2016/07/06

The future of Cardiovascular surgery


Circulation に心臓血管外科手術分野の今後についてのreview articleが載っていた。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27324365

1) 虚血性心疾患
インターベンションで直すか、手術によるかは技術の進歩とともに流動的である。
ハイリスクの患者はますますハイブリッド室で循環器内科と心臓血管外科が協力して行うことになるだろうと。
2) 弁疾患
TAVIの全盛期に入るだろうと。弁の耐久性が今後問題となるが、自己幹細胞を用いた弁作成の研究が進んでいる。臨床応用まで数年から十数年かもしれない。
中枢神経合併症の予防が今後のTAVIの課題である。またM弁、T弁に対するカテーテル治療については現在臨床での治療が始まっている国もあり、今後拡大するだろう。
生体弁を手術で挿入した若年患者の再置換においてもTAVIが主流となるかもしれない。
このTAVIの出現で最も大きく変わったことはハートチームの形成である。
心臓外科医と循環器内科医はともに協力して治療にあたる必要がでてきた。
3) 移植および補助人工心臓
心臓移植ではドナー心の移植までの待機時間は5時間程度であったが、現在新しい移植法の研究がなされており、ドナーから摘出した心臓を灌流させてbeating状態をある一定保ったあとに再度arrestさせて移植する方法が検討されている。この方法であれば、より長時間の移送が可能となるほか、低灌流などでダメージを受けた心臓を治療した後に移植できるかもしれない。
補助人工心臓についても技術進歩が著しい。今後DTがより増加するだろうと。また今後の課題はバッテリの問題である。ドライブラインは感染症の最たる箇所であり、ドライブラインのないVADの開発が待たれる。

あとおまけのように心房性不整脈の外科的治療とMICSについての話が載っていた。

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心臓血管外科に限らず、時代は低侵襲へと移っている。
そして低侵襲手術は手術時間が長い... (これは私だけが思っていることだろうか)