2017/10/23
brain injury and Extubation
ASA in Boston
Severe brain injuryの患者では手術室で抜管しないことが多いが、抜管をトライできる場合は
トライした方が良い。
しかし脳卒中を起こした患者の37%が再挿管されているとの報告もある。
では抜管の成功条件はなんであろうか?
Anesthesiology. 2017 Aug;127(2):338-346. doi: 10.1097/ALN.0000000000001725.
Extubation Success Prediction in a Multicentric Cohort of Patients with Severe Brain Injury.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28640020
In the multivariate analysis, four features were associated with success the day of extubation: age less than 40 yr, visual pursuit, swallowing attempts, and a Glasgow coma score greater than 10. In the score, each item counted as one. A score of 3 or greater was associated with 90% extubation success.
この因子を抜管の条件とするのはちょっと問題があるが、因子としては面白い。
また、今年Trauma brain injuryの新しいガイドラインが出たようで、そのreviewが
面白かった。
https://braintrauma.org/uploads/03/12/Guidelines_for_Management_of_Severe_TBI_4th_Edition.pdf
自分が前に書いたこの記事も参考
https://mmarico.blogspot.jp/2013/10/unplanned-reintubation.html
2017/10/09
The type of anesthesia for TAVI
以前にTAVIの麻酔方法の世界分布(といっても欧米のみ)の論文があったが、ギリシャからreview論文があった。
Cardio-anesthesiology considerations for the trans-catheter aortic valve implantation (TAVI) procedure.
Hellenic J Cardiol. 2016 Nov - Dec;57(6):401-406. doi: 10.1016/j.hjc.2016.10.001. Epub 2016 Oct 6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=28375080
アテネ大学からのreview article
reviewというか、エッセイのような...
2009年から2016年までに400件のTAVIをおこなっており、当初はGeneral anesthesia(GA)であったが、Localに変遷していった(いつ頃かについての記載なし)
TF以外のアプローチではGAを用いるが、TFではすべてLAで麻酔をおこなっているとのこと。
以下にLAとGAについての比較
麻酔方法によって死亡率には差を認めなかった。
また弁に関する合併症については麻酔方法によって差があったとの研究はない。
LAの方が入院期間が短く、血管収縮薬についても少ない傾向が報告されている。
LAからGAへの変更はカテ室よりもハイブリッド室のほうが行いやすかった。
LAの最大の特徴は患者の神経学的兆候をリアルタイムにみることができることであり、これがstrokeの早期発見につながっている可能性がある。(そもそも初期においてはSAVRよりTAVIのほうがstrokeの発生率が高く、これをいかに防ぐかが問題であった。しかし最近はそうでもないようだが)
LAの方がAKI の発症リスクは低かった。GAの方がAKIガ多い理由については術中のhypotentionが原因ではないかとの研究がある。
ペースメーカーの挿入率については差を認めなかった。
AKIについての論文いろいろ...
Clinical impact of acute kidney injury on short- and long-term outcomes after transcatheter aortic valve implantation with the CoreValve prosthesis.
J Cardiol. 2015 Jul;66(1):46-9. doi: 10.1016/j.jjcc.2014.09.009. Epub 2014 Nov 6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25454207
Acute kidney injury after transcatheter aortic valve implantation: incidence, predictors and impact on mortality.
Arch Cardiovasc Dis. 2014 Feb;107(2):133-9. doi: 10.1016/j.acvd.2014.01.002. Epub 2014 Feb 17.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24556191
2017/10/05
血小板過多・減少状態における開心術・人工心肺・ヘパリン管理
本態性血小板増多症についてのCase reportが多いが、最近はITPの治療でも、
ステロイドや脾臓摘出が効果なければ、血小板造血刺激因子の皮下注をおこなっており、
このために血小板が増多する。こういった患者さんにおける人工心肺を用いた
回診術ではどのような注意が必要か?
以下はメモ
A Novel Approach to Essential Thrombocythemia and Cardiac Surgery
http://www.annalsthoracicsurgery.org/article/S0003-4975(16)31133-X/fulltext
2017 年3月にでたCase report。 血小板数が163万/uLと増多しており、CABGが必要となった患者に対して、手術前に75万まで減らして手術をおこなった。ヘパリンの効果にはHMS Plus(メドトロのpoint of care ヘパリンの血液濃度が計測できる)を用いて定量的な測定をおこなった。血小板75万の時点での適正ヘパリン濃度は4.9unit/mlであり、この濃度となるようにヘパリンの投与を管理した(CPB中)。プロタミン投与についてもHMSのガイドラインに従っておこなった。CPB離脱後より非チエノピリジン系の静注型P2Y12阻害薬であるcangrelor(日本未承認)を投与し、血栓予防に努めた。 1PODに抜管、とくに合併症は認めなかった。
過去の症例報告からも、血小板数が40万/uL以下で手術を受けることが推奨されており、80万/uL以上となると、合併症が増加する。手術前に80万以下にすることが肝要であると。
本態性血小板増多症の症例報告 2014年
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4189360/
ITP患者のCABGの症例報告
Cardiac surgery in a patient with immunological thrombocytopenic purpura: complications and precautions.
Ann Card Anaesth. 2013 Apr-Jun;16(2):147-50. doi: 10.4103/0971-9784.109774.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23545873
ITP患者においては、出血のリスクもあるが、ステロイドによる治療の合併症として血栓症、アテローム硬化症も多く、その管理についての報告は少ないと。
この報告は血小板減少での報告。
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