2019/01/13

Case report リードレスペースメーカー装着患者のCABG


Anesthetic Management of a Patient With a Leadless Pacemaker Undergoing Cardiac Surgery
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2019 Jan;33(1):176-180
https://www.jcvaonline.com/article/S1053-0770(18)30367-7/fulltext


そのうち日本でもこういう患者さんが現れるのだろうか。

米国で現在承認されているリードレスPMは二種類。

TPS Micra Transcatheter Pacing system (メドトロ)
Nanostim leadless cardiac pacemaker (アボット)

今回のCase Reportでは3ヶ月前にNanostimの挿入術を受けた患者がCABGを受けることになったため、その麻酔管理についての報告。

その前に リードレスPMの適応
・Afib with 2nd or 3rd AVB or bifascicular bundle branch block
・Sinus with 2nd or 3rd AVB or bifascicular bundle branch block
・Sinus brady with infrequent pauses
・>= 18 years old
・at least 1-year life expectancy
禁忌
・T弁置換されている、IVCフィルタが装着され知恵る
・心内膜にPMリードがすでに装着されちえる
・経皮のICDが装着されている。
・大腿静脈がアクセスに適さない もしくは血栓がある
・肺高血圧症がある
・治癒されていない肺疾患がある(肺癌など)
・肥満 (体外からのPMへのシグナルが不安定となるため)
・30日以内の心臓手術
・一度リードレスPMを装着している
・dexamethasone sodium phosphateへのアレルギー (どうもこの薬剤がPMに塗られていて、PM自体に血栓ができることを防いでいるようだ)

Caseは71歳の男性、PCI歴がある。3ヶ月前に徐脈に2nd AVBを併発し、失神症状があったためNanostimの挿入がされた。今回冠動脈再狭窄を認めたため、OPCABGとなった。
サクションカップを使用して心臓を脱転させたが、PM自体には問題はなかった。
PMの外れなどがないことはTEEで確認しながら行った。PMに関する合併症はなかったと。

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認可されている2つの機種で色々なことが異なるようだ。
リードレスPMの重さは2g。
MicraのほうがDeviceをoffにでき、遠隔モニタリングが可能。
Nanostimはマグネットモードへの変更が可能。
耐用年数はNanostimが9.8年に対してMicraは4.7年
どちらもMRIは条件付きでOK (どんな条件や?)

DCが必要な場合はどちらの機種でもそのまま行ってOK。
心臓手術の場合は外れていないかを都度TEEで確認する必要がある。