Critical care management of patients following aneurysmal subarachnoid hemorrhage: recommendations from the Neurocritical Care Society's Multidisciplinary Consensus Conference.
Neurocrit Care. 2011 Sep;15(2):211-40. doi: 10.1007/s12028-011-9605-9.
SAHの治療管理についてはこの10年でかなりかわってきたらしい。
ガイドラインではないが、学会からのrecommendationが2011年にでていた。
ポイントは、vasospasmをいかに予防するか(というか、多かれ少なかれspasmは起きるがそれをischemiaにしないかが重要)と。
DCI(delayed cerebral ischemia 遅発性脳梗塞)
.
【再出血の予防管理】
・動脈瘤の治療は再出血をさけるために早期に行うべき
・治療前の抗線溶療法は短期間であれば考慮してもよい
・抗線溶療法を長期間(48時間以上)続けることは再出血のリスクは減らすが副作用(脳梗塞)のリスクが増大するため、さけるべきである。
・血栓症のリスクの高い患者では抗線溶療法は禁忌である。
・抗線溶療法をおこなう患者ではDVTをスクリーニングすべきである。
・抗線溶療法は動脈瘤の血管内治療を行う2時間前には中止すべきである。
・CTAやDSAが使える場合はCTAを優先的に撮影したほうがよい。
・極度の高血圧は動脈瘤の治療前には下げるベきであるが、平均血圧 < 110であれば治療の必要はない。低血圧はさけるべきである。
【けいれんの予防】
・SAHでは1-7%でけいれんがおきる。
・ルーチンでの抗痙攣薬の投与は推奨されない。(とくにフェニトインはよくない)
・もし抗痙攣薬を使用するとすれば3-7日の短期間が推奨される。
・痙攣をおこしてしまった患者では抗痙攣薬を状況に応じて続けるべきである。
その後痙攣がおこらなければ、3-6ヶ月で中止するべきである。
・持続的脳波の測定は神経学的改善のない重症SAHで考慮してもよい。(全例に行う意味はない)
【心肺の合併症と予防】
・SAHでは35%で不整脈がおこり、トロポニンTが上昇する。
・たこつぼ型心筋症、肺水腫がおきやすく、注意深いモニタリングを行う必要がある。
・COのモニタリングは役に立つかもしれない。
・肺水腫が起きた場合は過剰な輸液をさけてeuvolemiaに保つ。利尿薬の使用も検討。
【循環モニタリング】
・volumeのモニタリングは重要である。
・血管内volumeを評価することが第一となるが、特にディバイスとして推奨するものはない。
・volumeのモニタリング目的のみにCV挿入、SG挿入することは推奨されない
【循環管理】
・血管内volumeはeuvolemiaに保つべきである。脱水予防のための予防的輸液は行うべきではない。
・等張晶質液が望ましい。
・輸液を行ってもバランスがマイナスになる場合はフルドロコルチゾン、ハイドロコルチゾンを考慮する。
【血糖コントロール】
・高血糖、低血糖ともにvasospasmのリスクを上げる。
・血糖値は 80-200の間で調節する。
【体温管理】
・高熱は脳の酸素需要を増加させるため、体温のモニタリングを頻回におこなうべきである。
・DCIのリスクが高い時期にはとくに体温のモニタリングを行うべきである。虚血のリスクと相関する。
・アセトアミノフェンやNSAIDsは効果は弱いが、1st lineの薬剤として控除すべき。
・体表のクーリング、血管内冷却は体温が下がらない場合は行うべきである。
・冷却時にはシバリングに注意すべきである。
【DVTの予防】
・すべてSAH患者でDVTの予防治療は行われるべきである。
・連続圧迫装置はすべての患者で使用されるべきである。
・予防目的のヘパリン、低分子ヘパリンの使用は未治療動脈瘤や手術が予定されている患者ではさけるべきである。
・ヘパリンは手術後24時間から開始できる。
・ヘパリンと、低分子ヘパリンは血管内治療の前後24時間以内は使用すべきではない。
・DVT予防薬の投与期間は決まっていないが、患者のADLをもとに判断する。
【スタチン】
・予防目的のヘパリン、低分子ヘパリンの使用は未治療動脈瘤や手術が予定されている患者ではさけるべきである。
・ヘパリンは手術後24時間から開始できる。
・ヘパリンと、低分子ヘパリンは血管内治療の前後24時間以内は使用すべきではない。
・DVT予防薬の投与期間は決まっていないが、患者のADLをもとに判断する。
【スタチン】
・MI、脳卒中を起こした患者がもともとスタチンを飲んでいた場合は飲み続けるべきである。
・スタチンを飲んでいなかった患者でスタチンを開始することが、DCIを減らすかについては、現在研究段階である。
【マグネシウム】
・高Mgにすることは勧められない。現在RCT中。
・低Mgはさけるべきである。
【DCIの予防】
・DCIの定義:LabDataや電解質等の異常では説明できない1時間以上継続する神経学的悪化。
・神経学的悪化所見を注意深くモニタリングすべきである。
・ニモジピン( 60mgを4時間ごとにpo)をSAH発症後、21日間投与するべきである。
ところが日本では未承認。
・。。。
(脳外科の専門的な話が続く)
【DCI発症時の循環管理】
・スタチンを飲んでいなかった患者でスタチンを開始することが、DCIを減らすかについては、現在研究段階である。
【マグネシウム】
・高Mgにすることは勧められない。現在RCT中。
・低Mgはさけるべきである。
【DCIの予防】
・DCIの定義:LabDataや電解質等の異常では説明できない1時間以上継続する神経学的悪化。
・神経学的悪化所見を注意深くモニタリングすべきである。
・ニモジピン( 60mgを4時間ごとにpo)をSAH発症後、21日間投与するべきである。
ところが日本では未承認。
・。。。
(脳外科の専門的な話が続く)
【DCI発症時の循環管理】
・いままで言われていたtriple Hはそれほど効果がなく、エビデンスレベルも低い。
・euvolemiaを保つべきである。
・虚血領域の血流を保つためには生食のボーラスを考慮する。
・DCIが疑われる患者では高血圧に保つようにする。
・昇圧薬の選択についてはその薬剤のもつ特性によって使い分ける。
・ニモジピンによる低血圧が起きた場合は用量を減らして頻回投与とする。
・euvolemiaを保つべきである。
・虚血領域の血流を保つためには生食のボーラスを考慮する。
・DCIが疑われる患者では高血圧に保つようにする。
・昇圧薬の選択についてはその薬剤のもつ特性によって使い分ける。
・ニモジピンによる低血圧が起きた場合は用量を減らして頻回投与とする。
・血圧維持が昇圧薬で改善しない場合は強心薬を考慮する。
・b2アゴニストをもつ強心薬はMAPをさげるため、より多くの昇圧薬を必要とするかもしれない。
・IABPなどの補助装置も有効かもしれない。
・流動性を改善させるための血液希釈はすべきではない。
【貧血治療】
・通常の輸血基準はSAHの患者にはあてはまらない。
・Hbは 8-10g/dLとやや高めを維持するようにする。
・DCIのリスクのある患者にはより高いHb濃度が望ましい。
【低Naの管理】
・SAH患者では低Naになりやすい。CSWもしくはSIADHのリスク高いため。
・低Naにならないように注意をはらうべき。
・低Naの治療で輸液制限は行わない。
・hydrocortisone、 fludrocortisoneはNa尿、低Naの治療として使用できる。
・やや高い食塩水(3%程度?)は低Naの治療に使用できる。
【その他】
・SAHの患者はhigh volume center(多症例を扱う施設)で治療されるべきである。
・昇圧薬に反応しない患者では視床下部の機能障害を考えるべきである。
・急性期のSAHではステロイドの高用量投与は推奨されない。
・b2アゴニストをもつ強心薬はMAPをさげるため、より多くの昇圧薬を必要とするかもしれない。
・IABPなどの補助装置も有効かもしれない。
・流動性を改善させるための血液希釈はすべきではない。
【貧血治療】
・通常の輸血基準はSAHの患者にはあてはまらない。
・Hbは 8-10g/dLとやや高めを維持するようにする。
・DCIのリスクのある患者にはより高いHb濃度が望ましい。
【低Naの管理】
・SAH患者では低Naになりやすい。CSWもしくはSIADHのリスク高いため。
・低Naにならないように注意をはらうべき。
・低Naの治療で輸液制限は行わない。
・hydrocortisone、 fludrocortisoneはNa尿、低Naの治療として使用できる。
・やや高い食塩水(3%程度?)は低Naの治療に使用できる。
【その他】
・SAHの患者はhigh volume center(多症例を扱う施設)で治療されるべきである。
・昇圧薬に反応しない患者では視床下部の機能障害を考えるべきである。
・急性期のSAHではステロイドの高用量投与は推奨されない。