2020/03/21

読んだ本の棚卸し


(自分のための備忘録)

仕事以外にどんな本を読んできたか。印象に残っているもの。

幼少期
おしゃべりなたまごやき:記憶に残る一番はじめの本。小学校1年くらいの時にだった。王様がぞうのたまごで卵焼きを食べたいといったり。
クレヨン王国物語:ストーリーは全く覚えていないが、灰色の魔女が好きだった。善でも悪でもない存在。
子ウサギましろのお話:絵本はたくさん読んだが、この本が一番印象が強い。子供の頃の私はずるい、世の中をなめているようなところがあったが、悪いことはできないということを教えてくれた本だった。
ゲド戦記:シリーズではあるが、最初の1冊しか読まなかった。自分で制御しようのない力を持つということがどれほど辛いことなのか、理解できなかったからかもしれない。
冒険者たちーガンバと15匹のネズミ達:困難な状況をどうやって打開するのか、わくわくしながら読んだことを覚えている。
大草原の小さな家:テレビドラマになって有名だったが、本の方が何倍も面白かった。

中高生
あまり本を読まなかったことに後悔。屈折した時代だったからか。。。
風の谷のナウシカ:アニメではなく、マンガの方を何度も何度も読み返していた。
ベルサイユのばら:中学時代マンガを読んで、涙。。。多感な時期だったのか。。。
太陽の子:灰谷健次郎さんの本。素敵な本です。
大地の子エイラ:ネアンデルタール人とクロマニヨン人の交流から始まり、エイラという子供が成長していく過程。ある時ネアンデルタール人の集団から追放されてしまうのだが、その部分が最も印象的だった。生きる強さとでも言おうか。
大地の子:山崎豊子さんの小説。ここから山崎豊子さんが好きになり、「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」「沈まぬ太陽」とはまっていった。山崎豊子さんの小説にはその時代や社会の不条理と葛藤しながらひたむきに生きる人たちがたくさん描かれていて、そこに心うたれるのかもしれない。
山月記:確か高校時代に読んだ。私が人生の中で最も印象に残った作品は何かと聞かれたらこの作品をあげる。そのくらい衝撃的だった。

大学生
ショウペンハウエルが好きになる。あまり理解もできていないのにかぶれるという感じ。大学はモラトリアムというが、社会のことを知りもしないのに、本を読んだだけで自分が何かすごいことを知っているかのように錯覚していた時代だ。ただ、ショウペンハウエルのような社会に溶け込めない偏屈な人が好きだったようだ。
死ぬ瞬間:キュプラーロス博士。今でも本屋で売られているところを見ると、やはりすごい本だったのだなと。がんという告知だけではなく、別れなどにも通じる心理の分析。
がん回廊の朝:柳田邦男さんの医療シリーズにハマる。どうやって日本ががんという病と向き合って来たのか、濃密なドキュメンタリーを見るように書かれていた。ここから柳田邦男さんの作品を手当たりしだいに読むようになる。サクリファイスという、ご自身の息子さんのことを書かれた本も印象的だった。
夜と霧:山月記に続いて、人生の中で最も印象に残った作品。今でも多くの人に読まれているようだが、何度も読んだ。この本の中で何が印象に残るはは人それぞれだと思うが、絶望の状況において常に客観的に周囲を見ることができるかが生きる鍵なのかもしれない。一つの逸話としてしか紹介されていなかったが、給仕をする当番も収監されているユダヤ人であり当番制であった。ほとんどの給仕係は自分の同郷や顔見知った人がいると、スープの具の量を多くしたり、何かしらの差をつけていたが、全くそういうことをしない給仕係が一人いた。という下りをよく思い出す。そしてアウシュビッツから解放された後も、元収監されていた人々の疎外感は続く。続編の死と愛も面白かった。

社会人
いろんな人と接する中で今までとは異なったジャンルの本を読むようにもなった。
ライトついていますか?:発想の転換という意味で面白い本。
人を動かす:ビジネスに疎かったが、アメリカでこんな本が売れていていることにびっくりした覚えがある。タイトルの人を動かすという言葉からはなんとなく、優越というか人を操るといったニュアンスがあるのかと思いきや、内容は全く異なる。
コンスタンティノープルの陥落:塩野七生さんの作品。ここから始まり、レパントの海戦、ローマ人の物語などおそらく全ての本を読んだ。山崎豊子さんと似た気骨ある文章が好きだった。となると、マキャベリの君主論も読まなきゃということで読み、なるほどと思うが、実践するわけではなく。塩野七生さんの作品の中で、このコンスタンティノープルの陥落と、ローマ人の物語の中のハンニバルの箇所が最も好きだ。
ねじまき鳥クロニクル:村上春樹さんの中で唯一読んだ作品。好きかと言われると、あまり好きではないが、なぜこれを書いたのか考えさせられる。
敦煌:井上靖さんの本。井上靖さんはしろばんばを高校時代に読んだのが初めだったようなきもするが、あまり好きではなかった。でもこの敦煌は印象深い。ラストが特に。あと、「射程」も好きかもしれない。
生きがいについて:神谷美恵子さんの本。ここから神谷美恵子さんにもハマり、関連本まで含めて読みあさった。(今はみすず書房から新しい全集が出されているが、当時は古い全集がどこにも売っておらず、集めるのにとても苦労した)この人の本から、マルクスアウレリウスの自称録や、新渡戸稲造の武士道、修養といった本を知り、読んでいくことになる。これらの本たちと知り合った過程で、自分の中で生き方に迷っていた部分がようやく吹っ切れたようなところがある。

医学生・医師
医学部自体は本当に医学書以外の本をほとんど読まなかった。勿体無い。
新渡戸稲造全集を買って(何を血迷ったのだろうか。。。)、5,6冊読んだ。やはり2回目の大学生活もモラトリアムという意味では1回目と同じように本だけでわかったような気になっていた気がする。
蒼穹の昴:浅田次郎さんの小説。医者3年目の時に先輩に勧められて読んだ。やはり長編小説は面白いと思う。
エルサレムのアイヒマン:ハンナアーレントの作品。きっかけはNHKテレビでの特集だったのかもしれない。文章は難解。ハンナアーレントという哲学者そのものにも興味があった。
中国古典:論語、孫子、貞観政要、老子、孟子、ある時中国古典を読もうと思いつき、時間の合間、合間に読み続けている。


これからどんな本を読んでいくのか、どういう価値観を強めていくのか。
人生半分終えての棚卸し。