2018/06/19

optimized fluid therapy after abdominal surgery


NEJMの記事

Restrictive versus Liberal Fluid Therapy for Major Abdominal Surgery
N Engl J Med. 2018 Jun 14;378(24):2263-2274


[背景]
Goal directed therapy(GDT)や制限輸液が推奨されるようになっているが、そうした制限輸液が臓器灌流に及ぼす影響について評価は少ない。制限輸液の合併症・長期予後についても不明である。

[方法]
多施設他国対象のRCT。消化器外科手術を受ける3000人を対象とした。制限輸液群と従来群に割り付け、手術開始から24時間の輸液量を計測。制限輸液:導入時5ml/kg 維持5ml/kg/h  従来群:導入時10ml/kg 維持 8ml/kg/h
Primary outcome:無障害生存日数(disability-free survival at 1 year)
Secondly outcome : 合併症 AKI in 30 days, RRT(腎代替療法) in 90 days,

[結果]
平均年齢66歳、手術時間は3.3h  1年間のdisability-free survivalは82.3 vs 81.9%で両群での差は認めなかった。AKIについては有意に制限群で多かった。

[考察]
この研究結果は輸液過多を推奨するものではないが、輸液制限をしすぎると、結果としてAKIを増加させるという結果となった。先行ガイドラインでは1PODの体重が2.5kg以上増えないよう管理すべきとされており、本研究では両群ともその基準内に入っていたため、差が出なかったのかもしれない。