2019/06/25

NRI(net reclassification improvement)


ROC曲線の限界である面積の傾きの傾向を知るために、NRI(net reclassification improvement)
を利用すると良いらしい。しかし。。。理解できない。

もうちょっと頑張ろう。

NRIを利用した論文。

Mizota T, Yamamoto Y, Hamada M, Matsukawa S, Shimizu S, Kai S. Intraoperative oliguria predicts acute kidney injury after major abdominal surgery. Br J Anaesth. 2017 Dec 1;119(6):1127-1134. doi: 10.1093/bja/aex255. PubMed PMID:29136086.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29136086

乏尿(0.3ml/kg/h以下)がAKIのリスク因子になるか?についての研究。

しかしこの研究、そもそもAKIの発生の有無によって場合分けし、その原因として乏尿があるかを見ているので、コホートというより症例対照研究のように見えるのだが(こういう研究がケースコホート?)、論文内ではコホート研究だと言い切っている。

それはさておき。
乏尿の定義(カットオフ値)をminimum P value analysisによって0.3と設定。
(通常教科書的な定義だと0.5だと思うが、0.5ではなく、分析によって0.3としている。)
術後AKIになった群とAKIではない群で乏尿が独立したリスク因子であるかどうかを多変量ロジスティック解析を用いて検討。
その結果、術前のCKDや手術時間、出血量を考慮しても乏尿は独立した術後AKIのリスク因子であったと。

乏尿の有無を考慮しないadjusted Odds ratioを計算、さらに乏尿の有無によっても調整したOdds ratioを計算。それぞれのORがほぼ一致しており、かつ乏尿のORは2.65であった。

つまりAKIのリスク因子に乏尿を入れたほうが良い。

それを確かめるために前述のNRIを使用。
AKIの予測に乏尿を含めるべきか否かによってAKI発生患者、非発生患者を分類している。
AKI発生患者 226  =  50  + 176
このreclassified downとreclassified upの意味がよくわからない。
どっちが、乏尿を予測判定に加えているのか?



2019/06/22

ESPEN guidline


重症患者における栄養療法のガイドライン


https://www.espen.org/guidelines-home/espen-guidelines

今まで栄養についてあまり考えてこなかったが...

No TXA will increase blood loss in cardiac surgery


M先生お元気かな。。。

Evaluating the Effect on Mortality of a No-Tranexamic acid (TXA) Policy for Cardiovascular Surgery.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2018 Aug;32(4):1627-1634.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29174746


TXAを投与していた期間とTXAをやめた期間で何がどう変わったかを比較した後ろ向きコホート研究。
Before the policyの患者群とAfter the policyの患者群での比較(それぞれ1000人以上)

結論としては、TXAの使用をやめたことによって、痙攣は減少したが、院内死亡率については変化がなかった。しかし、出血と輸血量が増加した。

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最近、論文にするときに何をTableにするか、何をFigureにするかがとても重要なのだと感じる(もっと早くに気づくべきことなのだが)。

Table 1   2群の患者属性を比較している。 p valuenを記載 (MW or X2検定で実施)
Figure 1 患者の選別 flow diagram of patients enrollment
Table 2 Postoperative outcome parameters  痙攣、再開胸止血、透析、輸血量、出血量、人工呼吸器装着期間 (duration of mechanical ventilation) ICU 滞在日数、30日死亡率
Table 3 propensity score matchingの結果の一覧
Table 4 Propensity score matching させた後のpostoperative outcome parameters
  ( table 2と対応)
Figure 2  月ごとの痙攣の発生と死亡率とグラフにしたもの。
Table 5 post-intervention changes in seizure and mortality rate associated with segmented regression analysis 痙攣と30日死亡率については、TXA使用していた時期をBaselineとして、傾きとレベル(介入が行われた地点の値)がどのように変わったかを検定している。


Yt = B0 + B1T  + B2Xt + B3 T Xt
ここでB2はレベルの変化を示し、B3は傾きの変化を示す。 

この2つの変数(レベルと傾き)に有意差があると、介入によってoutcomeが変化したことが証明できる。

時系列データの解析についての参考スライド
https://www.slideshare.net/koichirogibo/its-81063341

時系列データについての計測ポイントはそれぞれ前後で8以上必要と言われている。




2019/06/19

Qualitative research in public health


At first, I choose this class for the credit. But the contents of qualitative research is so insightful that I would like to start this research ASAP.

I've learned the mixture of qualitative and quantitative research which sounds good.


This book is attractive.
https://www.amazon.co.jp/質的研究の考え方―研究方法論からSCATによる分析まで―-大谷-尚/dp/4815809445

Most doctors are skeptical about qualitative research because they believe it is not based the evidence and science. The main misunderstanding of qualitative research is the selection bias and too small sample size; however, the purpose and method of this research differ from statistic analysis the scientists believe.

What opened my eye was that qualitative research builds the hypothesis and discovers the new theory.



2019/06/09

People having life purpose enjoy longevity?


JAMAに掲載された疫学に関する論文。

アメリカはこういった研究をmajor journalが真剣に扱うところが
素晴らしいと思う。

オピオイドとか、いろいろな問題があるのだが...

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2734064

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2734804

2019/06/08

Opioid overdose and the prescribed dose of opioid




Association Between Opioid Dose Variability and Opioid Overdose Among Adults Prescribed Long-term Opioid Therapy. 
Glanz JM, Binswanger IA, Shetterly SM, Narwaney KJ, Xu S. 
JAMA Netw Open. 2019 Apr 5;2(4):e192613. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2019.2613. PubMed PMID: 31002325;


背景:アメリカでは現在オピオイド(医療用麻薬)中毒が深刻な公衆衛生および社会的問題となっている。

目的:オピオイド過量内服に歯止めをかけるため、ガイドラインに遵守した処方が求められているが、その結果、オピオイドの処方量は医師によってまちまちである。本研究の目的はオピオイド投与量と中毒の間の関連性を調査することである。

研究デザイン:nested case-control study 

2006-2018にコロラド医療センターに来院した患者のうち
(別にコホート研究を行なっており、その母体は14898人である。今回その一部の患者で症例対象研究を実施した)
228人のオピオイド中毒患者と、3547人の非中毒患者を比較した。Control群はリスクサンプリングを用いて背景を調整し、中毒者1に対して20となるように選択した。

結果、オピオイド治療期間は36.7 vs 30.9ヶ月、また高容量のオピオイド処方は有意に中毒のリスクを増加させた。 (OR 3.32; 95%CI 1.63-6.77)

結論:オピオイド処方が多いほど、オピオイド中毒につながるため、処方者は最小限の処方を探る必要がある。