2013/05/25

術後嗄声 postoperative hoarsness


1週間以上遷延する嗄声では
1) 半壊神経麻痺
2) 披裂軟骨脱臼
3) 喉頭肉芽腫 

リスク因子として、年齢、手術時間、糖尿病、高血圧

追加で勉強すること。

POVL post operative visual loss

学会メモ

Perioperative visual loss and anesthetic management.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23614957

POVLの分類
ION(PION, AION), RAO,  RVO 
後毛様体動脈は虚血に弱いこと、また低血圧に対して脳はautoregulationが働くが
眼ではこれが障害されやすい。

外からの圧迫による眼圧上昇は網膜中心動脈閉塞症(RAO)を引き起こす。
圧迫の時間は20分でもおこるため、1時間ごとにeye checkを行うべきである。

POVLのリスク因子
男性、長時間手術、 脊椎手術、心臓手術、予期しない大量出血、Wilson frameの使用
 (Wilson frameについて知らなかったが、Google画像検索で解決した)

POVLの予防
圧迫をさける、血圧をさける、Hbの低下をさけ。10度程度 head upする。

無症状POVLは心臓手術の10%程度で発生しているといわれている。

ロボット手術におけるhead downについてもリスクがあるとされているが、データは
でていない。

PRESが術後におこることもあるらしい。一過性なのか?

リスクが高い場合はVEPも有用か?



Pain, Agitation and Delirium management in the ICU

学会メモ

ICUでの鎮痛・鎮静ガイドライン 2013に改訂。


Clinical practice guidelines for the management of pain, agitation, and delirium in adult patients in the intensive care unit. 
Barr J, Fraser GL, Puntillo K, Ely EW, Gélinas C, Dasta JF, Davidson JE, Devlin JW, Kress JP, Joffe AM, Coursin DB, Herr DL, Tung A, Robinson BR, Fontaine DK, Ramsay MA, Riker RR, Sessler CN, Pun B, Skrobik Y, Jaeschke R; American College of Critical Care Medicine.
Crit Care Med. 2013 Jan;41(1):263-306. doi: 10.1097/CCM.0b013e3182783b72. Review. PubMed PMID: 23269131.


日本でもガイドライン作ろうと。(日本で承認されていない薬などもあるため)
基本コンセプトは 「まず鎮痛」 = analgesia fitst
鎮静に関してはプロポフォール、ミタゾラム、デクスメデトミジン
デクスメデトミジンは24時間規制がとれて使いやすくなった。

せん妄は予防できるか?
まずせん妄を評価する必要がある。 評価ツールとしてはCAM-ICUやICDSCが広く利用されている。
CAM-ICUやICDSCのリスト↓
http://www.surgicalcriticalcare.net/Guidelines/delirium_2011.pdf

せん妄のリスク因子には認知症、高血圧、アルコール飲酒歴、疾患重症度があるが、年齢については確定していない。

2013/05/12

pre-eclampsiaでもEpi + Spinal で帝王切開


Low-dose combined spinal-epidural anaesthesia vs. conventional epidural anaesthesia for Caesarean section in pre-eclampsia: a retrospective analysis. 
Van de Velde M, Berends N, Spitz B, Teunkens A, Vandermeersch E.
Eur J Anaesthesiol. 2004 Jun;21(6):454-9. PubMed PMID: 15248625.


ベルギーからの報告。妊娠高血圧腎症(pre eclampsia) における帝王切開での麻酔方法の比較Epi  vs CSE( Epi + Spinal ) で血圧および胎児の状態の比較を行った。
2004年と少し古いが、4年間に妊娠高血圧腎症と診断された106のデータを後ろ向きに解析。drop out、全身麻酔を除いた77 patientsで62人がEpi、15人がCSEを選択されていた。(意外だったが、もともと妊娠高血圧腎症合併の場合はSpinalによる低血圧を嫌ってEpiのみで行うことが多いらしい)


結果

             Epi    CSE
エフェドリンの使用         3.6  +- 4.6       14.6 +- 4.4  
輸液量はEpiが多い臍帯血pHはEpiの方が低い(低いといっても 7.26)
血圧の推移に差はなし。(エフェドリン使用量は違うが)


結論:妊娠高血圧腎症合併帝王切開でもCSEは問題ない。
昨今の流れはCSEの方向みたいだ。


new furniture


新しい家具が我が家にやってきました。
















この家具の名前は  キュビ太
















本棚は2年前から。















こちらは3年前から使っている
ダイニングテーブル
夫にいわせると、私の勉強机


このほかにもベッドも。

良い家具をかっていくというのはとても意味のあることと思います。
その家具が、次に買うものを決めてくれる。
そしていごごちのよい家ができあがっていく。

もともと貧乏性で「家具なんて安いものでいい」と思っていたが、
この家具にあってから「長くつかうものはよいものを」ということを
教えてもらいました。

Wood you like company


2013/05/07

If your patient take antiepileptic drugs before surgery


Sevoflurane =  induce seizure ( > 2.5%)

Phenytoin
   effect down = midazolam, fentanyl, Ketamine, CCB, muscle relaxants
   effect up/down = warfarin




2013/05/04

Local anesthetic systemic toxicity



ASRA practice advisory on local anesthetic systemic toxicity. 


Neal JM, Bernards CM, Butterworth JF 4th, Di Gregorio G, Drasner K, Hejtmanek  MR, Mulroy MF, Rosenquist RW, Weinberg GL.
Reg Anesth Pain Med. 2010 Mar-Apr;35(2):152-61. doi: 10.1097/AAP.0b013e3181d22fcd. Review. PubMed PMID: 20216033.

局所麻酔中毒(LAST)ガイドライン

そもそも局所麻酔薬は
1880年代にコカインが使用されたときから認識されていた。
 痙攣および呼吸困難が症状としてみられた。
1904年にプロカインが登場。LASTはやはり大きな問題だった。
1960年代にプビバカイン登場、1970年代にetidocaine、1980年代にロピバカインがそれぞれ
使用され始めたが、1969年の時点で900人に1人の割合で局所神経ブロックに伴う死亡例が報告されている。

LASTに対してLipid emulsion が有効であることが初めてCase reportされたのは2006年のこと
 http://journals.lww.com/anesthesiology/Fulltext/2006/07000/Successful_Use_of_a_20__Lipid_Emulsion_to.33.aspx)

・LASTの主な症状としては心毒性および中枢神経症状である。
・心毒性は局所麻酔が心臓のNaチャネルをブロックすることが直接的な原因。
・リドカインと比較してブピバカイン、etidocaine、ロピバカインはNaチャネルとの結合時間が長く、また強力に結合するため、症状がおきやすい。

予防方法
・早期にカテーテルの血管内挿入を発見することが重要でありデバイスの改善により件数は減っているが、近年再度報告が増加傾向にある。
・LASTのリスク:年齢 4ヶ月以下、70歳以上。心臓の伝導障害、虚血性心疾患の既往が。
・LASTの予防(痙攣の予防):フェンタニル100mcgおよびエピネフリン。神経ブロックではエコーガイド下に行うことが有効。(妊婦では)
・カテーテルへの薬剤の投与時は常に吸引を行う(行っても2%では血管内に入っていてもわからないとされている)

症状

・LASTの症状は多様で典型的ではない場合がある。

・聴覚変化、口の周囲のしびれ、金属の味がある、不穏、多弁などが初期症状としてあわれ、痙攣や昏睡を引き起こす。心毒性は中枢神経症状に伴うことが多く、単独ではない。
中枢神経症状によりいったんは高血圧、頻脈、心室性不整脈をおこすことがあるが、その後徐脈、心静止、低血圧となる。
・症状は循環が1巡する30-45秒後以降いつでも出現する。1-5分以内に出現することが多いが、25%では5分以降に症状が出現。
・注意深い観察が必要。

治療
・Airwayの確保が重要。
・低酸素とアシドーシス(LASTを悪化させる)を防ぐための対処療法を行う。
・痙攣に対してはベンゾジアゼピンが有効。プロポフォール、チオペンタールも代替としては認められているが、低血圧等を助長するのであまりおすすめできない。
・サクシニルコリン等の筋弛緩薬を使用してもよい。
・心停止がおきたらACLSガイドラインに従って治療を開始。
・しかしエピネフリンやバソプレシンはあまりおすすめできない。エピネフリンしようするならsmall dose( 10-100mcg)のボーラスで。
・CCB、βblockerもだめ。
・アミオダロンはいいが、リドカインはもちろん禁忌。 
・Lipid emulsion therapyが推奨。
まず、1.5ml/kgの20%lipid(イントラリピッドなど)をボーラス
0.25ml/kgを10分かけて投与。
それでも循環不全であれば0.5ml/kgをボーラス。 トータル 10ml/kg程度が上限。
プロポフォールも脂肪製剤だが、そもそも10%だし、この容量で使うと低血圧になるので禁忌。
・これでもだめな場合はCPBを使用する。