Atrial Fibrillation in Heart Failure With Preserved Ejection Fraction: Association With Exercise Capacity, Left Ventricular Filling Pressures, Natriuretic Peptides, and Left Atrial Volume.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28017355
JACC Heart Fail. 2017 Feb;5(2):92-98.
オランダからの研究。
HFpEFの患者において、その診断基準は心不全症状、EFは保たれていること、そして左室拡張能傷害があることがである。この左室拡張能傷害について、Afを合併している患者でも診断基準が同一となっているが、Afを合併している患者ではカットオフ値を変えたほうがいいんじゃないかという仮説のもとに行われた研究。
対象は94人のHFpEFの患者。そのうち32人がAfib、残り62人はsinusであった。これらの患者に対してまず心電図を確認した後でトレッドミルを実施(VO2を計測)、さらに心臓カテーテル検査と経胸壁心エコーを行い、LVEDP、LAVI、E/e'、TAPSE、NT-proBNP等を計測した。
結果、Afibを合併しているHFpEFの患者では、VO2が低値であり、NT-proBNPは高く、LAVIは大きく(左房の拡大)、PCWPは高く、LVEDPやより上昇していた。
これらの結果から、Afを合併するHFpEFの患者の拡張傷害を診断するときは、カットオフ値を変えたほうが良いのではないかと提言している。
結果はAfibが交絡因子であることを示しており、Afibがあると、よりHFpEFと診断されやすいということになるため、例えばNT-proBNPのカットオフ値はsinusであれば300pg/mlであるのに対してAfibがある場合はもっと高くすべきだろうと。現在研究によってバラバラではあるが、600-900をカットオフとしている研究がある。
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Afibの患者でE/e'をどうやってとったんだろう。平均したのか?
今の病院だと、E/AもE/e'もAfibがあると、poor studyという結果が返ってくる。