2018/04/07

Anesthesia training in Cardiac anesthesia


心臓麻酔の教育方法についてのReviewが掲載されていた。興味深い。
Anesthesia Residency Training in Cardiac Anesthesia: Development of a Model Curricula and Educational Resources: The Anesthesia Toolbox.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2018 Apr;32(2):621-630. doi: 10.1053/j.jvca.2017.11.040. Epub 2017 Nov 23.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29306616

アメリカにおける麻酔科レジデンシー(日本の後期研修医制度)は3年。
この3年の中で心臓麻酔の教育期間は2-3ヶ月である。
労働時間規則によって実際に働ける時間は少なく、また心臓麻酔についての標準的な教育手段がない点が問題だと指摘している。

このReviewでは心臓麻酔の教育方法についていくつかの機関と大学病院での方法を紹介している。

1) ACGME
Subspeciality of cardiothoracic anesthesia:
 2 months rotations, more than 20 patients with cardiac disease (half of them require CPB)
Core competency skill:
 Patient evaluation
 Anesthetic plan and conduct
 Management of perianesthetic complications
 Crisis management

2) OpenAneth
心臓麻酔のカリキュラムを提供している。
http://www.openanesthesia.org/subspecialty/cardiac-anesthesia/

3) PTEeXAM
National Board of Echocardiography の提供するTEEの試験。
http://echoboards.org/EchoBoards/certs/Advanced_PTEeXAM_/EchoBoards/Content/Advanced_PTEeXAM_.aspx
これをマスターすることでTEEと心臓手術の知識をえることができると。
受験したが拙い英語で受けた試験で私にとっては全く身につかなかった。
一応合格したが、母国語で勉強したほうが理解が深まると感じるきっかけとなった。

4) The Anesthesia ToolBox
オレゴン大学が提供しているそう。
65 programsを提供。米国の病院では心臓麻酔の研修にこのプログラムを使用しているところもある。論文のtable 9 参照(これ使えそう!)

5) Univ. of Tronto
心臓麻酔で有名なトロント大学のHP
http://pie.med.utoronto.ca/CA/index.htm
シミュレーションなどもできる。

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自分の研修時代を振り返っても、心臓麻酔を体系的に学ぶ機会はなく、
むしろそれぞれの上の先生が、自分のやり方を主張していて、
それを覚えるだけで(何が良いのかもわからず)終わっていた。
結局自分が一人で麻酔をするようになって、人工心肺をうごかすMEさんと直接会話を
するようになって初めて心臓麻酔について少しわかったような...

自分もまだまだ勉強しなければならないが、後輩たちがもう少し体系的に
心臓麻酔について学ぶことができるようになればいいなと思う。