2017/08/20

TAVIの麻酔方法の調査


TAVIの麻酔方法について、北アメリカと欧州諸国の方法を後ろ向きに調査。
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2013 Feb;27(1):46-9
Anesthesia for transfemoral aortic valve replacement in North America and Europe.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23036626

北アメリカの62施設での麻酔方法
 全身麻酔 59施設
 鎮静のみ 3施設
 鎮静のみの3施設では、2施設はlight sedation でTTE、1施設はdeep sedationでTEE使用。
 また鎮静をおこなった患者の10%が全身麻酔に移行しているが、1-2時間以内に抜管と
 なっている。

欧州の20施設での麻酔方法
 全身麻酔 6施設
 鎮静のみ 12施設
 のこる2施設は1施設が局所麻酔のみで鎮静なし、もう1施設は麻酔科医が
 関与していない施設と。

CEAでは全身麻酔と局所麻酔+鎮静で術後合併症は死亡率に差はなかったとの結論となった。TAVIにおいても、鎮静のみの麻酔は全身麻酔と比較してカテコラミンの使用量が少なく押さえられる等のメリットがあり、今後注意深く比較する必要がある。
鎮静のみの麻酔においては7-20%は全身麻酔に移行するとの報告がある。またTAVI
においてはTEEが治療診断に重要であるが、鎮静下でのTEEは咽頭反射や誤嚥のリスクといった問題をもつ。また鎮静レベルが深すぎると、呼吸停止による低酸素を招く。
全身麻酔ではよりよい術環境(体動がないことなど)が得られるが血管拡張しやすくカテコラミンの必要量が多い。

文化的な違いもあるのかもしれない。
日本ではどうだろうか。 
一度調査してみたい。