2016/04/27

Isolated TR should be... No.2 予後因子はERO > 40mm2


数日前に単独TRについてまとめたが、追加である。
Isolated TR should be... No.1

Mayoクリニックが1995年から2005年にわたってみた孤発性TR(isolated TR)患者353名について、その予後因子を検討した論文。
Clinical outcome of isolated tricuspid regurgitation.
JACC Cardiovasc Imaging. 2014 Dec;7(12):1185-94.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25440592

結論としては有効逆流面積 > 40mm2が予後規定因子であったとしている。PHの有無は孤発性TRにおいては予後には影響を与えなかったと。
そのほかの因子としては、年齢、収縮期圧低値、Afibの合併が予後の悪化に関与していた。
また症状の有無別では、症状がある患者のほうが生存率、心疾患イベントの発生率ともに高かった。

353人の患者のうち、手術を受けたのは12名と少なく他は内科的治療のみであった。
他の弁疾患やPHに伴うTRでは右室がグローブ状になり、テザリングによってTRが起こるが、孤発性TRの特徴は右心室底および三尖弁輪の拡大である。
現在のところ、孤発性TRに対しての強いエビデンスをもつ治療方法は確立していない。

-----関連論文-----
1971年に孤発性TRについての報告がCirculationにされた。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/5573387

Isolated TRで三尖弁置換術が有効であったとする報告 3人の患者のcase report
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10772049