2019/08/28

OPCABG is effective for patients with renal failure



Off-pump technique reduces surgical mortality after elective coronary artery bypass grafting in patients with preoperative renal failure.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2018 Sep;156(3):976-983. doi: 10.1016/j.jtcvs.2018.03.145. Epub 2018 Apr 12.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29753505


H0:腎障害のある患者とない患者で、OPCABGvs CABGにおける30日死亡率は変わらない。

OPCABG vs CABG はメタアナリシスでも差が出ないという結論となっているが、術前の透析患者や腎機能障害がある患者については考慮していない。

今回の研究では、術前の腎機能別に患者を層別化し、propencity matchさせた上で2群を比較している。

研究デザイン:後ろ向きコホート研究

統計手法:OPCABGの効果について、29個の説明変数を用いてロジスティック回帰分析を行なった。次にIPTW (inverse probability of treatment weighting) = propensity scoreの逆数を算出。

Table 1  ONCAB vs OPCABの患者属性 n=38051
Table 2  Surgical data 手術時間、人工心肺時間など
Table 3 腎機能別に層別化した予後(30日死亡、術後新しくRRTが必要になったか)
Table 4 OPCABGのオッズ比を腎機能別に層別にして示した。
Unadjestedが単純なOR (この場合、何かを基準としなければならないんだが、これだと、ONCABGの患者を1とした時のORをそれぞれ出しているということか。
Risk adjusted でロジスティック回帰分析を行なった場合オッズ比を出している。
ここでのロジスティック解析には29個の項目を入れ込んだみたいだ。
そしてIPTWを表記しているんだけど、これの意味合いがよくわからず。IPTW自体はマッチングさせる方法の一つのようだが、要するに、マッチングさせてORを計算させてもやっぱり値は変わらなかったよということが言いたいのか。。。?

多変量ロジスティック回帰分析を行なった場合のORと、IPTWを用いてマッチングさせた後にORを出した値では、どちらの方を信用すれば良いのか?


データを見ると、腎機能が悪いほど、OPCABGの方が良いというわけではなく、mild moderate severe ともに30日死亡のORは0.55-0.6程度でほぼ一緒である。severeだけやや改善が大きいか。NormalではこのORの差は見られないと言っているのだが、Normal群のORは示されていない。

そして透析患者では、ORが1に近づくというのも興味深い