2018/11/27

低体温、PHと術後輸血


<今日の抄読会 by B先生>

術後の低体温とPH異常は術後の輸血量と関係するか

Hypothermia, pH, and Postoperative Red Blood Cell Transfusion in Massively Transfused Adult Cardiac Surgery Patients: A Retrospective Cohort Study.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2018 Aug;32(4):1642-1647.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29290382

後ろ向きコホート study
n= 395人の心臓手術施行患者

手術終了時の体温、PHによって術後RBC輸血量に差があるかを検討した。
結果、低体温と術後RBC輸血量には差を認めなかった。
PH異常(定義は?)では術後輸血量は増えた。


PH異常がどのような原因によって発生しているのか?特にアルカローシスの原因は?

うーん。後で原著を読まないとこの発表ではわからんわい。。。

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追記(20181201)

研究対象となった395人は術中に大量輸血(RBC 8単位以上)を受けた患者
体温は36度以下を低体温とした。pH異常はpH 7.35-7.45を正常とし、それ以下、それ以上の3群に分類。結果として154/395がpH < 7.35  37/395が pH>7.45であった。

37人のアルカローシスの原因についてDiscussionされているが、重炭酸の使用、利尿薬、Contraction alkalosis、クエン酸が考えられるが、今回の症例の原因については不明であると。
代謝性アルカローシスの病態
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/95/5/95_5_859/_pdf


この論文で、まずなぜpHを指標にしたのかが謎である。pHの低い高いはアシデミア、アルカレミアであり、アシドーシスやアルカローシスではないし、病態としてAG等を考えてどういうアシドーシス、アルカローシスがあるかを言及しないと、結論が、pHを直せば術後輸血量が減るかもしれないとは言えない。
多変量解析までして、きっと400例近くのデータ集めも大変であったろうに。。。と苦労がしのばれるが、労多くして...
私もやりがちな研究方法であるが、こういうのは良くないと最近わかってきた。