2019/07/06

A new cardiovascular score for pre-operative patients


RCRIに代わる新しいスコアリングの話。

A New Index for Pre-Operative Cardiovascular Evaluation
J Am Coll Cardiol. 2019 Jun 25;73(24):3067-3078.


【背景】
現在非心臓手術の術前心合併症リスク評価スコアとしては、RCRIとNSQIPがある。RCRIは1999年に設定されたが、その後の術式の多様化に伴う予測正確性は低いとの報告がされている。NSQIPは正確ではあるが、スコアリングシステムが複雑であり、患者のカルテを見ただけではリスクは把握できない。
本研究の目的は、RCRIに変わる簡便な心合併症リスク評価スコアを開発することである。

参考:RCRIスコア
高リスク手術 
冠動脈疾患の既往 
心不全所見 
脳血管障害の既往
インスリン依存性糖尿病
腎不全(Cr > 2.0mg/dL) 

【一般的なリスクスコアの開発方法】
1)Derivation set  1000-5000人ほどのコホート集団を対象として、ロジスティック回帰分析を行い、リスク項目を洗い出す。(結果から因子の洗い出し)
2)リスク項目からリスクスコアを作成する。
3)Validation set  作成したリスクスコアを別の集団に当てはめて実際にその集団の術後心合併症をどれだけ予測できたかを評価する(スコアの精度の検証)

New index CVRI
(それぞれ1点加算)
年齢 75歳以上
心疾患の既往 
狭心症・呼吸不全の症状
Hb < 12
血管手術
緊急手術

【本研究】
1)2016-2017年に米国の単施設で手術された40歳以上の成人での手術(3284人が対象) 内イベント発生率は38(1.2%)
2)Table1にまとめる独立したリスク因子のピックアップ
3)2008-2012年のACS-NSQIP(米国手術登録データベース、日本のNCDと同一?)のデータを用いて新スコアが30日MACEをどの程度予測できるかについて追試験

【結果】
新しいリスクスコア(CVRI)はRCRIと比較してより術後心合併症の予測精度が高く、NSQIPと比較して差はなかった。CVRIはより簡便で正確な予測スコアとして使用可能である。



これでICU入室選定を決定したら、合併症の早期発見、予防につながるだろうか?