2019/07/15

Management of the dialysis patient in ICU


透析患者のICU管理のReview

Management of the dialysis patient in general intensive care.
Br J Anaesth. 2012 Feb;108(2):183-92. doi: 10.1093/bja/aer461. Epub 2012 Jan 4.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22218752

研修医の時のノートに書いてあった論文。

透析患者において、心疾患と敗血症がICU入室の最も頻度の高い原因である。
イギリスのICUに入院した患者のうち、3420/276731が透析患者であり、ICUに入院した透析患者は平均で32日滞在した。
またオーストラリアの研究では、透析患者の7年間の追跡で20%がICUを経験している。

ICU入室中のdry wrightについて
(ここがもっと知りたかったのだが、引用文献が少ない...)
透析患者に心疾患が起きる原因として、血管内volumeの過多がある、これはNaと水分の貯留によって起こる。しかしICUに入院するようなcritical illnessの状態において、dry weightを保つことは望ましくない。血管透過性の更新により大半の水分が間質に移動しているため、dry weightまでの急激な管理は合併症を引き起こす可能性がある。

心疾患および心疾患による突然死は透析患者の死因の43%を占める第一位の原因である。またICUに入室する透析患者はICU入室前に心肺蘇生を受けていることが非透析患者に比べて2倍多い。
心筋肥大や電解質異常がその原因として研究されているが、心停止のリスクを防ぐためのの透析管理方法についてガイドライン上は明確に提示されていない。
(2012年の時点では)
ICUを埋め込んだ方が死亡率が低いとする研究がある。

心筋逸脱酵素についてもいくつかの研究があるが、敗血症になった時にトロポニンIが >0.2 mg/mlよりも高い場合、短期死亡リスクおよび長期死亡リスクがそれぞれ5.13、 5.9上昇するという研究がある。

敗血症と透析
透析患者における敗血症時の循環管理についてのRCTはほとんどない。
透析用のシャント血管からの感染、肺炎、蜂窩織炎、菌血症がよくみられる。また頻度は高くないが、膀胱膿症(pyocystis)も鑑別として重要である。

透析患者で避けるべき鎮静・鎮痛
ミダゾラム、モルヒネは避けるべき。

など。

------
2012年の時点のreviewなので、その後の論文も探そう。