2016/08/02
TAVIの予後とvon Willebrand因子
NEJMから。フランスでの研究
Von Willebrand Factor Multimers during Transcatheter Aortic-Valve Replacement.
N Engl J Med. 2016 Jul 28;375(4):335-44. doi: 10.1056/NEJMoa1505643.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1505643
183人のTAVI(=TAVR)をうけた患者でHMW multimerとCT-ADP(これはポイントオブケアで測れるらしい)を計測したところ、術後のARが残存した患者ではCT-ADPの値が低下しなかった。また術中の値のカットオフ値を180としたところ、180以上の患者でのAR発見の感度は92.3 特異度は92.8であった。またCT-ADPの値と1年死亡率は相関があった。
背景として、TAVIの患者で術後ARが残存していると予後が悪いことは知られている。
よってこのARをいかに残さずに治療をおえるかが重要であるが、造影シネやエコーでもARを完全に見つけられるわけではない(そうなんかな?)
von Willebrand因子の多量体はARがあると低下する(ジェットによって細断されてしまうため)ことがしられているが、ARの改善によって分単位での増加が認められている(ここがこの論文で一番驚いた)。よってこのvon Willebrand因子の多量体の変化をとらえることがARの発見および改善の評価につかえるのではないかというのがこの論文。
そのためのCT-ADPというポイントオブケアの測定値を使用している。
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統計はcohortで primary cohortとvalidation cohortを行っている。今日読んだ他の論文でもこの手法が取られていた。cohort研究をする場合は必ずこのvalidation cohort、検証コホートが必要なんだろうか。 勉強してみよう。