2014/02/19

小児の輸血管理


Transfusion in critically ill children: indications, risks, and challenges.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24534955
Crit Care Med. 2014 Mar;42(3):675-90.


明日大学で読もう。

2014/02/17

2011 Blood conservation guideline by SCA

まず blood conservationをどう訳せばいいのか困った。輸血回避だけでもないし、血液保存とか、維持だとよくわからない。
訳ってむつかしい。

http://www.annalsthoracicsurgery.org/article/S0003-4975(10)02888-2/fulltext


【術前治療介入】
・P2Y12受容体阻害薬(チクロピジン&クロピドグレル)は可能であれば冠動脈再建術の前に中止すべきである。薬剤中止と手術までの間隔は薬剤動態によるが、少なくとも3日は休薬すべきである(IB)。
・Point of care試験で血小板のADP受容体の反応性を調べることで、早期に冠動脈再建を行うべきクロピドグレル無効患者を認識できる。これらの患者はクロピドグレル休薬後の待機時間を必要としない(IIbC)。
・CABG術後早期にルーチンにP2Y12阻害薬にアスピリンを追加することは再検査や再手術のリスクを増やす。ACC/AHAのガイドラインで二重抗血小板薬治療が推奨されている患者を除いて、アスピリンの追加を有効とするエビデンスはない。(ACC/AHAで膵症されている患者:ACSを呈している患者、DESを挿入した患者)(IIIB)
・術前に貧血のある患者やエホバの証人のような輸血を拒否する場合、術中に貧血となるリスクが高い患者では、心臓手術前の数日間に鉄とエリスロポエチンを投与してもよい。しかし慢性的なエリスロポエチンは腎不全患者での血栓性心血管イベントを増加させるあため、そのようなイベントのリスクのある患者では投与に注意を要する(IIaB)。
・遺伝子組み換えヒトエリスロポエチンは術前の自己血貯留を行った患者の赤血球を開腹させる。しかしこの製剤について心臓手術をうける患者を対象とした大規模な安全検証試験はなされていないので、血栓性心血管イベントのリスクとのバランスを考慮するべきである(IIbA)。

【術中に使用する薬剤】
・リシンアナログ(εアミノカプロン酸、トラネキサム酸)は出血量を減少させ、輸血を必要とする患者の数を減らす(IA)。
・高用量(600万KIU)、低用量(100万KIU)のアプロチニンは輸血を必要とする患者の数、全出血量、再検査率を共に減らすがリスクが利益を上回るためルーチンの血液保護療法として推奨されない。高用量のアプロチニン投与は30日死亡率を49%から53%に上昇させ、腎障害のリスクを47%増加させる。小児を含む若年者ではこのようなデータは存在しない(IIIA)。

【血液管理の手段】
・血小板輸血は多数もしくは単一の凝固因子が欠損している重症出血患者で安全な分画製剤が使用できないときに有効である(IIaB)。
・緊急のワーファリンリバースのためにPCC投与が望ましい。しかしPCC内に充分なVII因子がない場合は血漿輸血はが望ましい(IIaB)。
・相当な量の濃厚赤血球輸血を必要とする出血患者では大量輸血アルゴリズムに従って血漿輸血を行う(IIbB)。
・凝固障害がない心臓手術で予防的な血漿津血は勧められない。出血を減少させることはないし患者を同種血津血することで不必要なリスクにさらすことになる(IIIA)。
・血小板は出血していないワーファリンリバースには使用すべきでない(IIIA)
・XIII因子の使用はCPBを必要とする心臓手術後のclotを安定化させるために検討する(IIbC)。
・同種血輸血が必要な場合は白血球除去血が望ましい。白血球除去による恩恵は心臓手術患者ではより大きい(IIaB)
・十分な量の血小板が用意できるのであれば、術中の血小板・血漿交換はハイリスク患者に対する対処方法の1つである血液維持の戦略として妥当である(IIaA)。
・遺伝子組換VII因子はCPBを使用する心臓手術後のルーチン輸血・輸液療法に反応しない非手術性出血の管理として考慮する(IIbB)
・AT IIIはCPB前、ヘパリン抵抗性をもつ患者に対して血小板輸血量を減らす目的で導入する(IA)。
・AT IIIの投与はAT III欠損している高リスク患者や宗教上の理由から輸血を拒否している患者の集学的血液管理プロトコルとして確立したものではない(IIbC)。
・XI因子、もしくはXI因子を含む凝固因子複合体はヘモフィリアB患者や宗教上の理由で輸血を拒否している患者が心臓手術を受ける場合に考慮する(IIbC)

【血液回収方法】
・CPBを必要とする悪性疾患の患者でも、術野からの回収血液濃縮方法は考慮する。いくつかのデータが悪性疾患のない患者でのこの方法の有用性を支持しており、新しいエビデンスが悪性疾患の患者での同種血輸血による予後悪化を示している(IIbB)。
・ポンプで回収された血液を直接かえすのではなく遠心分離することはCPB後の同種血輸血を最小限にするため妥当である(IIaA)

【低侵襲手術】
・下降大動脈病変に対汁TEVARは出血と輸血を減らすことができるため、患者を選んで行うべきである(IB)
・OPCABGは血液維持のために望ましく、またon pump CABGに変更することはまれで、グラフト閉塞のリスクの増加はリスクとベネフィットを考慮して考えるべきである(IIaA)

【CPB管理】
・マイクロプレジアのルーチンでの使用は多様な血液維持方法の1つとして心保護液の用量を最小限にできるため考慮する。とくにうっ血性心不全のようにvolume過多であると考えられる場合に考慮する。
・HITをもつECMO導入患者では代替となる高凝固療法としてダナパロイドや直接トロンビン阻害薬を使用するべきである(IC)。
・ミニ回路(CPB回路を最小限にすることでプライム量をへらすことができる回路)は血液希釈を減らすので、血液維持のために有益である。とくに血液希釈による副作用が高い患者(小児やエホバの証人)では導入を検討する(IA)。
・陰圧吸引補助脱血法をミニ回路の併用は出血および輸血量を減らすために有効である(IIbC)。
・biocompatible CPBは輸血回避・血液維持法の1つとして考慮する。
・調整限外ろ過はCPBを使用した小児、成人の心臓手術の術後の出血を減少させる(IA)。
・ゼロバランスの限外ろ過(除水 0)のメリットは輸血回避・血液維持の観点からは確立していない(IIbA)。
・CPB回路に有効な白血球フィルタを設置することは周術期血液維持の観点から勧められず、CPB中に白血球が活性化するため使用すべきではない(IIIB)
【局所止血薬】
・局所圧迫や創部のシーリングといった局所止血方法は局所循環をもたらすため行うべきである(IIbC)
・抗線溶薬をCPB後の術野で使用することで、CPBを使用する心臓手術術後の輸血量をへらしチェストドレナージを制限するために有益である(IIaB)



2014/02/15

Occupational asthma

NEJMより

喘息をもつ労働者の25%は職業性喘息(Occupational asthma)とされている。

職業性喘息の定義
職場での刺激物(sensitizer)によって引き起こされる喘息
 高分子:動物性アレルゲン、植物、ラテックス、穀物、黴、酵素、
 低分子:Diisocyanate、無水石膏、アクリル酸、おがくず、白金塩、抗生物質など

発症形式
New onset : 高濃度の暴露を受けた場合におこる
ワールドトレードセンターの崩壊後の粉塵で高濃度に暴露された集団の16%が喘息となり、9年間の追跡調査では内36%に改善をみた。 
Not-so-sudden asthma:低濃度の刺激物質に長時間暴露された結果おこる。
報告は少ない。

疫学
暴露による発症率は10%。低分子の方が発症は少ない。
毎年100万人あたり250-300症例の発症がある計算となる。
成人発症の喘息の16%が職業性喘息である。
より暴露されている集団の方が発症しやすい。

診断
暴露によって発症するが、暴露後の発症は数週から数年まで様々である。鼻炎と下気道症状を伴うことが多い。暴露物質と喘息の関連を調べる検査方法は様々あるが、どのテストも制限があり、複合的に判断するしかない。
喘息症状があり、吸入刺激テストの結果が(+)であれば職業性喘息の診断となる。

治療
治療は予防でもあり、暴露をさけることが最も重要である。暴露をさけるために症状の早期発見と隔離を行う必要がある。

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職業性喘息というと、労働組合等が「保証!賠償!」と叫ぶようなイメージを持ってしまうが、労働という概念にとらわれず、人が長い間あるものに暴露され続けると(自発的であっても)免疫系等がそれを異物をとらえ始めるというのは興味深い。
Labにこもって実験ばかりしているとマウスアレルギーになる。医療関係者でラテックスアレルギーが増える。

この前、この職業性喘息になり、ステロイドを長年に渡り内服して骨が痛む患者さんをみた。せめて治療が副作用を及ぼさないようにしていきたい。




2014/02/12

CPRと脳死ドナー



An under-recognized benefit of cardiopulmonary resuscitation: organtransplantation.
Crit Care Med. 2013 Dec;41(12):2794-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23949474

CPRについての研究は数多いがOutcomeとして脳死ドナーおよび臓器提供者になる可能性という評価がされることはほとんどない。
1999年から2011年年までの臓器移植症例を検討したところ、少なくとも1000症例がCPR後の脳死ドナーから臓器提供を受けていた。臓器提供はCPRのあまり報告されない有益な結果の1つである。
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複雑な話だ。「CPRが臓器提供ドナーとなることを目的にしているのか?」の問いには100%"No"でなければならないが、実際それをunrecognized benefitと言ってよいのだろうか。 
アメリカだからこその論文か、日本でこの論文書いたらひどいバッシングを受けるだろう。

Outcomes of patients ventilated with synchronized intermittent mandatory ventilation with pressure support: a comparative propensity score study.
Chest. 2010 Jun;137(6):1265-77.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20022967

SIMV + PSは何のメリットもないよ〜という話。weaningに使用するのは良くないのは明らかになってますが、普通に初回からルーチンに使用するのも良くないらしい。
それでもけっこうSIMV使われている。
私の前の病院でもほぼ90%以上がSIMVモードで管理されていた。直したい。


2014/02/04

blood transfusion

must read

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23706801

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24482391

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autologous blood transfusion
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21382045