論文を読み、実験し、空想して1日が終わる。
一つ一つのことを緻密に積み上げていって、次のステップに進める。
少しずつコツコツと。
クリスマスが明けて、年の瀬という雰囲気はどこにもなく、通常営業に戻ったかんじ。
日本と違う。
リサからPCRを教えてもらう。
2月でドイツに帰ってしまう予定なのだけど、今から悲しい。飛行機に乗るから贈り物も迷惑だろうけど、何かプレゼントしたい。何がいいだろうか。。。
ハーバード大学にある銅像。足を触ると賢くなる?とか。
ボストンの冬はもっとどんよりした日が多いのかと思っていたが、晴れて空気が澄んでいると気持ちいい。今年もあと4日というのが信じられない。
コロナの影響が来年にまで続くと誰が予想していただろう。
現場の方は本当に大変な思いをされていることだろうし、
こういう時に、人の無責任さや無情も明るみに出やすい。
「私だって大変なんだ」という言い訳が簡単にできるから。
一人一人に問われているのは良心だが、こういう時代の良心はどこにあるのだろうか。
31日までマウスと研究の予定。
カタログが入っていた。
カタログの中身はマウスの実験用具なので、シュールだ。
今日は雨のクリスマス。家の中から雨の外を眺めとほっこりする。
冬の朝はきれいだ。清少納言も「冬はつとめて」って書いた通りだ。
クリスマスイブはお店が閉まるのも早い。今年は例年になく静かなクリスマスらしい。
クリスマスイブだというのに、今日初めて朝の電車で警察が職務質問をしているのを見た。
いや、これを職務質問と言って良いのだろうか。
全ての命令を怒鳴っている。従わなければ打ち殺されて当然と言った雰囲気。
冷たい床に腹這いにさせられて、(別に疑いだけなのに)
これもアメリカ社会なんだと思ったクリスマスイブ。
朝6時半。 誰も歩いていない雪の歩道。
クリスマス休暇をとる人も多く、ラボも少し人が少ないが、
だからこそ、遠心器もクライオスタットも使いたい時に使える。
この年末年始は新人の私にとってはありがたい限りだ。
病院と家の往復しかしていないので、撮る景色も代わり映えしない。
こちらでは雪が降ると除雪車が徹底的に道路を掃く。
添加物が日本と違うせいか、こちらの加工食品や料理されたものを食べるといつもではないけど頻繁にお腹の調子が悪くなる。
添加物の入っていないパン、果物、野菜、牛乳、卵が安全だ。
先週の金曜日にワクチンについての第一報があった。
そして今日、この病院にもワクチンが届いたらしい。
ICU勤務やWard勤務の人からだからまあ私のところまで回ってくるのは1ヶ月以上後だろうけど。
今日の夜からブリザード。明日の朝は電車が動いているかしら。
実験と並行して、本当に少しづつではあるのだが、技術面において一歩一歩自分なりに(人のペースは気にせず)進んでいる。
本番実験のマウスの腹腔内注射が短時間でできるようになった。
マウスの挿管のコツが掴めてきた。少なくとも確実に入ったかどうかがわかるようになった。
血管を確保し、静脈注射投与ができるようになった。
動脈確保はもう少し。
今週は組織を固定し、IHCを凍結とパラフィンで比較していく。
毎日コツコツと。
しかし手を動かしていると、頭を動かさないなぁ。バランスよくいかないと。
アメリカの良いところは、見知らぬ人でも目があったら微笑み返してくれるところだ。
しかし、
1ヶ月前にFAXでSSN(アメリカの年金番号)の申請をしていたので、どうなっているのか電話しても電話は全くつながらない。しょうがないのでSSNオフィスにいったら「予約がないとダメです」の一点張り。
予約するためには電話が必要とのこと。でも繋がらん。
どないするねん。
そこにいたドイツからきたという人に、FAXは無視されるから封筒で直接送るといいよと聞き、そうすることにした。
彼も一度来たのに追い返されたそうだ。
SSNは取得できるのかしら。研究は全くはかどらなかった1日だった。
世界中どこでも役所というところはそんなものかもしれないが(と書くと、公務員の方に失礼だが)、気長に(しかし粘り強く)することにしよう。
バスを待っている。
風の谷のナウシカの漫画バージョン(アニメージュ掲載)の中で、
クロトワが腐海から出てマスクを外すシーンがある。
「空気とはうめえもんですな」
マスクを外した時、(特に外で)このセリフを言いたくなる。
Kung Pao Chicken, also transcribed Gong Bao or Kung Po, is a spicy, stir-fried Chinese dish made with cubes of chicken, peanuts, vegetables, and chili peppers.
病院の食堂 Kung Paoという料理。6ドル。量が多すぎるけど美味しかった。
中国の料理らしい。
マウスの実験をして、新しいことを覚えて、論文を読んで、読んでたらまた読みたい論文が見つかって、1日があっという間に過ぎる。
英語についての考察
まだ自分が20歳のとき、とある有名なアパレルブランドの社長(?)の方と1対1でお話する機会があった。ご令嬢をアメリカに留学させたというお話のくだりで、
「きちんと語学学校に通わせたのよ。アメリカに住んでいるだけでは英語は話せるようにはならないから。」
とおっしゃられていた。
当時の私はお金を持っている人は考えていることが違うなぁと思っていただけだったのだが、今ここアメリカにきて、彼女の言っていることを痛感する。
通常の買い物や日常生活は困らない。なんだってネットでできてしまう。
仕事の英語もみんなわかりやすい言葉で喋ってくれるし、専門用語は困らない。
でもこれだけだと、全く語彙力が伸びない。草木の名前もわからない。
人の神経細胞は大人になってから再生したり新しく作られたりすることはないというのが通説だったが、実は新しく神経細胞は作られている。でもこの神経細胞は既存の出来上がった神経ネットワークの中に入っていくのが大変なのだ。
今私はそんな新しい神経細胞の気分である。
山のようなクリスマスツリー。
人の体の仕組みは蜘蛛の巣と同じようだ。
それぞれの機能は細かいWebで繋がっていて、複雑に絡み合っている。
だからこそ、可塑性、resilienceが生まれるのだろう。疾患として表に現れてきたものをもぐら叩きのようにつぶしても、効果がなかったり、副作用が生まれたりするのはそれが原因かもしれない。
Webのどこを摘めば全体の糸が切れるのか、または繋がるのか、どこが要なのか。
とても便利なタイマー
朝3時に目が覚めたのでMATLABの講習を聞いたり、論文を読んだり。
手を動かすことと、頭を動かすことのバランスをとることが重要だなと思う。
シャワーを浴びながらrigidityについて考える。