2020/08/01

Intraoperative Oxidative stress causes postoperative delirium


Lopez MG, Hughes CG, DeMatteo A, et al. Intraoperative Oxidative Damage and Delirium after Cardiac Surgery. Anesthesiology. 2020;132(3):551-561. doi:10.1097/ALN.0000000000003016

周術期せん妄のリスクとなる因子は主にもともとの既往(過去のせん妄歴や脳梗塞など)が原因と考えられていたが、周術期、特に術中の酸化ストレスが術後せん妄のリスクになるという報告。

もともとスタチンがAKIやせん妄を減らすのではないかとして実施されたコホート研究の採血データから酸化ストレス因子を計測してその関連性も分析している。

分析対象は400人。
せん妄の発生頻度は27.5% (多いなーという印象だが、確かにこんなものかもしれない)
せん妄の評価はリサーチナースにより1日に2回行うというもの。
測定している項目は
F2 isoprostanes and isodurans  (酸化ストレスのマーカー)
S100 calcium-binding protein B (BBB障害のマーカー)
ubiquitin carboxyl-terminal hydrolase isozyme L1 (神経に特異的な酵素。神経障害のマーカー)

せん妄の有無についてはロジスティック回帰分析を実施。(多変量)
そしてubiquitin carboxyl-terminal hydrolase isozyme L1についてもアウトカムとしていて、術後のubiquitin carboxyl-terminal hydrolase isozyme L1が術中のF2 isoprostanes and isodurans の上昇と関係しているか、またそこにBBBの障害が相互作用として関与しているかについての研究

結論としてはF2 isoprostanes and isoduransが術中に高くなった患者ほどせん妄を起こしやすい。
Odds ratio = 3.7 
ubiquitin carboxyl-terminal hydrolase isozyme L1 の上昇については、F2 isoprostanes and isoduransとS100 calcium-binding protein Bの間に相互作用がある。

non-liner spline modelを使っていてテーブルの読み方に??と思ったがnon-liner ならではの書き方をしている。


面白いな。