SSCG2012の元になった論文なのか…
A comparison of epinephrine and norepinephrine in critically ill patients.
Intensive Care Med. 2008 Dec;34(12):2226-34.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18654759
オーストラリアの多施設RCT。
ICUに入室した患者において、エピネフリン(以下E)とノルエピネフリン(NA)を比較したもの。どっちを使うべきかについてのRCTがなく、Eの方がコストが安いことからも使用されることが多かった。
P: 2004年〜2006年にオーストラリアのICUに入院した患者。ただし、心停止、アナフィラキシー、褐色細胞腫、副腎不全患者は除外。636人の患者のうち、280人を2グループに分けて調査。各群140人
I: NAを使用してMAP > 70mmHg もしくは病態によってそれ以上保つ。補液等の他の治療についての制限はなし。
C: Eを使用して同様に行ったグループ
O: 薬剤が不要となるまでの期間、28日死亡率と90日死亡率
結果として薬剤中止となるまでの期間、28日死亡率、90日死亡率ともに差を認めなかった。しかしE群では18人が治療者の判断でRCT介入中止となっている。中止の理由として乳酸アシドーシスの進行、頻脈、目標達成不可能であった。PSVTの発生率等はかわらなかった。乳酸の上昇はE群の方が有意に上昇していたが、だからといって臓器障害が多いという結果ではなかった。
エピネフリン使用における乳酸上昇は解糖系における乳酸増加によるもので、臓器障害の指標を表しているものではないという研究結果もある。
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差はないといわれても、やはり乳酸値が上昇するエピネフリンはなかなか使いたくはないもの。
だいたいカテコラミンは35~50時間くらい(2日間)が平均のようだ。