2023/03/23

読書録

ミレニアム

スウェーデンのミステリー小説。出版されたときは世界的に話題になったようで、映画化もされている。確かにミステリー要素は強く、話の展開に引き寄せられるところはある。勧善懲悪が目立っており、そういうのが好きな人にはいいと思う。作者の考える「事件には”必ず”悪者がいる」という考えが、合わない人には合わない。


三体

SF小説であり、世界的に流行った作品。今も流行っている? こちらもミレニアムと同じ三部作。1部はあっという間に読み切ったが、2部が中だるみしてしまう。400年後の世界に向けて、現実的な打開策を打ち出すことの困難さ。話が世界規模で、その点は面白いが少々ぶっ飛んでいる。


果てしない物語

ミヒャエルエンデの作品。主人公のバスチャンの設定がとても魅力的だ。ファンタジー小説ではあるのだけど、なんとも奥が深い。いかに生きるかということを大人にも問うような要素がある。人間とは、欲望と嫉妬から切り離せないのだということを改めて感じる。


線は僕を書く

ほろ苦い青春小説なのだけど、その点についてはまったく共感できなかった。水墨画の世界の魅力は十分に伝わり、勉強になった。


名人伝

名著だ。というかこの人の書く作品はすべて鋭い。人間の中に潜むいろいろな感情を小説の中にでてくる登場人物を通して際立たせて書いている。これは感情というものではないが、どの道においても究めるということはどういうことかを考えさせられる。


仕事の本も読もう。