劇症型心筋炎に対する論文を幾つか。
Effectiveness of mechanical circulatory support in children with acute fulminant and persistent myocarditis.
J Card Fail. 2011 Jun;17(6):487-94. doi: 10.1016/j.cardfail.2011.02.008. Epub 2011 Apr 22.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21624737
テキサス子供病院からの報告。2001年から2009年までに小児の劇症型心筋炎に対して補助心臓装置(ECMO VADのいずれか)を装着した患者16名に対してその効果および予後についての報告。
12名(75%)の患者が生存し、7名が心筋の回復を認め、5名が移植となった。移植となった患者では、ウイルス感染の割合が高く、また活動性炎症(生検の結果から判断)があるほど予後が悪かった。
予後と初期のechoでの左室機能とは相関を認めなかった。また免疫療法(Ig療法)の有無でも予後に差は認めなかった。
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上の論文では予後とエコーに差を認めなかったという話でしたが、
劇症型心筋炎と急性心筋炎ではエコー上の差があり、また左室機能回復も評価できるよという話。
Fulminant myocarditis: the role of perioperative echocardiography.
Anesth Analg. 2015 Feb;120(2):296-9. doi: 10.1213/ANE.0000000000000508.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25602450
劇症型では左室の壁厚がほぼ2倍となるが、LVDdは変化しない。これに対して急性心筋炎では壁厚は変化しないが、LVDdが拡大すると。