2018/05/06

GDT, especially fluids after cardiac surgery improves the outcome


CCMの2016年の論文。 ブラジルから

Effect of Perioperative Goal-Directed Hemodynamic Resuscitation Therapy on Outcomes Following Cardiac Surgery: A Randomized Clinical Trial and Systematic Review.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26646462
Crit Care Med. 2016 Apr;44(4):724-33.

心臓手術後の管理にGoal Directed Therapyは有用であるか?のRCT
心臓手術後の管理にGoal Directed Therapyを用いた方が、術後30日合併症率が減った。
特に感染症、Low output syndrome(LOS)が減少したと。

1) Overview
study design: RCT 
patients:  62 vs 64  
  EUROScore > 6 or EF < 50 or acute MI < 14 days を対象とした。
 Stage 5以上のCKD、肺高血圧、心臓移植、緊急手術、解離手術は除外
 (ほとんどの患者がCABG もしくは弁置換)
primary outcome 30日死亡率
secondary outcome 30日合併症

2) GDTの方法
CPB離脱からLiDCOを使用してCOを評価する。 CI > 3.0を目指す。
SVI < 35であれば外液を250ml輸液、それでもCI < 3.0であればDOBを開始。
さらにRBCはHt > 28となるように輸血

3) 結果
GDT群ではCI 2.3がICU入室後8時間以内に到達していた。
GDT群の方が輸液量が多かった 1000 vs 500 ml/8h 
カテコラミン量、輸血量については差を認めなかった。
GDT群で感染、LOS、頻脈の発生は少なかった。
ノルアドレナリンの使用はGDT群では0であり、有意差があった。

しかし8時間で輸液1000mlは少ないと感じる。1時間あたり120ml/hである。
これはドレーンや尿量は差し引いてのことなのか?論文からは不明。


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輸液を絞ってノルアドレナリンを使用するややhypoな管理をした方が予後が良いという風潮(?流行?)があったが、それに反するような論文で面白かった。
とは言っても、GDT群でも輸液量が少ないと感じる。
(結構私の施設は輸液を入れているということなのだが...)

感染が減少した理由として、脾臓の血流不全、腸管の血流不全がBacterial translocationを引き起こすため、輸液が少ない従来群で感染が増えるのでは?という考察が面白い。

ICUで脾臓の血流を定量的にエコー評価できたら、それを見ながら感染予防ができるのか?
これ関連の論文も読んでみよう。