2015/02/08

Opioid analgesic abuse and mortality in the US


2015.01.15のNEJMにひさびさに麻酔関連のpaper
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1406143

アメリカにおける医療用麻薬のabuseの動向を2002-2013年まで分析したもの。
2002年から2010年にかけてオピオイドの処方は増加の一途をたどり、同時にabuseの件数も増加、乱用による死亡数も増加したが、その後2010年にreformulated oxycontinに切り替えが行われてから、乱用による死亡は減少していると。
reformulated oxycontinは、剤形を変更することが不可能にしたオピオイド。吸入や静脈投与の形態で投与すると効力を失うように設計されている。この錠剤からoxycontineを抽出すること自体が非常に難しく作られている。
FDAがこのオキシコンチンを承認した後から、オピオイド乱用による死亡は減少したが、逆にヘロイン乱用による死亡数は増加している。

フロリダ州は独自に慢性疼痛に対するオピオイド処方の介入を行い2010-2011にかけてオピオイド処方と乱用の両方を減少させた。

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2000年〜2005年ごろにかけては日本は緩和・癌性疼痛のコントロールに対して
非常に遅れをとっていたように感じたが、「進んでいる」と思われた米国もまた、
いろいろと問題を抱えていたのだ。