2013/06/24

PEEP is contraindicated in brain surgery?



PEEPは脳神経外科の手術ではつかってはいけないとされているが、
(脳圧をあげるためと習った)本当だろうか?

Effects of positive end-expiratory pressure on regional cerebral blood flow, intracranial pressure, and brain tissue oxygenation
Effects of PEEP on the intracranial system of patients with head injury and subarachnoid hemorrhage: the role of respiratory system compliance.J Trauma. 2005 Mar;58(3):571-6.

Crit Care Med 2005; 33:2367–2372



動物(ブタ)実験ではあるが、PEEPは脳圧には影響を与えなかった。しかしMAPが低下するため、脳血流が減少する。 

つまりPEEPのせいで脳からの静脈血が右心に戻れないから脳圧があがるのではなくて、
脳にいく血流が少なくなるらしい。また脳血流のautoregulationも障害されると。

Effects of Positive End Expiratory Pressure (PEEP) on Intracranial and Cerebral Perfusion Pressure InPediatric Neurosurgical Patients.
J Neurosurg Anesthesiol. 2013 Jul;25(3):330-4

小児ではどうか?というはなし。小児の脳腫瘍患者で調査したところ、
PEEP 8まではICPを上昇させることなく、肺コンプライアンスを上昇した。
小児ではPEEPでも問題ないらしい。でもPEEPかけるのは手術後がよいと。なぜ?
術中はやっぱりないほうがいいのか?


大人では? 頭部外傷およびくも膜下出血の患者へのPEEPについて、肺のコンプライアンスが高い患者と低い患者で比較したが、ICPはかわらず。肺のコンプライアンスの高い患者の方がMAP、CVPなどのPEEPによる変動が高かった。


結論としては、PEEPは直積的にはICPには影響を与えないが、

平均血圧が低下することで脳の還流は悪くなるのか。


なので、脳神経外科手術では患者さんの呼吸機能と相談してからPEEPの適応の有無を
決めた方がいいらしい。




2013/06/20

硬膜外麻酔困難の予測因子


Development  and evaluation of a score to predict difficult epidural placement during labor. 

Guglielminotti J, Mentré F, Bedairia E, Montravers P, Longrois D.

Reg Anesth Pain Med. 2013 May-Jun;38(3):233-8.

妊婦における硬膜外麻酔の困難度予測


difficult interspinous space palpation (odds ratio [OR], 6.1; 95% CI, 2.8-13.9)
spinal deformity (OR, 2.4; 95% CI, 1.1-5.3)
inability to flex the back (OR, 3.0; 95% CI, 1.2-7.8)

至極まっとうな結果だが、methodおよび統計(C-statistics)が面白かった。

妊婦ではなく、通常の人ではこれにobesityと麻酔科医の経験が入るみたいだ




ARB & ACEi improve patients undergoing cardiac surgery



The Effects of Preoperative Renin-Angiotensin System Inhibitors on Outcomes in Patients Undergoing Cardiac Surgery. 
Shi P, Li Z, Young N, Ji F, Wang Y, Moore P, Liu H.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2013 May 31. 

後ろ向きの調査だが。。。

P:心臓手術を受ける患者
I:術前2週間以上前からARB、ACEiを内服
C:内服していない患者
O:周術期死亡率、AKI、周術MI、ブロック、心肺停止、敗血症、脳梗塞の発生頻度


ARBを内服していた患者の方が周術期死亡率、AKIと敗血症についてはすくなかった。
ほかの項目については差なし(信頼区間的に差があるといえない)

これをRCTでやったらどうなるんだろうか。 
面白そう。
でもPOISE studyみたいな結論になるのかも。 










2013/06/08

Rapid BP lowering is better? (intracerebral hemorrhage)


the INTERACT2 Investigators. Rapid Blood-Pressure Lowering in Patients with Acute Intracerebral Hemorrhage.
Anderson CS, Heeley E, Huang Y, Wang J, Stapf C, Delcourt C, Lindley R,
Robinson T, Lavados P, Neal B, Hata J, Arima H, Parsons M, Li Y, Wang J, Heritier
S, Li Q, Woodward M, Simes RJ, Davis SM, Chalmers J; 
N Engl J Med. 2013 May 29.

脳出血後の血圧コントロールについて2839人の患者を
・intensive care群:1時間以内にsBP 140以下とする
・control群:血圧が180以上になった時点で治療を開始する

と分けて、死亡率、modified rankin scoreを結果として実施されたRCT

結果は死亡については両者で差はなかったものの、moidfied rankin scoreでは差を認めており
早期の降圧介入は一定の効果がある。

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降圧剤の選択はその施設の主治医にまかわされていたが、驚いたのは最も多い高圧薬がurapidil等のαブロッカーであった点。
日本ではCCBが第一選択となっているが、αブロッカーも使いやすいのだろうか?

2013/06/05

perimorterm CS / emergent CS


MEMO

・低酸素に体する感受性は後期に発達する中枢ほど高い。延髄・視床下部は感受性が高い。
・延髄は心拍数を制御しているため、最もはやく低酸素血症の評価ができるのがHRとなる
(なのでNSTが有用)

・一過性徐脈の出現、一過性頻脈の消失、基線変動の減少と進行する→代謝性アシドーシスへ

・胎児HR(minimum)が90以下 = 30分持続で脳障害
 胎児HR(minimum)が70以下 = 13分持続で脳障害

・いわゆる 30分ルールは1989年にアメリカ産婦人科学会が定めたもの。

・perimorterm CS 娩出により母体が救命できることがあるため、CPRを行いながらCS

「麻酔」 2012年9月
「産科麻酔ポケットマニュアル」