2016/09/22

SOFA scoreと補助人工心臓植え込み術後の予後の関係


Severity of end-organ damage as a predictor of outcomes after implantation of left ventricular assist device.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25493459
ASAIO J. 2015 Mar-Apr;61(2):127-32.

アメリカからの報告。
97名のLVAD埋め込み術(HeartMate IIもしくは HeartWare)を施行した患者の術前のSOFAが予後と相関するか?を調べた研究。


まずSOFA scoreが有用か?を ROC曲線を用いて検証。
Outcomeは術後1, 3, 6, 9ヶ月、1年、2年後のそれぞれ死亡率、入院日数、合併症の発生率

患者群の平均年齢は59.9歳、BTT/DTは55/42 (日本ではDTはないが、アメリカでは平均的な割合だろう)。
INTERMACSとSOFAは関連しており、INTERMACS 1の患者(16人)の平均SOFA score は6.5 ± 4.18 INTERMACS 2-6の患者のSOFAは4.23±2.3であった。

全体の30日死亡率は10.1%。短期生存者と死亡者でのSOFAに有意差を認めなかった。4.50 vs 5.56  p=0.178   30日死亡率におけるSOFAの感度・特異度をとったROC分析ではAUCは0.667  p=0.024であった。
長期予後(1年死亡率)とSOFAの関連では生存者と死亡者で有意差を認めた。  3.67 vs 6.60  p=0.002   AUCは0.715  p=0.002であった。
合併症(消化管出血、感染、TIA、ポンプ交換)の発生率については術前のSOFAとの関連は見出せなかった。

結論としては長期予後とSOFAは関連があると。
ガイドラインでもNYHA IIIbといったより心不全が軽い状態の時にVAD装着を行った方がよいとされており、SOFA scoreも今後LVAD装着のタイミングを計る指標の一つとなるだろう
と。