第一三共さんが、日本でも発売できないかと努力してくださっているみたいだが。
1) 投与量の違い
iv po po:iv duration of action(hr)
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morphine 10mg 30mg 3:1 3-4hr
hydromorphone 1.5mg 7.5mg 5:1 2-3hr
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BJAからのメタアナリシスでは、モルヒネに比べて鎮痛効果が高いとの結論がでていた。
しかし副作用については差はないようだ。
2) アメリカでの動向、使用感
米国で2010年から2013年においてモルヒネとhydromorphoneの使用状況についての大規模後ろ向きstudy。2011年から周術期においてはモルヒネに比較してhydromorphoneのほうが使用頻度が上回った。使いやすいということだろう。
しかしhydromorphoneのほうが、レスキューの使用頻度が高く、30日以内の再入院率が高かった。そしてわずかではあるが、モルヒネ使用群の患者のほうが、よりsickな状態であった。つまり印象としてhydromorphone「キレがいい」薬で、状態がいい人に向いている。
3) 腎機能低下時の差
腎機能低下時の術後鎮痛についてのreviewより
モルヒネの代謝産物はmorphine-3-glucuronide (M3G)とmorphine-6-glucuronide (M6G)で、腎機能低下ではM6Gが蓄積されて効果を遷延させる。
hydromorphoneの代謝産物はhydromorphone-3-glucoronide (H3G)のみで、M6Gはつくられない。しかしH3GはM3Gと同じように神経毒性をもち、腎機能低下例ではその濃度は100倍にもなるので注意が必要と。
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日本でもそのうち発売になるのだろうか。そもそもモルヒネの使用が減っているから
差し迫った切迫感はないが…