2019/07/13

Mechanism of oxygenation impairment during anesthesia


Oxygenation Impairment during Anesthesia: Influence of Age and Body Weight.


Anesthesiology. 2019 Jul;131(1):46-57. doi: 10.1097/ALN.0000000000002693. PubMed
PMID: 31045901.
Hedenstierna G, Tokics L, Scaramuzzo G, Rothen HU, Edmark L, Öhrvik J.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31045901



高齢者や肥満患者では、麻酔導入により酸素化能が低下することが知られているが、そのメカニズムについては明らかではない。
よって今回、そのメカニズムを明らかにすることを目的に、80人の患者を対象にどのようなメカニズムによって(シャントなのか、V/Qミスマッチなのか)を明らかにすべく、不揮発性ガスの排出量の計測とCT撮影を行い、その結果を評価した。

デザイン:2施設前向き観察研究

統計
重回帰分析

結果
 P/F ratio および Log shunt、 log low Va/Qの3つであり
実際にP/F ratioは麻酔導入後に年齢、BMIと相関して減少していた。
シャントについては高齢者、BMIの高い患者でr2が高く、またVa/Qミスマッチは年齢と相関を認めた。

評価項目として、年齢、BMI以外に、性別、FVC%の程度についても評価している。

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前向きの観察研究ではあるが、介入が多い。
この研究への同意者(もともと手術を受ける予定の患者)に対して、
awakeのうちに、血液ガスとCTを撮影し、その後、麻酔を導入、そして麻酔導入後に再度血液ガスとCTを撮影し、手術を行なっている。
おおよそ30分程度かかるこの検査を実施は結構な労力であろうに。
結果として、年齢という要因と、肥満という要因における麻酔による呼吸機能低下のメカニズムが異なることがわかった。

しかし、その結果をどう治療に活かそうか。


variance inflation factor (VIF)
最小二乗回帰分析における多重共線性の深刻さを定量化したもの。 推定された回帰係数の分散が、多重共線性のためにどれだけ増加したかを測る指標
と言われてもよくわからんが、例えば、多変量解析を行なった時に変数X1と変数X2が多重共線性を持っているか?怪しかったとする。その時に、このX1とX2のVIFを計算することで、一般的にVIF統計量が10以上であれば、多重共線性が存在している可能性がある。

VIF = 1/(1-相関係数^2)である。