2013/03/15

self-administered inhaled analgesia in labor


Inhaled analgesia for pain management in labour.
Klomp T, van Poppel M, Jones L, Lazet J, Di Nisio M, Lagro-Janssen AL.
Cochrane Database Syst Rev. 2012 Sep 12;9:CD009351. doi: 10.1002/14651858.CD009351.pub2. Review. PubMed PMID: 22972140.



分娩時の陣痛に対する自己管理型の吸入麻酔を使用すると陣痛が軽減される。
吸入麻酔薬はNOもしくはfluraneのどちらか。
どちらを使用しても効果、合併症や副作用に差はなかった。

自己管理型なので、要するに妊婦自身が疼痛を感じたときに吸うという仕組み。

フランスは無痛分娩が進んでいる。
日本でもこれくらいなら受け入れられるのか?

開胸手術でのPain control 胸部傍脊椎ブロックか硬膜外麻酔か



Combined paravertebral and intrathecal vs thoracic epidural analgesia for post-thoracotomy pain relief.

Dango S, Harris S, Offner K, Hennings E, Priebe HJ, Buerkle H, Passlick B, Loop T.
Br J Anaesth. 2013 Mar;110(3):443-9. doi:10.1093/bja/aes394. Epub 2012 Nov 14. PubMed PMID: 23151421.



開胸手術においての体表面疼痛コントロールに対して、胸部傍脊椎ブロック+脊椎麻酔は
硬膜外麻酔と比較してどうだったか?

84症例で検討。評価にはVASを使用。
安静時、体動時ともに硬膜外麻酔の方がVASのスコアは低かった。
しかしその差は安静時1.2、体動時1.3とわずかであり、胸部傍脊椎ブロック+脊椎麻酔も
開胸手術における治療として使用できる

胸部傍脊椎ブロックについては
http://update.anaesthesiologists.org/wp-content/uploads/2009/10/Thoracic-Paravertebral-Block.pdf


2013/03/14

Epidural analgesia in chest trauma



Pain-associated Respiratory Failure in Chest Trauma.
Ahn Y, Görlinger K, Alam HB, Eikermann M.
Anesthesiology. 2013 Mar;118(3):701-708. PubMed PMID: 23403516.


胸部外傷で硬膜外麻酔によって呼吸不全を防ぐことができる。
クロピドグレルを使用している患者でも評価を行い、痛みによる呼吸不全を回避する
ために硬膜外麻酔が有効だったというCase。
しかし硬膜外血腫のリスクはつきまとうため、凝固系の評価が必須であると。



key words
Injury Severity Score (ISS range 1-75)

Thromboelastogram: 外傷における出血と血栓の評価(日本でもあるのか?)
Point of care analysis/testing: 患者のベッドサイドで医療者自らが行う検査のこと。


2013/03/13

Intravenous lipid emulsion


Intravenous lipid emulsion inclinical toxicology.
Rothschild L, Bern S, Oswald S, Weinberg G.
Scand J Trauma Resusc Emerg Med. 2010 Oct 5;18:51. doi:
10.1186/1757-7241-18-51. Review. PubMed PMID: 20923546; PubMed Central PMCID:
PMC2958894.

JSEPTICのMLでも話題になっていた。
MLではとてつもない量が投与されていたが、2010年のRecommendationでは

1.5 mL/kg 20% lipid bolus with subsequent 0.25 mL/kg/minute infusion is the currently recommended protocol. Rebolus and increased infusion may be considered if circulatory stability is not attained, but 10 mL/kg lipid emulsion for 30 minutes is the upper limit recommended for initial dosing.  

と書かれている。だいたいの人はイントラリピッド100mlに相当する。
(最大は500mlくらいか)

もともと神経ブロックなどの局所麻酔薬による全身性中毒症状に対しての効果
が指摘され、それが他の中毒症(TGA、CCB、βBlockerなど)でも応用できることが
わかったようだ。

その機序としては、lipid silk とされる膜を形成することで臓器保護を行う
脂肪酸として細胞内でATPの枯渇を防ぐなど、様々な仮説があるが、
わかっていないことも多い。

何を飲んだかわからない中毒症状では、最終手段となりそう。

2013/03/12

トルコのもう一つの顔


「トルコのもう一つの顔」
小島剛一著 中公新書 1009

一気に読んでしまった。

トルコ、クルド人、民族問題、日本では概念としては知っていても実感しにくい。
しかし、現実には存在する。
知らないことは、「存在しないこと」になってしまいがちである。
そして、次第に「知りたくないこと」が「存在しないこと」としてしまう。

いずれ、続編も読みたい。

皮膚感染とTedizolid


Tedizolid phosphate vs linezolid for treatment of acute bacterial skin and skin structure infections: The ESTABLISH-1 randomized trial.
Prokocimer P et al.
JAMA 2013 Feb 13; 309:559.

Acute bacterial skin and skin-structure infections (ABSSSIs)に対しての新薬、Tedizolidが
リネゾリドと比較して非劣勢であった。
667の症例を対象としたRCT.

26%はMRSAが検出。Tedizolid6日間 vs リネゾリド10日間。
治療総効率は85%で差を認めず。

治療期間についてはさらに研究が必要そうだと。

2013/03/07

小児のセボ麻酔の最後にはフェンタニルかプロポフォールか


Comparison of Propofol and Fentanyl Administered at the End of Anaesthesia for Prevention of Emergence Agitation After Sevoflurane Anaesthesia in Children
M.-S. Kim, B.-E. Moon, H. Kim, J.-R. Lee
Disclosures
Br J Anaesth. 2013;110(2):274-280.
3歳~6歳までの小児手術のセボフルラン麻酔によるEAの予防。
プロポフォールのほうがよいかもしれないという結論

2013/03/04

肺血症による臓器損傷と組織

 
Mechanisms of Cardiac and Renal Dysfunction in Patients Dying of Sepsis.
Takasu O, Gaut JP, Watanabe E, To K, Fagley RE, Sato B, Jarman S, Efimov IR, Janks DL, Srivastava A, Bhayani SB, Drewry A, Swanson PE, Hotchkiss RS.
Am J Respir Crit Care Med. 2013 Jan 24. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 23348975.

Sepsis患者とコントロール患者(脳死、移植、外傷)で臓器損傷の組織学的相違を検討。
心筋と腎組織を検体として調べた。
Sepsis患者では細胞の損傷は少なかった。

Septic AKIでは他のAKIと比較して回復(Sepsisの治療がうまくいけば)することが多く、
機能障害が主であり、細胞自体の不可逆的な損傷は起きていない可能性がある。