤差の研究。
さらにpump中とpump離脱後の採血でFibrinogenに差をみとめるか?を比較したところ、差はなかったと。pump中でのFibrinogen値がわかれば、離脱時にどのくらい溶かしておこうかという目安にもなるか。

Fibrinogen concentration significantly decreases after on-pump versus off-pump coronary artery bypass surgery: a systematic point-of-care ROTEM analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22995455
On pump CABGとOff pump CABGで、Fibrinogen値に差はでるか?を比較。
OPCABGのほうがFibrinogen値は高く、人工心肺による影響が考えられると。
ROTEMでの報告。

凝固系の臨床研究では、Point of careを使うことがスタンダードとなっているが、日本でROTEMを臨床的にばんばんつかっている病院はどのくらいあるだろうか。
結局中央検査室が結構はやくデータをだしてくれるので、それでまにあって
しまっているというCaseがほとんどのように感じる。