Circulationから
Early Versus Delayed Stroke After Cardiac Surgery: A Systematic Review and Meta-Analysis
Mario Gaudino, MD; Mohammed Rahouma, MD; Michele Di Mauro, MD; Bobby Yanagawa, MD, PhD; Ahmed Abouarab, MD; Michelle Demetres, MLIS; Antonino Di Franco, MD; Mohammed J. Arisha, MD; Dina A. Ibrahim, MD; Massimo Baudo, MD; Leonard N. Girardi, MD; Stephen Fremes, MD, PhD
early stroke : 麻酔から覚める前のStroke
delayed stroke: 麻酔からいったん覚めて覚醒が確認された後のStroke
頻度
Early stroke 0.98%
Delayed stroke 0.93%
それぞれStrokeを起こした場合の死亡率は28.8%と 17.9%である。
Strokeを起こすと死亡率は12倍になる。
メタ回帰分析ではOff-PumpがEarly strokeとマイナスに関係していた。
(人工心肺時間、循環停止の有無、遮断回数は全く関係なかったと!)
Late strokeの発生に関しては、
脳血管疾患の既往歴と術後の心房細動の発生がリスクとされている。
(しかしこれはCABGを対象とした研究での報告であり、大動脈疾患を対象としていないな。。。)
Early strokeは右半球に多く、大動脈のカニュレーションのジェットが何らかの関連があるのではないかとされている。
CABGに関してはno-aortic touch techniqueでStrokeの率が低下するとされている。
また近位部の吻合を工夫することでもStrokeは下がるとされており、
大動脈へのアプローチの工夫が必要なのかもしれない。
Delayed strokeの予防
予防戦略は、心房細動の予防薬の投与および治療、抗凝固薬、LAA ligationを行うことである。
---------------------
アイザックニュートンはペストの流行で疎開している時に万有引力の法則や微分積分の基礎となる着想を得た。今の時代に考えさせられる歴史的エピソードだ。
それ以上に今私の心に引っかかっているのは、ニュートンが言った次の言葉である。
「自分がこれらの発見をできたのは、
巨人の肩の上に乗って遠くを見ることができたからだ」
巨人の肩とはもちろんそれまでの人類の叡智のことで、それを学んだからこそ、その先の世界を考えることができたと。ニュートンの生きたAC1600-1700年にわかっていたことは今よりもずいぶん少ないだろうが、それだからこそ、すべての分野を学び、統合し、その知識の上での新しい発見ができたのだろう。博学という言葉は最近用いられなくなったが、100年くらい前までは、すべての分野に通することができたのではないだろうか。
翻って現在、私たちは(いや私は)、巨人の肩どころか、足元をウロウロしながら、巨人の残した科学技術をもてあそんでいるだけなのではないだろうか。
どうしたら巨人の肩に乗れるのか、そこから見える景色はどんなものだろうか。
見えているもので満足すると、科学はもう飽和しているように思えるだろう。
科学技術を伸ばすことにこれ以上何を望むのかと。それよりも飢えている人を救うべきだと。
何が見えているのか、何が見えていないのか。何を見つけようとするのか。
自問は続く。