2016/02/28

ICU患者に対する持続フロセミドは有効か?

やや古い議論な気もするが、一昨日のICU勤務中にいろいろと考えさせられた。

フロセミドは水を出す以外に腎保護作用はないと信じていたのだが、静脈系の
うっ血を取ることで腎機能改善させる効果もあるらしい。
術後にrefillingがきた患者でAKIになったらvolume入れるのではなく、
フロセミドで水を引くっていうのも一つの手かもしれない。
もちろんうっ血していたらの話だが。

しかし、2011年にNEJMにでたDOSE trialでは、心不全患者におけるフロセミドの有用性は
持続でもボーラスでもないという結論となった。
しかし高容量投与群では、呼吸困難感の解除と体重減少に優れていた。
一時的に腎機能は悪化させても体液量を減少させることで自覚症状は減るのだが、予後は変わらない。
となると、高容量'(通常の2.5倍)にした方が一時的にはいいかもしれない。
Diuretic strategies in patients with acute decompensated heart failure.
N Engl J Med. 2011 Mar 3;364(9):797-805.

2014年に心不全患者に対するフロセミドのメタアナリシスが出たが、これも投与については効果を認めないとの結論。
Loop diuretic strategies in patients with acute decompensated heart failure: a meta-analysis of randomized controlled trials.
J Crit Care. 2014 Feb;29(1):2-9. 


それでも、ICUやCCUではラシックスは使い続けられる薬なんだろうけど。