2013/10/19

Resuscitation Fluids (review)


Resuscitation Fluids
N Engl J Med 2013; 369:1243-1251September 26, 2013DOI: 10.1056/NEJMra1208627

【輸液療法総論】
・1832年にコレラの患者に輸液を行ったら良くなったと報告されたのが輸液療法のはじめ。
・1941年に血液からアルブミンを分離することが可能となり、アルブミン製剤が用いられるように。戦争での熱傷患者に初めて使われた。
・輸液療法は細胞外もしくは細胞内に水分を行き渡らせるものとして分類されてきたが、近年その分類に疑問がもたれている。
・輸液の分配を決定しているのが血管内皮細胞にある糖衣(糖鎖?)であり、炎症などにより内皮細胞がダメージを受けるとこの糖鎖が減少するため、間質に水分が逃げていくようになる。また間質等に逃げた水分の一部はリンパ管などを通じて血管内にもどるが、これは副交感神経で制御されている。

【アルブミン】
・SAFE studyではアルブミンはNSと比較して死亡率・臓器障害に差はなかった。
・しかし頭部外傷の患者ではアルブミン投与群の方が死亡率高く、ICP上昇が関係?と考察
・敗血症の患者では死亡率を減少させた。
・FEAST studyでは子供を対象としてNSとアルブミンのボーラスを行ったが、両群ともボーラス投与しなかった群より48時間死亡率が高かった。原因はcardiovasculae collapse。

【HES】
・最近あまり評価されていないが、ヨーロッパではよく使われている。
・高分子のでんぷんが微小血管にトラップされるので、皮膚の掻痒感や腎障害、肝障害を引き起こす。200kD以上でリスクがあがる。
・手術室ではガイドライン上も使用を進めている。 BJAの記事で。
・敗血症、腎障害では禁忌。CHEST study他、多くの研究で腎障害のリスクありと。

【晶質液】
・NSは高Cl性代謝性アシドーシスのリスクがあり、これにより免疫障害、腎障害が示唆
・高濃度NSでvolumeを減らして効果があるかをみた研究では効果はなかった。
・NSよりbalanced plasma solutionの方が合併症は少なく、腎障害もおきにくいとされている。
・敗血症などでのinitial fluid challenge があるが、入れすぎる輸液は間質の浮腫を増やし、臓器障害につながる。 目標を設定した輸液管理が必要。



NEJM よまなきゃ…と思っていてほったらかしにしていたもの。