2020/06/15
CRRT weaning protocol
CRRT 離脱の標準的な基準があるかどうか?を数日前に考えていたのですが、
https://mmarico.blogspot.com/2020/06/crrt-weaning-from-crrt-in-icu-patients.html
同じ雑誌の2019年にドイツでCRRT離脱プロトコルを作成して実際にやってみました、という論文があった。
Tourneur JM, Weissbrich C, Putensen C, Hilbert T. Feasibility of a protocol to wean patients from continuous renal replacement therapy: A retrospective pilot observation. J Crit Care. 2019;53:236‐243. doi:10.1016/j.jcrc.2019.06.031
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31280144
ICUに入院してCRRTが必要となった患者に対して、離脱プロトコールに沿って離脱を行なった群と通常の担当医師による判断で離脱を行なった群でどうだったかをみた研究
対象人数はそれぞれ15人で、pilot study。
その具体的な離脱プロトコルなのだが、
・フロセミドを1mg/kg を500mlの晶質液に入れて投与。(乏尿の場合)
(輸液過多の場合はボーラス投与)
・12時間で尿量が 50ml以下かどうか
・50ml以下であれば、CRRTを1 cycle行う。(1cycleって?1日?)
アミノ酸の補正を行う 1.5-1.8g/kg*day
この際に利尿薬は使用しない。12時間後に再度尿量を確認する。
・50ml以上であれば次の離脱プロセスに進む
(離脱プロセスを進める場合)
・循環血液量の減少を認めなければ利尿薬を追加
フロセミドの持続 最大 0.25 mg/kg*hr
フロセミドで効果がない場合はさらに別の利尿薬(サイアザイド系など)も追加。
・以下を整えて離脱する。
・輸液バランスが0となるような利尿状態
・MAP > 65 <65であれば昇圧薬の使用
・ScvO2 > 70 < 70であればカテコラミン、輸液、輸血の実施
・アルブミンの補正
・電解質の補正
新鮮な点は結構な量の利尿薬を使用するところだった。
結果として 15人 vs 15人の比較では、このプロトコールに従った群の方がScvO2が高く、尿量も多かったと。
ただ、46%はこのプロコトールを行っても離脱できなかったと。副作用は認めなかった。
プロトコールがあった方がいいのかどうか、この結論でははっきりしない。
Feasibilityは確かにあるのだけれども、それを積極的に導入した方がいい理由(=現状の問題点)が曖昧だからかもしれない。
しかし長期間のCRRTは患者さんの臥床期間が長くなるし、感染のリスクも増えるのでやはり早くweaningできればそれに越したことはないのだが。 weaningが早くなるとも言えていない。難しい。