Kounis 症候群
アレルギー反応から冠動脈狭窄をきたし、重症では心筋梗塞および心停止となる症候群。
病態として、冠動脈に存在する肥満細胞に対して、アレルギー反応により脱顆粒が起こる。この結果ヒスタミンが強い血管収縮を起こし、さらにもともと存在したplaqueにびらんが形成されてplaque破綻を起こすというもの。
1991年に初めて報告された。
type 1 もともとCADを持たない患者で冠動脈攣縮が起こった状態
type 2 CADを有する患者の冠動脈攣縮およびplaque破綻。
type 3 ステント留置された患者のステント内血栓誘発による冠動脈閉塞
治療として確立されたものはなく、ACSの治療に準じる。
周術期の報告が多い。
シプロフロキサシンによるアレルギー反応後のKounis 症候群の報告
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27865673
アンピシリン/スルバクタムによるアレルギー反応後の報告 10分後に起きている。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27872436
たこつぼとの鑑別にKounisも行おうとするcomment
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27842950
ここ数日のアメリカの政治に衝撃を受けている。
先制攻撃で相手を面食らわしてビジネスを行うというのが、もともとの彼のビジネススタイルだったというが、これが国際社会でも通用すると思っているのだろうか。
2017/01/29
帝王切開の昇圧でNorepineohrineを使用するか?
Anesthesiology 2015 に乗っていた論文 香港から。
Randomized double-blinded comparison of norepinephrine and phenylephrine for maintenance of blood pressure during spinal anesthesia for cesarean delivery.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25635593
Anesthesiology. 2015 Apr;122(4):736-45.
C/Sで spinal を行った際の血圧低下に対しては、ネオシネジン(フェニレフリン)を使用することが推奨されているが、反応性の徐脈およびそれにともなうCOの低下を認めることがある。ノルアドレナリンを使用することで、この徐脈とCO低下を抑制できるのではないか?という仮説のもの、フェニレフリンとノルアドレナリン(NAD)とのRCTを実施。
患者は104人のASA 1.2 の妊産婦 体重 50-100kgであること、身長140-180cmであることとした。血圧は非観血で児娩出まで1分ごとに、COについては suprasternal Dopplerを使用して5分ごとに測定。
投与濃度は以下とした。
フェニレフリン濃度 0.1mg/ml
ノルアドレナリン濃度 0.005mg/ml 力価が20倍であるとの論文より算出
結果、HRはNAD群の方が高く、COもNAD群の方が高かった。SVRはフェニレフリン群の方が高かった。臍帯血のガス分析結果では、NAD群でGluが高かったが、薬剤の血中濃度には差を認めなかった。
NADの方がβに対するアゴニストもあるため、HRも維持でき、COもkeepできる。
胎盤も通過せず、ネオシネジンよりもいいとのこと。
しかし、末梢からNADを投与するのはみんな抵抗があるのだろうか。
薄い量であれば、最近抵抗がないが、C/Sでルーチンに使用するには敷居が高い。
心疾患を持っている妊婦さんであれば、フェニレフリンよりもNADの方がいいかもしれない。
2017/01/15
CABGでのトランサミン
NEJMより。CABGでのトランサミンの効果および弊害についての研究論文。
多国他施設共同研究。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27774838
n = 4632で、CABGを受ける患者に対して、トランサミン vs プラセボの割り付けを行ったRCT
血栓性の合併症イベントは増えず、輸血量、および出血による再手術の頻度は減少した。
手術の内訳では、96-97%がon pump CABGで行われている。
やはり日本は特殊なのかもしれない。
OPCABGでも同じ結果となるだろうか。
2016年 NEJMの周術期アスピリン内服継続に関する論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26933848
登録:
投稿 (Atom)