2018/01/21

基本に磨かれ...


昨年から三越前駅で降りると目にする広告、バレリーナ・オニール八菜さんのポスター。

三越伊勢丹の2017-2018の企業テーマらしい。

http://this-is-japan.jp


毎週三越前を通るのだが、この広告を見るたびに気が引き締まる。

基本を磨くこと、全てのことに通じる。






体幹ブロック メモ


先日、ブロックの勉強会に参加してとても勉強になった。

RSB: Rectus Sheath Block
QLB: Quadratus Lumborum Block


Overview
・全てのブロックは座って行うべき。

RBS
・Th6から効果あり。
・RBブロックの場合はRBの鞘の上(腹直筋とRectus Sheathの間)に投与。
・理論的には恥骨付近まで効果を持たせることができるが、Rectus Sheathが臍の下では腹直筋の後鞘に行かないため、効果が不十分になることがある。
・AAAのブロックの場合は6箇所(左右3箇所づつ)へ。4箇所でOKな場合も。
この動画がRBSとTAPのアプローチの違いとして一番わかりやすかった。
https://www.youtube.com/watch?v=f_nLAimVagE


TAP
・TAP ブロックで確実なのはTh 7から。
・側方TAPよりも肋骨弓下斜角TAPの方が効果があるとの報告も。
Sensory Assessment and Regression Rate of Bilateral Oblique Subcostal Transversus Abdominis Plane Block in Volunteers.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29278604
20人の健康なボランティアを対象に肋骨弓下斜角TAPを行なってその広がり、効果範囲をみたもの。
・高齢者で筋肉の層がわかりにくい場合は最も暗い(黒い)層が腹横筋。外腹斜筋と内腹斜筋はエコーをスライドさせると、それぞれ違う方向に筋繊維が動くことが確認できる。

QLB
・Anteriorアプローチ以外は仰臥位で可能。
・ただし、太っている患者さんではお肉を持ち上げてもらうことも必要。
・コンベックスプローべで行なった方がQLの筋肉が黒く見えてやりやすい。
・QLBもTh 7から。慣れたらTAPより簡単かも。
・QLBは下肢神経にまで影響が及ぶことがあるので、量はTAPより少なめ。



年を取っても、体系的に勉強することの大切さを感じる。




2018/01/11

麻酔科医の引き継ぎが予後に及ぼす影響


JAMAの論文
Association Between Handover of Anesthesia Care and Adverse Postoperative Outcomes Among Patients Undergoing Major Surgery

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2668348?utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert&utm_term=alsomay&utm_content=olf-sidebar&redirect=true

カナダの州データを使った論文。
オンタリオ州で2009年から2015年の間に手術を18歳以上の患者(手術時間は2時間以上)を対象とした後ろ向き研究。
primary outcome: all cause of death, hospital readmission, major postoperative complications

313,066人が対象。 72%の手術が予定手術
麻酔科医の交代があった患者は1.9%。 
交代があったグループについては手術時間は長かった。
propensity scoreを用いて調整した後のoutcomeでも死亡率、主要合併症は麻酔科医が交代した群で高くなっていた。再入院率と30日以内の再手術率に差はなかった。

そもそも麻酔科医の交代は1.9%はかなり少ないように思う。

2017/12/29

Procedural sedation and analgesia by non-anesthesiologist


仕事が多すぎてうまく対処できていない。。。

2017年ESAから出された鎮静のガイドライン。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28877145


2017/12/12

Monitored anesthesia in TAVI


とりあえずリンク。

1: Hosoba S, Yamamoto M, Shioda K, Sago M, Koyama Y, Shimura T, Kagase A, Tada N,
Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Safety and
efficacy of minimalist approach in transfemoral transcatheter aortic valve
replacement: insights from the Optimized transCathEter vAlvular
interventioN-Transcatheter Aortic Valve Implantation (OCEAN-TAVI) registry.
Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2017 Oct 31. doi: 10.1093/icvts/ivx355. [Epub
ahead of print] PubMed PMID: 29096029.


2: Pani S, Cagino J, Feustel P, Musuku SR, Raja A, Bruno N, Ursillo C, Arunakul
N, Poulos CM, Welljams-Dorof M, Roberts K, Torosoff M, Delago A. Patient
Selection and Outcomes of Transfemoral Transcatheter Aortic Valve Replacement
Performed with Monitored Anesthesia Care Versus General Anesthesia. J
Cardiothorac Vasc Anesth. 2017 Dec;31(6):2049-2054. doi:
10.1053/j.jvca.2017.04.005. Epub 2017 Apr 5. PubMed PMID: 28911896.


3: Neuburger PJ, Patel PA. Anesthetic Techniques in Transcatheter Aortic Valve
Replacement and the Evolving Role of the Anesthesiologist. J Cardiothorac Vasc
Anesth. 2017 Dec;31(6):2175-2182. doi: 10.1053/j.jvca.2017.03.033. Epub 2017 Mar
27. Review. PubMed PMID: 28676187.


4: Fröhlich GM, Lansky AJ, Webb J, Roffi M, Toggweiler S, Reinthaler M, Wang D,
Hutchinson N, Wendler O, Hildick-Smith D, Meier P. Local versus general
anesthesia for transcatheter aortic valve implantation (TAVR)--systematic review
and meta-analysis. BMC Med. 2014 Mar 10;12:41. doi: 10.1186/1741-7015-12-41.
Review. PubMed PMID: 24612945; PubMed Central PMCID: PMC4022332.


5: Kiramijyan S, Ben-Dor I, Koifman E, Didier R, Magalhaes MA, Escarcega RO, Negi
SI, Baker NC, Gai J, Torguson R, Okubagzi P, Asch FM, Wang Z, Gaglia MA Jr,
Satler LF, Pichard AD, Waksman R. Comparison of clinical outcomes with the
utilization of monitored anesthesia care vs. general anesthesia in patients
undergoing transcatheter aortic valve replacement. Cardiovasc Revasc Med. 2016
Sep;17(6):384-90. doi: 10.1016/j.carrev.2016.02.003. Epub 2016 Feb 9. PubMed
PMID: 27133500.

2017/12/06

JAMA 2017 prevention of SSI


JAMA に2017年論文ランキング(JAMAに掲載された論文のみが対象)があった。
1位が2017年7−8月にCDCから出されたSSIの予防に関する論文
https://jamanetwork.com/journals/jamasurgery/fullarticle/2623725

Core Section
【静注抗生剤の投与】
・皮膚切開時に非経口抗生剤が行われるべき 1B
・術前で上記以外のタイミングでの抗生剤の投与は推奨されない。
・帝王切開であっても、皮膚切開前に抗生剤を投与する 1A
・成人においては抗生剤の投与量は体重によって変わらない。
 たのRCTでは薬物動態に基づいて抗生剤の投与量を変更すべきとしているが、結論は出ていない。
・術中の抗生剤の追加投与について、術中の抗生剤の追加についてはそれがSSIを防いだとのエビデンスはない。薬物動態に基づいて追加投与すべきとしている団体もあるが、結論は出ていない(一番驚いた)
・術後にはたとえドレーンが入っていたとしても抗生剤を追加する必要はない。

【非静注抗生剤による予防】
・腹腔内の抗生剤溶解液での洗浄の効果と副作用はトレードオフであり、結論は出ていない。
・インプラント製剤を抗生剤溶解液にひたすことでSSIが予防できたとするRCTはない。
・抗生剤入りの軟膏やパウダーを使用することは意味がない。1B
・autologous platelet rich plasma(自己血高濃度血小板血漿)はSSIの予防のためには不必要である。 II
・triclosan coated sutureの使用を検討する。(バイクリルプラスとか。)
triclosan coated sutureのSSI予防に関するメタアナリシス
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29043582
・antimicrobial dressing の使用は検討しても良いかもしれない。

【血糖コントロール】
・術中の血糖値は200mg/dlを超えないようにする 1A
・SSIを予防できる最適A1Cについての研究は今の所ない。

【体温管理】
・normothemiaを保つ 1A

【酸素化】
・FiO2をあげることによるリスクベネフィットはトレードオフである。
・呼吸機能が正常な人であれば、FiO2をあげることはSSIの予防に繋がるかも。
・気管挿管をしない患者で、術中に酸素マスクを使用して酸素を投与することにはリスクベネフィットがありトレードオフである。
・呼吸機能が正常な人に術後に酸素マスクを使用して酸素を投与することにはリスクベネフィットがありトレードオフである。
・SSIを予防するための術後の酸素投与量、期間については結論は出ていない。

【消毒】
・手術を受ける患者は前日の夜か当日にシャワーに入り、石鹸で体を洗うべき。
・クロールヘキシジン入りの石鹸や消毒液でのシャワー、バスの使用については議論があり、トレードオフ。
・禁忌がなければアルコール入りの消毒液で術前に消毒すべき
・SSI予防のためのシーリング剤をしようすべき
・plastic adhesive drapes(ヨードを塗ったうすーいシートなど)はSSI予防には不必要。
・閉創前に皮膚に消毒をし直すことはリスクベネフィットのトレードオフである。

【その他】
・TKAが人工関節のなかで最も感染が多い。
・SSIの予防のために輸血を制限することはない
・ステロイドの全身投与はリスクベネフィットでトレードオフの関係。
 (=ステロイドの全身投与がSSIのリスクを増やしているとの結論は出ていない)
・創部へのステロイド投与もリスクベネフィットはトレードオフ。



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なかなか昔の習慣を廃止するのは厄介だと思う。
術後も抗生剤をドレーンが抜けるまで投与し続ける施設のなんと多いことか。

WHOガイドラインのようにFiO2 80%にすべきとか無茶なことを言わないのはCDCのいいところだと思う。

2017/12/01

心臓手術における輸血


昨日のNEJMから。
high-moderate risk な心臓手術に対して制限輸血 Hb < 7.5 か、標準輸血 Hb < 9.5を行うべきかのRCTが出ていた。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1711818
Restrictive or Liberal Red-Cell Transfusion for Cardiac Surgery

n = 5243
primary outcome: death from any cause, myocardial infarction, stroke, or new-onset renal failure with dialysis

result of primary outcome:
制限輸血群: 11.4%  vs 標準輸血群 12.5%  odds ratio 0.9%

非劣性を示せたとのことであり、輸血使用量が少なくても非劣性であれば
輸血しない方が良いとの結論になるか...

しかし、心臓手術ではRBCというより、凝固因子の方が出血イベントに大きく関わるのではないか...

TRICS III  trial