Ratio of Systolic Blood Pressure to Right Atrial Pressure, a Novel Marker to Predict Morbidity and Mortality in Acute Systolic Heart Failure.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28215413
Am J Cardiol. 2017 Apr 1;119(7):1061-1068.
JACCからの論文。
ESCAPE trial のデータを利用した解析
ESCAPE trial自体はPAカテーテルの有用性を評価したRCTで2005年にJAMAに掲載。
PAカテーテルを入れても心不全の予後は悪化も改善もしないという結果に。
対象患者はEF < 30% と重症の心不全の患者(Cre > 3.5の腎機能不全患者は除外)
このESCAPE trialのデータを利用して、sABP/RAPが心不全患者の再入院、死亡リスクの予測として有用か?を調べたのが今回の論文。
結果
sABP/RAP < 11 をカットオフとして、再入院率が高くなる
sABP/RAP < 8 では死亡率が高くなるとの結果となった。
興味深いのがmeanABPやdiastolicABPをパラメータとしてとると関連性は全くなくなるとのこと。systolicが重要な理由が自分の中で納得できないが、sABPしかだめらしい。
opposit results: OPITIMIZE-HF trialではsABPが再入院と関連するとしている。
これに関してはESCAPE trialの患者群はEF < 30%と重症心不全患者のみを対象としているので、心不全患者全体には当てはまらないのではないかとlimitationしている。
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結局のところ、sABP/RAPが低いというのは両心不全がありますよということ
なので、結果としては妥当なことなのだが、周術期でも使えるのだろうか。
使えたとして、TEE以上の情報が得られるのか?
数値として見えやすいというのはいいかもしれないが....