2018/03/25

Lactate after cardiac surgery



Prognostic Value of Hyperlactatemia and Lactate Clearance After Mitral Valve Surgery.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2018 Apr;32(2):636-643.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29129343


NYより。
乳酸値は敗血症の診断、予後を規定する重要な因子であり、ICUにおける治療継続or終末ケアの決定の重要な指針になると報告されているが、心臓手術においては特に予後を規定する因子にはならない、という報告。

917人のMVPもしくはMVRを受けた患者に対してICU入室後24時間いないの乳酸値の推移と30日死亡率、MACEについて後ろ向きに調べたという研究。

結果 71.8%で乳酸値は2mmol/L以上に上昇していたが、そのうち85%では24時間以内に正常化した。30日死亡率は2.29%で乳酸値 7mmol/L以上であること、24時間以上乳酸値が上昇していることが死亡率と関連していたとの報告。

確かにcut offは2mmol/Lではないというのは妥当な気がする。

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先日当直をしていたら、MICS-MVP後の患者さんの乳酸値がいきなり24mg/dl(2.6mmol/L)と上昇、足の拍動も良好でお腹も全く問題なさそうと思っていたら、24時間後には低下した。
24時間以内に上昇している乳酸値は何を反映しているんだろうか。
CPB中の低灌流、エピネフリンの使用は確かにLactateを上昇させるが、この論文の患者でそのようなカテコラミンの大量使用や低灌流はなかったとしている。

Lactate clearance が乳酸値そのものよりもより鋭敏な指標のようだが、論文によって計算方法が違う?

参考:
ICU入室患者全体における重症高乳酸血症(>10mmol/L)と死亡率がどの程度関連しているのかを調べた後ろ向き研究
https://mmarico.blogspot.jp/2017/07/icu.html

CAT study
https://mmarico.blogspot.jp/2013/12/cat-study-epinechrine-vs-norepinephrine.html


2018/03/18

Steroid for Septic patients


NEJMより。
ステロイドは敗血症性ショックの患者に有用か? RCT
患者数が3800人... しかもRCI。研究デザインは極めてシンプル。

Adjunctive Glucocorticoid Therapy in Patients with Septic Shock
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1705835

P:敗血症性ショックの患者
I: ハイドロコルチゾン 200mg/dayを7日間投与。
C : プラセボ
O:90日以内の死亡率。

しかし死亡率全く変わらないという結論。 27% vs 28%。
ショックからの離脱はステロイド投与群の方がわずかに早く、人工呼吸器依存期間も短かったが、primary outcomeである90日死亡率は変わらないと。

ルーチンのステロイド投与はこれから先も否定的。
でも副腎不全等を起こしている患者には必要なことは間違いないが...

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NEJMのpodcastを1ヶ月分くらいまとめて聞いた。Case reportでタコツボ心筋症の話があったりと色々と面白かった。