2013/08/19

SI: International System of Unit in Medical practice


平成4年の法律の改正により、mmHg等の単位は使えなくなっていたらしい。
医療現場には猶予期間が設けられていた。

「平成4年の計量法改正時に、生体内圧力(例:頭蓋内圧力、眼圧、気道内 圧、膀胱内圧力)の計量単位である水銀柱メートル(mHg)及び水柱メート ル(mH2O))については、法定計量単位から削除されることとなり、法定計 量単位であるパスカル(Pa)、ニュートン毎平方メートル(N/m2)、バール (bar)、トール(Torr)へ移行」

Torrは少しはなじみがあるが、barやパスカルなどはまったくなじみがない…


1mmHg (=1Torr) = 133 Pa 


めんどくさい… 血圧はいいというけれども

CVPは 560 Paとか…


2013/08/14

TEE memo #4 Diastolic function

【拡張機能】
・AMIで最初におこる変化は拡張能の低下
・Volumeを負荷したときに拡張能がないとAfibとなる。
・拡張能の評価はLAとPV。
・LAではE/A DT(deceleration time)、A duratioによって評価する。(すべて年齢とともに低下)正常:E/A > 1 , DT = 150-200
・拡張能低下では E/A < 1、DT > 200
・IVRT(等容性弛緩時間)= A弁が閉じてM弁が開くまでの時間 = 70-90ms
 DTと比例しており、拡張能の低下ではIVRTが延長する(=弛緩しないのでM弁がなかなか開かない)。拘束性障害や若年者ではIVRTが短い。
・E/A > 1 が偽正常の可能性を示唆する所見:左室径の異常、伝播速度の低下、組織ドプラ > 15 、前負荷の減少により E/A < 1  (前負荷の減少:バルサルバ手技をかける。容量が減少するとき、正常ではE/Aはかわらないが、拡張能の低下ではAが減少しないためE/A < 1となる)
・PVではS(Ps)波、D(Pd)波、Ar(Par)波で評価する。
S波は収縮期にながれこむreserverの役割。D波はConducterとして働く。
・組織ドプラ
 E':拡張期の便輪部の動き
 E/E' = 左室充満圧評価の指標 PCWPと相関。正常 3.0-7.7
・flow propagation
カラードップラでみるM弁からApexまで(約9cm)の流速。正常では0.1msecで到達する。 0.2msec以上かかるようであれば拡張障害を疑う。


2013/08/08

TEE memo #3 systolic function

【心機能の評価・基本】

・Mモードでの測定では前方縁から前方縁間での計測を用いる。(幅はゲインによって異なるため) cf:断層法では後方縁から前方縁で行われる。
・Mモードでの拡張末期はQ波である。
・収縮機能の評価
 収縮能には1) Grobal functionとRegional functionがある。RegionalはCABGで有効
・Grobal Functionの評価:
 内径短縮率 正常30-50% 
 面積駆出率(FAC) 乳頭筋レベルのSys,Disの面積から計算。 正常 40~60%
(心尖部の方が大きな値となる)
 EF 正常50~80% CO、STなどの項目も。EFで勧められているのはmodified Simpson法ではあるが、最も使われているのは視覚的評価
・Regional functionの評価:
 内方運動の評価(17segmentsで行う)
 壁肥厚の程度 正常30-50%
 円周短縮率
・拡張機能の評価
 拡張機能は障害されると血液充満できず、内圧が上昇する。拡張能がないとAfibになりやすい。拡張機能を知るには本当には圧が知りたいが、エコーでは血流でそれを評価する。
 E/A波(年齢とともに低下する)pseudo normalizationがあるので注意、PV波形、
 組織ドプラ(弁輪部の動きの評価)後負荷、前負荷に影響されずに評価できる。
 Flow propagation カラードフラでみる。FlowはM弁からApexまで0.1秒で到達するのが正常
・TVI=速度時間積分 波形のトレースで求められる。
・圧較差:TEEでは最大瞬間圧較差を使用(圧は求められないので血流から求めているため)、心カテではピークピーク圧較差を使用。
・SV = CSA * TVI

・PHT:pressure half time 圧が1/2になるとき、速度は1/√2となる
・PHTの活用 M弁弁口面積= 220/PHT  T弁口面積= 190/PHT

2013/08/05

ventilation in surgery 麻酔下でも肺保護戦略が必要か IMPROVE study

NEJMに麻酔関連の論文がのっていた。
各種議論があるところではあるみたいだが肺保護戦略はいいらしい。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1301082


ORIGINAL ARTICLE

A Trial of Intraoperative Low-Tidal-Volume Ventilation in Abdominal Surgery



フランスの多施設RCT。 (IMPROVE study)
呼吸器合併リスクのある400人の手術予定患者を以下の2群に分けた。
どちらもvolume control 設定
(患者は40歳以上で予定時間2時間以上の手術をうける患者)
・lung protective ventilation ( TV = 6-8 ml/kg  PEEP 6-8  30分毎にrecruitment maneuver(30sec 30cmH20)を行う
・nonprotective ventilation (10-12 ml/kg ZEEP)
primary outcomeは術後7日以内の呼吸器合併症、2ndly outcome は30日以内の合併症(敗血症等を含む、ICUの入室、期間)

結果として有意に術後7日間の肺合併症が減少した。

# しかしそもそも肺合併症のある患者にVCVで麻酔するか…。
PCVを選んでしまいたくなる。



これもよまなきゃ。 
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra1203367


REVIEW ARTICLE

Weaning Patients from the Ventilator

John F. McConville, M.D., and John P. Kress, M.D.
N Engl J Med 2012; 367:2233-2239December 6, 2012DOI: 10.1056/NEJMra1203367

2013/08/04

professional usage of TOF-watch


TOF-watchの適切な使い方について

貼付ける場所は主に3カ所。それぞれに特徴がある。
・尺骨神経 ・顔面神経 ・脛骨神経 

・筋肉によって筋弛緩の作用に違いが生まれるのはAch-Rの数の違い。
・気管挿管時に呼吸筋が動いていると、術後嗄声の頻度が有意に増える。
・末梢筋では全体の70%を超えると弛緩されるが、呼吸筋は90%を超えないと弛緩しない。
・尺骨神経は最も一般的に使われる。作用発現も回復も遅いため、逆にこのTOFが回復していれば他の筋も回復しているといえる。しかし、外舌筋、舌骨上筋、咽頭筋については母指内転筋の筋弛緩より回復が遅いため、昔はTOF0.7で回復としていたが、現在は0.9となった。
・顔面神経による皺眉筋の筋弛緩は呼吸筋と一致するため、バッキング等の予防指標となる。
・TOF 2でていればバッキングする可能性はある。(いつバッキングしてもおかしくない)
・深部刺激をみるときはPTCを使用する。
・PTCではpre テタヌス刺激により、血流増加し薬剤が流れていく他、一過性にAch-Rの数が増える。
・高齢者ほど筋弛緩作用のばらつきが大きいため、TOF watchが必要となる。

・ネオスチグミン投与により、神経筋抑制作用がおこることがある。(ほとんど筋弛緩が切れている状態で投与すると、脱分極のような状態を作り出すため)
 0.04mg/kg以上は入れない。(体重50kgでアトワゴリバース1本分か)

・TOF-watchにもキャリブレーション機能がついている。患者が寝てまだ筋弛緩薬を入れる前にキャリブレーションを行うことでその後の検査がやるやすくなる。

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ちなみに取り付け方は黒(-)が末梢。


TEE memo #2 pitfall

【画像のアーチファクトとピットフォール】

・ゴースティングアーチファクト:カラーフロー画面でカラーが一瞬だけ点滅表示される減少
・スネルの法則:屈折の法則 Sinθ2/Sinθ1 = V2/V1
・サイドローブ:メインビームからそれて放出されるビームによるアーチファクト。ビームのもれともとらえられる。

【間違えやすい構造物】
・キアリネットワーク:右静脈弁の遺残 心房中隔瘤やPFOを合併しやすい。
 心房中隔瘤の定義は心周期を通して15mm以上同様するものをさす。
・ユースタキ弁:下大静脈と右心房の結合部の弁。この弁によりIVCからの血流は卵円孔へと流れやすくなっている。
・ティベシウス弁:冠状静脈洞の入口にある弁状構造物
・モデレーターバンド:RVに存在。右脚伝導路が走っている。
・左上大静脈遺残:LAのすぐ左どなりに見える。
・左心耳内の櫛状筋:左心耳内で血栓のように見える。

2013/08/03

TEE memo #1 echo

【超音波の原理】
超音波とは20,000Hz以上で不可聴
パルス:波のサイクルの集合。空間パルス長とはパルス1つ分の長さのこと。
空間パルス長:パルス1つ分の長さ。パルス幅とも。
パルス繰り返し周期:1つのパルスと次のパルスまでの時間の合計
PRF:Pulse repetition Frequency パルス繰り返し周波数。パルス繰り返し周期の逆数。パルスの間隔が短くなるとPRFは長くなる。
軟部組織の音波速度は1540m/sと規定されている。(空気は330、骨は4080)
音響インピーダンス:密度*速度(音波を透過させる程度)、空気は低い。
レイリー反射:音波をすべての方向に反射させること。赤血球などはこういった反射をする。
減衰(attenuation):反射、散乱、吸収によっておこる。 1/2 *周波数*移動距離
圧電効果:電気エネルギーと機械エネルギーにの変化。超音波では、まず逆圧電効果で電圧を音波に変換している。受診後に音波を電気信号にかえている。こういった圧電効果をもつ物質は自然・人工物である。例としてはクオーツ、トルマリンなど。
近距離音場:フレスネルゾーンとも。(振動子の直径)^2 / (波長*4)
遠距離音場:フランホファーゾーン。 
 周波数を高くすると、近距離音場が長くなり、画像がきれいになるが、減衰も大きく
 遠くまでは見えなくなる。
焦点距離:振動子の直径と周波数に比例する。
分解能:距離分解能(レンジ分解能)=縦方向。だいたい0.05〜0.5方位分解能(横方向)スライス分解能(奥行き)このなかでエコーが強いのは距離分解能。調整もできる。
Range equation:振動子から反射体までの距離。 1.54 * パルス往復時間 / 2 で求める。

                                   超音波周波数
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連続ドプラ    電気的周波数によって決まる。
パルスドプラ   圧電素子の厚さと速度から決まる

帯域幅:パルスにおける音波の最高周波数と最低周波数の差分。短いパルスでは帯域幅が広く、画質が良い。

振動子の種類:リニアアレイ=圧電素子が直線的に配置されたもの。リニアフェーズドアレイ=パルスのずれを作ってエコーを集束させることができるリニアアレイ。環状アレイ=円状に圧電素子があり。中心部分で近距離、遠心部分で遠距離をみている。距離分解能がよい。

画像の調整:ゲインのup/down=amplificationを調整している(信号の増幅)ダイナミックレンジ=コントラストを決定している。


Congenital myopathy & Anesthesia


先天性ミオパチーの麻酔

・先天性ミオパチー
生下時あるいは乳児期早期に筋緊張低下、筋力低下、運動発達障害をきたすきん疾患
側弯、高口蓋を認める。呼吸筋罹患も多い。
・種類
1)ネマリンミオパチー:最も頻度高い。呼吸筋低下、嚥下障害。心筋は問題ない。知能障害なし。
2)セントラルコア病:リアノジン受容体の異常による。悪性高熱症をきたしやすい。
3)マルチミニコア病:良性非進行性のミオパチー、セレノプロテインN1遺伝子の異常
4)中心核ミオパチー:進行性の呼吸不全を認める。重症な経過をたどる。
5)先天性筋線維型不均等症
6)Minimal change myopathy

側彎症や内反足にともない手術を受けることが多い。
側彎のためにもともとの呼吸機能が低下している児が多い。

側彎症のOpeの場合、Cobb角が100度を超えると1秒率は正常であっても%VCが50%以下となる場合が多い。拘束性障害を来す。

脱分極性の筋弛緩薬は用いない。(セントラルコア病とKing denborough症候群で発症する) プロポフォールでも注意する。