2018/05/24
Cardiac arrest in the operating room
手術室でのCPAについてのreviewがA&Aの2017年に載っていた。
Cardiac Arrest in the Operating Room: Resuscitation and Management for the Anesthesiologist: Part 1.
Anesth Analg. 2018 Mar;126(3):876-888.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29135598
手術室のCPAの原因は他の場所とは異なる。
手術室でのcommon causes
・neuraxial anesthesiaでのT1-T4がブロックされたことによる徐脈
・換気挿管困難における低酸素
・大量出血
死亡リスクの高い患者:高齢、ASAPSが高い、汚染された傷がある、手術前のdependency(何に対するdependencyなのかわからず)
米国のNational anesthesia registryでは麻酔に関連するCPAは5.6/10,000 cases
(推定よりも少ないとのこと)
致死性不整脈の中で心静止が最も死亡率が高いが、周術期はこの割合が30-80%と高い。
(手術室外の場所では10%)
麻酔科医に対する調査では麻酔科医のCPAに対する知識不足が報告されている。
そして麻酔科医あCPAを起こさない努力をすべき。
Left ventricular shockの対応
1) hypotensive?
--> if yes give O2, decrease PEEP
check CVP Systolic pressure validation(SPV) Pulse pressure varidation(PPV)
2) CVP < 12? SPV/PPV > 12?
--> fluid or RBC
3) LV poor contractility?
--> DOB and/or Epinephrine
4) still shock?
--> if vasoldilated, vasopressin, Norepinephrine
5) diastolic dysfunction?
--> if yes, milrinone, if no, IABP or ECMO
Right ventricular shockの対応も載っているが、SPV/PPVの評価がSvO2 < 65 に変わった
CPAにおけるCPR
挿管されている患者がほとんであるが、換気はlow tidal volumeにすること。
特に換気回数は10以下が良い。SpO2 90で許容する。
周術期のCPR時間を45分以上とすることで蘇生率は上がる
ペーシングをつけることや挿管することに時間をかけて胸骨圧迫を遅らせてはいけない。
2018/05/14
The best blood pressure management during CPB
Circulationより。 CPB中の灌流圧がstroke eventを下げるか?
http://circ.ahajournals.org/content/137/17/1770結果はnegative dataだった。
2018/05/06
GDT, especially fluids after cardiac surgery improves the outcome
CCMの2016年の論文。 ブラジルから
Effect of Perioperative Goal-Directed Hemodynamic Resuscitation Therapy on Outcomes Following Cardiac Surgery: A Randomized Clinical Trial and Systematic Review.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26646462
Crit Care Med. 2016 Apr;44(4):724-33.
心臓手術後の管理にGoal Directed Therapyは有用であるか?のRCT
心臓手術後の管理にGoal Directed Therapyを用いた方が、術後30日合併症率が減った。
特に感染症、Low output syndrome(LOS)が減少したと。
1) Overview
study design: RCT
patients: 62 vs 64
EUROScore > 6 or EF < 50 or acute MI < 14 days を対象とした。
Stage 5以上のCKD、肺高血圧、心臓移植、緊急手術、解離手術は除外
(ほとんどの患者がCABG もしくは弁置換)
primary outcome 30日死亡率
secondary outcome 30日合併症
2) GDTの方法
CPB離脱からLiDCOを使用してCOを評価する。 CI > 3.0を目指す。
SVI < 35であれば外液を250ml輸液、それでもCI < 3.0であればDOBを開始。
さらにRBCはHt > 28となるように輸血
3) 結果
GDT群ではCI 2.3がICU入室後8時間以内に到達していた。
GDT群の方が輸液量が多かった 1000 vs 500 ml/8h
カテコラミン量、輸血量については差を認めなかった。
GDT群で感染、LOS、頻脈の発生は少なかった。
ノルアドレナリンの使用はGDT群では0であり、有意差があった。
しかし8時間で輸液1000mlは少ないと感じる。1時間あたり120ml/hである。
これはドレーンや尿量は差し引いてのことなのか?論文からは不明。
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輸液を絞ってノルアドレナリンを使用するややhypoな管理をした方が予後が良いという風潮(?流行?)があったが、それに反するような論文で面白かった。
とは言っても、GDT群でも輸液量が少ないと感じる。
(結構私の施設は輸液を入れているということなのだが...)
感染が減少した理由として、脾臓の血流不全、腸管の血流不全がBacterial translocationを引き起こすため、輸液が少ない従来群で感染が増えるのでは?という考察が面白い。
ICUで脾臓の血流を定量的にエコー評価できたら、それを見ながら感染予防ができるのか?
これ関連の論文も読んでみよう。
2018/05/04
sABP/RAP ratio predicts morbidity and mortality among patients with HF
Ratio of Systolic Blood Pressure to Right Atrial Pressure, a Novel Marker to Predict Morbidity and Mortality in Acute Systolic Heart Failure.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28215413
Am J Cardiol. 2017 Apr 1;119(7):1061-1068.
JACCからの論文。
ESCAPE trial のデータを利用した解析
ESCAPE trial自体はPAカテーテルの有用性を評価したRCTで2005年にJAMAに掲載。
PAカテーテルを入れても心不全の予後は悪化も改善もしないという結果に。
対象患者はEF < 30% と重症の心不全の患者(Cre > 3.5の腎機能不全患者は除外)
このESCAPE trialのデータを利用して、sABP/RAPが心不全患者の再入院、死亡リスクの予測として有用か?を調べたのが今回の論文。
結果
sABP/RAP < 11 をカットオフとして、再入院率が高くなる
sABP/RAP < 8 では死亡率が高くなるとの結果となった。
興味深いのがmeanABPやdiastolicABPをパラメータとしてとると関連性は全くなくなるとのこと。systolicが重要な理由が自分の中で納得できないが、sABPしかだめらしい。
opposit results: OPITIMIZE-HF trialではsABPが再入院と関連するとしている。
これに関してはESCAPE trialの患者群はEF < 30%と重症心不全患者のみを対象としているので、心不全患者全体には当てはまらないのではないかとlimitationしている。
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結局のところ、sABP/RAPが低いというのは両心不全がありますよということ
なので、結果としては妥当なことなのだが、周術期でも使えるのだろうか。
使えたとして、TEE以上の情報が得られるのか?
数値として見えやすいというのはいいかもしれないが....
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